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09月06日
夢を見る日が増え、見続ける時間が伸びる。
夢だと分かっているはずなのに、その感触が、臭いが、痛みがリアルで現実かと錯覚する。
教祖様はいつも言うんだ。
「きみがそうしたいのなら受け入れよう。」と。
俺はいつもその言葉を聞くと立ち止まってしまうんだ。
馬乗りになり何度も何度も教祖様の腹を刺した。
教祖様は何も言わず微笑むんだ。
光が薄れゆく瞳を見て俺は怖くなって教祖様から離れるんだけど、殺さなくちゃいけないとは思っていて。
だからトドメをさそうとした時、教祖様はあの言葉を言うんだ。
結局俺は教祖様にトドメをさせたことはない。
目が覚めるんだ。
心臓がバクバクと大きく跳ねていて、呼吸が乱れ、服が湿るほどの汗をかいていて。
怖い、悲しい、憎い、苦しい、守らなきゃ、殺さなきゃ。
複数の感情が一気に押し寄せてきて、酷い頭痛に目眩がするんだ。
俺は教祖様の為に生きている人間。
俺は教祖様の力となる人間。
教祖様の力になれないのなら、教祖様の為に生きられないのなら、教祖様の為に命を捧げられないのなら、俺は生きている資格が無い。
だけど俺は……教祖様をこの手で殺したい。




