第8話 「6人目の選択」
黄金が社長を務める(株)龍雷神が密かに支援する音楽ユニット、Zone STARZ。
彼らは音楽の力で社会に新たなメッセージを届けようとしていたが、まだ全員が揃っていない。6人目のメンバーを迎えるべく、メンバー全員がそれぞれの思いを抱えながら決断の時を迎えていた。
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日が沈みかけたオフィス。JOHは窓の外を見つめていた。
「6人目は、誰がいいんだろう……」
医師、弁護士、会計士、歯科医、看護師という専門性豊かなメンバーたち。彼らに足りない何か。
その“何か”が、音楽ユニットとしての完成度を左右する。だが、その正体はまだはっきりとは見えなかった。
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その夜、メンバーたちは各自の部屋で考え込んでいた。
KOUHは妻のHikariと静かに話す。
「これからの音楽は、もっと多様性が必要だ。新しい視点、新しい感覚を持つ誰かが必要なんだ。」
Hikariも頷いた。
「その通りね。私たちの歌がより多くの人の心に届くために。」
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孤咲(FOX)は一人、公園のベンチに座り、遠くを見つめていた。
「このチームはただの音楽集団じゃない。社会の縮図だ。だからこそ、完璧な6人目を迎えねばならない。」
過去の弁護士としての事件を思い返しながら、彼は選択の重みを感じていた。
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CHAMは家族と過ごすリビングで、妻の未依奈と子どもたちの笑顔を見つめていた。
「家族も大事だが、俺たちの使命も忘れちゃいけない。6人目を迎えることは、未来を作ることだ。」
未依奈は微笑み、CHAMの肩に手を置いた。
「あなたなら、きっと正しい選択をするわ。」
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Teethは中国にいる妻の朱珠莉とビデオ通話をしていた。
「家族も、仕事も、音楽も。全部が繋がっている。新しい仲間は、僕らの絆をもっと強くするはずだ。」
朱珠莉も頷きながら答えた。
「遠く離れていても、私たちはいつも一緒よ。」
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JOHは社長の黄金に呼ばれた会議室で、重厚なドアの前に立っていた。
「社長、6人目の候補は誰がいますか?」
黄金は穏やかに微笑み、静かに口を開いた。
「候補者はいる。しかし、選ぶのは君たちだ。彼らの中から、自分たちの信じる者を選べ。」
その言葉にJOHは決意を新たにした。
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数日後。メンバー全員が再び集まった会議室。
それぞれの考えと想いを話し合い、時に意見がぶつかることもあったが、やがて一人の名前にたどり着いた。
「彼なら、このチームに新しい風を吹き込めるはずだ。」CHAMの言葉に皆が同意した。
その人物は、まだ表に出ていない謎の才能。だが、その存在がZone STARZを真のスターズへと導く鍵となる。
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そして最後、JOHは静かに告げた。
「これからの道は険しいかもしれない。でも、僕たちは6人でひとつだ。共に歩もう。」
メンバー全員がうなずき合い、決意の炎が胸に灯った。
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Zone STARZ、6人目の選択。
未来への扉が、いま開かれようとしている。