09月27日
最近光司とは体力作りを兼ねた遊びをしている。
忍者ごっこという遊びだ。
いかに気配を消して行動出来るのか、相手に悟られず攻撃をすることが出来るのか。
どれだけ気配を消していても木の枝を踏めばそこで勘付かれてしまう。
となると、自分の足元や周りも注意深く観察し無ければならない。
相手が読めない動きをしなければならない。
俺も子供の時にこの遊びというか訓練というか、忍者ごっこをさせられたんだけど、まぁ難しいんだよ。
まず、子供の視線からは隠れられているんだけど、大人からは丸見えだったり。
でも、子供のすばしっこさと予測不能な動きに大人は翻弄されやすい。
子供目線で隠れられていると思っても見えてしまう時の対処法は、単純に自分が思っているよりも高い建物や障害物を盾にすること。
この程度の高さがあれば大丈夫。
最初にそう思った高さの倍はあると良いな。
それさえ自然と見つけ出すことが出来れば隠れて移動をするという事は難しくは無い。
次に気配を消す方法だが、これは中々難しい。
どれだけ息を潜めようと相手がアンテナを張っていればそれに引っかかるのは時間の問題。
ここで必要になるのは無なんだけど、無になりすぎると他が疎かになってしまう。
だから、対象を絞る必要がある。
恐怖心は一番必要無い。
失敗すれば待つのは死という状況でも、恐れることは無い。
失敗はしない、したとしても死ぬことは本望だと思っていればいい。
だけど、それでも人間は無意識的に恐怖を感じ体を震えさせてしまう。
どうすればいいか?
何に対しても恐怖を抱かないことだ。
苦手なことや怖いと思うことを徹底的に根本から潰す事だ。
これは中々難しいし時間もかかる。
時間をかけたところで拭いきれない時もある。
だけど、克服しなければ見つかって死ぬ。
俺も小さい時は虫が苦手だった。
小さいし叩き殺せるのは分かってるんだけど、まず触りたくないんだよな。
だけどこんな虫程度に怯えて死ぬくらいなら、虫を殺してでも生きてやろう。
そう思うようになってから気にならなくなった。
と言っても、わざわざ自ら触ろうとは思わないし、部屋の中にいれば不快だ。
危機的状況では気にならなくなった、と言うべきだろうか。
根本から潰すと言ってもその程度でいいんだよ。
然るべき時に怯える対象が消える、それだけで生存率はぐんと上がる。
光司は幸い虫に恐怖心は抱いておらず、どちらかと言えば好きな方みたいだ。
他に怖いものはあるか?と聞いたら、教団員だと言っていた。
一番怯えてほしくない相手だ。
俺はこれから光司に教えなければならない。
どんな時も怯えてはいけないと。
何があろうと怯えてはいけないと。




