02月18日
一度医者に診てもらいたいと上層部の人に相談した。
どうして?と聞かれたから、胸の辺りがおかしいことを話した。
すると、診てもらう必要は無いと言われた。
俺は、そうですかと返すしか無かった。
「大丈夫、病気なんかじゃない。少し疲れているのかもしれないね。今日はもう休んでいていいよ。」
持ち場に戻ろうとした俺にそう語り掛ける上層部の声は、今まで聞いたことがないくらい不気味な優しさをまとっていた。
いや、聞いた事はあるか。
どこでだろう?……あぁ、そうだ。信者と話している時の声だ。
言われた通り自分の部屋に戻ってみたが、本を読む以外にすることがない。
休めと言われたのだから、横になって目を閉じているのがいいのかもしれないが、まだ昼過ぎだ。
こんな時間に眠れば夜後悔するだろう。
そろそろ新しい本が欲しいな。
山積みになった本は全て二度、三度と読み返している。
それ以上読んでいる本もあるが、特別お気に入りという訳では無い。
たまたま手の届く場所にあったから、理由はそれだけ。
俺が本を読めるようになったのは教祖様や上層部の人のおかげだ。
文字の読み書きはこの人達に教わった。
それだけじゃない。
この世の摂理や、信じるべき人、信じるべき言葉、一般常識に最低限のマナー。
俺は全てここで教わった。
だから、とても感謝しているんだ。




