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05月26日
俺にチョコレートらしきものを渡そうとしてきたあの女。
浅賀 百合が教団員になった。
俺の知らない間に教団員になれるほどの貢献をしたらしい。
浅賀は俺に挨拶をしてきた。
俺は軽く会釈をし部屋に戻ろうとしたんだけど、裾を掴まれ立ち止まる。
これからは前よりもっと近くで貴方を支えられます。
浅賀はそう言うと手を離した。
今までも支えられた覚えは無いが、まぁいい。
信者では無く教団員。
使い物にならなければそれまでの話。
今まで以上の貢献と、尽くす姿勢を見せてもらおう。
部屋に戻ると光司は機嫌良さそうに絵を描いていた。
何を描いているんだ?と声を掛けると、光司は描きたての絵を見せてくれた。
おにぎりを片手に街を眺める男の横顔。
どこか寂しげで、優しそうな瞳。
これは俺?と聞くと頷いたので、こんな優しい目をしているかな?と聞いたら、光司は食い気味で頷いてきた。
そうか。
光司から見た俺の目はこんなに優しいのか。
そう言ってくれるのも、そう思えるのも、きっとこの世でお前だけだよ。




