59/96
08月05日
今か今かと待ち侘びている。
だけどまだ早いとも思う。
あと少し、あと少しだけでいいから時間をくれと。
闇の中蹲る俺を照らしてくれた光がこの先も俺だけではなく様々な人々を照らし続ける為には、もう少し時間が必要なんだ。
闇は光の存在を疎ましく思うだろう。
照らすなと、お前もこっちへ来いと囁くだろう。
俺にとっての一条の光は闇にとっては目障りで。
光から温もりを奪うことは容易いと俺に語りかけるだろう。
手を伸ばし背を向ける闇と手を差し出してくれる光。
俺は光る手を掴み遠く遠くへと逃げ出したい。
もしもそんな俺たちを闇が追ってくるというのなら、俺は喜んでこの手を離そう。
人々の希望となる光が絶やされぬよう俺が闇を葬ろう。
それを光が嫌だと言おうと、俺の手を再び掴もうと手を伸ばしたとしたら、俺は背を向けるのだろう。
光を照らす温もりは俺じゃない。
俺は壁だ。
闇から遠ざけるために存在する壁。
決して高いとは言えない壁。
だけど、光が逃げ切る時間稼ぎくらいはできる。
本当は、一緒に逃げ出したいけれど。
そんなことを願う資格はない。
俺は今まで沢山の光を殺してきたのだから。




