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【Zone STARZの物語】  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
第5章:環水公園の灯と富山第二高校の絆 —Zone STARZの夜—
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第7話『環水公園でLIVE』



富山第二高校での熱いライブを終えたZone STARZのメンバーたちは、満足感と少しの疲れを感じながらも、梨紅さんからの一言で胸が高鳴った。

「次は富岩運河環水公園でのライブ、そして明日は一日オフがあるから、ゆっくり富山を楽しんでね」


その言葉に、メンバー全員の表情が一気に柔らかくなる。ずっと忙しかった日々の合間に訪れた貴重な休日だ。彼女たちは思い思いの観光地へ散策に出かける準備を始めた。


もちろん、6人はマスクをしっかりと着け、鯖江市で購入したばかりの眼鏡をそれぞれに掛けて、変装しながらも、気分は上々だ。



東助と承太郎は、静かな午後のひとときを求めて富山駅前にある「文苑堂書店 富山豊田店」へと足を運んだ。


書店の棚には新刊の小説、地元の歴史にまつわる書籍、そして音楽雑誌がずらりと並んでいる。2人は片隅のベンチに腰掛け、小声で静かに会話を交わしながら、それぞれの興味のある本を手に取った。


「この新刊、話題になってるらしいよ。読んでみる?」

「うん、いいね。富山の歴史本も気になるな」


書店の空気は落ち着いていて、彼らの声も自然とひそやかになる。



一方、悌輔は富山の伝統文化に強く惹かれ、薬売りの歴史を伝える「池田屋安兵衛商店」や資料館を訪れていた。


店内に漂う薬草の香りと木のぬくもりのある空間に囲まれ、彼は思わず「ええ匂いやな」とつぶやいた。


彼は熱心に展示を見つめ、薬文化が富山の暮らしに深く根付いていることを肌で感じていた。



光莉と玜介は、文化的なひとときを求めて「高志の国文学館」と「富山ガラス美術館」へと向かった。


文学館では、富山ゆかりの作家たちの直筆原稿や貴重な資料に目を奪われる。光莉は静かに言った。


「物語を“書く人”の想いって、伝わってくるよね。読む側としても背筋が伸びる感じがする」


ガラス美術館では、光を受けてきらめく繊細なガラス作品に二人で見入っていた。



蜜介はひとりで総曲輪通りや大和富山店、マルートを巡り、家族やスタッフへのお土産を丁寧に選んでいた。


地元の味噌や昆布、白エビの煎餅をかごに入れ、さらに自分用に「富山ブラックラーメン」のカップ麺を3つ手に取った。


「これならみんな喜ぶかな…」と笑みを浮かべながら、細やかな気遣いを忘れない彼らしい休日の過ごし方だった。



午前中の散策を終えたメンバーたちは、富山駅近くの観光地をぶらりと歩き、昼食に向かった。


選んだのは「ちゃぶ有」という地元で評判の店だ。素材の味を活かした料理に期待が膨らむ。



その日のライブは、もともと午後2時からの予定だったが、土曜・月曜の週末だったため、学生や社会人が参加しやすいようにと時間を午後2時から5時に変更した。


地元のテレビニュースが16時にライブ開催を大々的に報じ、県内全域の住民向けの一斉メールでも「Zone STARZが『富岩運河環水公園』でライブを行うから、今すぐ野外劇場に来て!」と告知された。



