表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
秘密の報告書  作者: 藤岡
63/96

08月25日

俺が発熱で寝てばかりの日が続いていた時。


眠る俺を起こそうとした光司は、俺を揺さぶったり肩を叩いてみたりしたけど俺は目覚めなかったという。

いつもなら少し触れただけで目を開く俺が眠り続けているもんだから、死んだのではないか?と不安に思ったらしい。

その時、自分が話せたらと強く思ったようだ。

もしあの時本当に俺が死んでしまっていたとしても、自分が話すことさえ出来ればすぐに助けを呼ぶこともできるし、俺を呼び戻そうと名を呼ぶこともできたと。


紙に文字を書いてのやりとりに慣れてしまった光司は、話すということを諦めるというか考えもしていなかったみたいだ。

だけど、このままじゃ駄目なんだとあの時強く思ったと書いて教えてくれた。

急ぐ必要は無いし、俺は光司を残して死んだりしないよ。と言うと光司は俺の腕にしがみついてすりすりと自分の頬を擦り付けた。



昔教祖様が言っていた。

信者は心が空な状態でやってくる。

埋めてほしい一心で教団の元へと自ら歩いてくる。

寄り添う姿勢を見せれば信者は教団の色に染まる。

これは信者だけでは無く誰にでも当てはまることだ。

我々がしているのは洗脳だと言う者がいるが、これは決して洗脳では無い。

多くの者が見て見ぬふりして寄り添わなかった者に寄り添い心を埋めてあげているだけ。

隙間のないように、丁寧に埋めているだけだ。

人は自分の心が満たされたと思った時、産まれたばかりの赤子が母を認識するように、埋めてくれた者を自分の中で偉大な存在だと認知し大切にしようと思うのである。


光司の心は俺が埋めて俺の色に染っているのだろうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