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秘密の報告書  作者: 藤岡
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01月31日

早いものでもう一ヶ月が終わろうとしている。

今日は協力者、世間で言う信者が集まった。

大広間と庭を開放し豪勢な料理が振る舞われた。

庭ではつきたての餅が、大広間ではいくつかの鍋料理に採れたての野菜や魚に、新鮮な肉。

信者の家族も集まり皆何も疑うことなくそれを口にした。

俺が言うのもなんだが、もう少し疑った方がいい。

幼い子供達は初めましてが多かったのにも関わらず、集まり駆け回っていた。

それを眺める親同士も白い息を吐き出しながら微笑んでいた。

幸せな空間。そう呼ぶに相応しかった。


俺は見回りを担当していたが、調理担当だった仲間達は夜になると疲弊した様子で倒れ込んでいた。

後片付けを手伝ったが、終わることは無いのではないか?と思うほどの食器の山に目眩がしたな。


毎年一月の終わりになるとこうして信者達を集めてもてなすのだ。

それが世間で言う休日や平日に限らず、必ず31日に集まりがある。

教団員の欠席は認められない。

体調が優れない者は室内でパソコン作業を、体調が万全の者は見回りや料理の提供を。

どうしてこんなことをするのか?と思うか?

簡単な話だ。

俺たちは敵じゃないと思わせる為だ。

活動を続ける中で不信感を募らせる信者もいる。

その不信感を払拭し、また新たに頑張ってくれよという思いを込めた集まりだ。

そもそも信者になった奴をもう一度信じさせるのは簡単な事。

少し刺激すれば、少しの安らぎを与えれば、求めているであろう言葉をかければ簡単に戻ってくる。

そうして信者を続けさせるのが大事なんだよ。


家族で招待するのも、配偶者や親、子供といった身近な人間ごと丸め込むのが一番楽だからだ。

ただし、疑いの眼差しを向け続ける家族がいた場合はまた違う行動を取らなければならない。

そのやり方は多少危険を伴う行為だからあまりやりたくは無いが、やむを得ない場合もある。


俺は、どうしてだろう。

口が裂けても誰にも言えないことだが、小さな子供が関わってくるとどこか胸の奥がざわざわとする。

こう思っている時点で俺はまだ未熟なのだろうか?


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