当日は(株)富山陽製社の社員も数名参加し、学生や大学生、主婦層、そして子ども連れの家族など、200人から300人の観客が集まった。


今回は環境に配慮し、飲食のフードコートは設けず、グッズ販売のみを行う形を取った。


マネージャーの承太郎はマイクを持ち、観客に向けてこう呼びかけた。


「皆さん、この美しい公園を守るために、ゴミは各自で持ち帰ってください。ご協力をお願いします!」



その声に応えるように、50代の主婦が歓声を上げ、20代後半の大学生、30歳の男性、40代の主婦たちも笑顔で盛り上がり、和やかな雰囲気が会場を包んだ。




ライブ会場となった富岩運河環水公園の野外劇場は、春の柔らかな日差しを浴びて輝いていた。川面にはさざ波がゆらめき、背景の緑が爽やかな風に揺れている。


Zone STARZの6人はステージ袖で最後の準備を整え、互いに目を合わせて気合いを入れた。


梨紅さんも観客席の後方から温かいまなざしを送っている。


「さあ、行くよ!」


承太郎の声に導かれ、Zone STARZは一斉にステージへ飛び出した。


観客たちは手拍子を打ち、歓声をあげて彼女たちを迎える。



1曲目は、彼女たちの代表曲『煌めきのステージ』。


爽やかなメロディーが環水公園の空気に溶け込み、観客の体を自然と揺らせた。


光莉の伸びやかな歌声と、悌輔の切れのあるダンスがステージを華やかに彩る。



曲の合間には、メンバーが観客に話しかける時間もあった。


「今日は本当にありがとう!みんなの笑顔が私たちの力になります!」と蜜介。


承太郎はマイクを握りながら、会場の環境美化を呼びかける。


「みんなでこの美しい公園を守ろうね!」



ライブは進むにつれて熱気を帯び、観客も一緒に歌い、踊り、手を振った。


主婦の一人は、子供の手を引きながら感動の涙をぬぐう。


大学生グループは友達同士で肩を組みながら笑顔を交わす。


50代の男性は静かにリズムに乗り、心から楽しんでいるようだった。



アンコールの声が響く中、Zone STARZは最後の曲『未来への扉』を披露。


メンバーの想いが詰まった歌詞が観客の胸に深く響き、ライブは最高のフィナーレを迎えた。



終演後、マネージャーの承太郎は再度マイクを取り、観客一人一人に感謝の言葉を伝えた。


「みなさん、今日は本当にありがとうございました。これからもZone STARZを応援してくださいね!」


観客たちは大きな拍手と歓声で応え、会場は温かな余韻に包まれた。



メンバーたちは汗をぬぐいながら、互いに笑顔で肩を組んだ。


梨紅さんがステージに現れ、優しく声をかけた。


「みんな、本当に素晴らしかったよ。富山の自然と皆の心がひとつになったね」



その夜、Zone STARZの6人は静かなホテルの一室で明日の休暇に思いを馳せながら、ゆったりとした時間を過ごした。


富山での思い出がまた一つ、彼女たちの心に刻まれたのだった。




翌朝、富山の澄んだ空気が部屋の窓から差し込む。


Zone STARZの6人はそれぞれの部屋で目を覚まし、ゆっくりと朝食を楽しんだ。


梨紅さんは静かにみんなの様子を見守りつつ、「今日は何をする?」と問いかけた。


悌輔がさっと立ち上がり、「せっかくだから、みんなで富山の美味しいものを食べに行こうよ!」と提案。



その日のプランはゆったりと富山市内のカフェ巡り。


蜜介は「僕はまたお土産買いに行きたいな」と笑い、光莉は「カフェで読書もいいね」と目を輝かせる。


玜介はスマホで地元のおすすめスポットを探しながら、「ここのスイーツ店、評判良さそうだよ」と話した。



市街地の小さなカフェで、彼女たちはゆっくりと過ごしながら富山の地元話に花を咲かせた。


店内には木のぬくもりが感じられ、窓からは新緑が見える。


梨紅さんが差し出した富山産のハーブティーは、みんなの疲れをやさしく癒した。



そんな中、光莉はふと静かな声で言った。


「この数日間で、富山の自然や歴史、人の温かさを感じられて、本当に良かった。」


承太郎も頷き、「これからのライブでも、こういう想いを伝えていきたいね」と目を輝かせた。



午後には、それぞれの気持ちを胸に、富山駅で解散。


駅のホームにはたくさんの人が行き交い、また日常が動き始めていた。


梨紅さんは微笑みながら、「また必ずここに帰ってきてね」と手を振った。


Zone STARZの6人も笑顔で応え、新たな夢へと歩き出した。



富山での経験は、彼女たちの心に深く刻まれ、これからの活動の原動力となる。


彼女たちの歌声は、また多くの人に希望と元気を届けるだろう。


そして、また富岩運河環水公園のステージで、みんなが再会する日を楽しみにしながら。


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