第3話「中部の旋律、絆の風景」(中部編)
彌彦山の緑豊かな麓に広がる彌彦神社の鳥居をくぐったZoneSTARZの6人は、しんとした空気の中に身を置いた。風に揺れる木々の葉音、遠くで響く鳥のさえずりが心地よく、自然と背筋が伸びる。悌輔は無言で手を合わせ、願いを込める。珠莉のこと、仲間たちの無事、これからの旅の成功…。言葉にはしなくても、それぞれの胸の中に強い想いがあった。
境内を歩く光莉は、そっと笑みを浮かべながら「こういう場所に来ると、心が静まりますね」とつぶやいた。諒真は空を見上げ、風を感じながら「旅の始まりにふさわしい場所だな」と小さく言った。
昼食は、地元の食材をふんだんに使った魚沼産コシヒカリのタレかつ丼。揚げたてのカツは衣がカリッと香ばしく、中はジューシーだ。悌輔が一口食べて「これは…めっちゃうまい!」と目を輝かせる。承太郎も「これ、たまらんわ」と笑みをこぼし、他のメンバーも自然と笑顔になる。へぎそばのつるりとしたのど越しや、笹団子のほんのりした甘さも旅の疲れを癒した。
食後、萬代橋のたもとに立ち、信濃川の流れを見下ろす。川幅の広さに驚いた東助が「こんなに大きな川、初めて見たかも」とつぶやき、光莉も「水の流れがまるで生きているみたい…」と目を細めた。流れる水の音に混じり、遠くのカモの鳴き声が優しく響く。
ヒスイ海岸に着くと、波打ち際に散らばる緑色の小石が光を反射してきらめく。玜介がしゃがみこんで手のひらにのせ「これが本物のヒスイか」と感嘆の声を上げる。光莉も手を伸ばし「宝石みたい…自然の奇跡だね」と優しく語った。その輝きを見つめる2人の間に、静かな幸福が流れた。
富山県に入ると、まずは西町大喜の名物ブラックラーメンを味わう。真っ黒なスープは見た目とは裏腹に深いコクがあり、麺に絡む。悌輔がすすりながら「体にじんわり染み込む感じだな」とうなずく。光莉も「これ、寒い日には最高ね」と笑顔を見せた。
午後の富岩運河環水公園は、水面に映る青空と遊歩道の木々が織りなす静かな美しさ。彼らがステージに立つと、澄み切った空気に音楽が溶け込み、観客の心を揺さぶった。夜は麺屋信次郎で各々が大盛り、特盛のラーメンを頼み合い、箸の競争を楽しむ。「負けるなよ!」と笑い声が響き、旅の親密さを感じさせる温かい時間となった。
翌日、ZoneSTARZのメンバーは悌輔の自宅を訪れた。落ち着いた和の庭園を備えた邸宅の玄関先で、珠莉が明るい笑顔で出迎える。彼女は旅の疲れを気遣いながら、「ようこそ、みんな。ここで少しでもゆっくりしていって」と声をかけた。
メンバーは和やかな空気の中でくつろぎ、旅の話や地元の美味しい料理の話題に花が咲く。珠莉の気遣いが随所に感じられ、悌輔は「本当にありがとう」と深く感謝した。光莉は珠莉の心遣いに感動し、「こんなふうに迎えてもらえると、本当に家族みたいに感じます」と微笑んだ。
珠莉は悌輔と光莉が交わす視線に気づき、やさしい笑みを浮かべる。旅の疲れを癒しながらも、彼らの絆を静かに見守るような穏やかな時間が流れていた。
前の日の夜に金沢にあるテルメ金沢の温泉で疲れを癒しながら、承太郎がぽつりと「疲れたな…でもこうして体を休められるのは幸せだ」とつぶやくと、皆がうなずいた。金沢城址公園でのライブは、歴史的な城壁を背景に幻想的な光景を作り出し、観客から大きな拍手が湧き上がった。
福井県の鯖江市では、伝統工芸の眼鏡を手に取る。玜介は「この細工、職人の魂を感じる」と感嘆し、悌輔も「お土産にぴったりだな」と微笑んだ。サンドーム福井でのライブは熱狂的な歓声に包まれ、悌輔は拳を高く突き上げ「最高の盛り上がりだ!」と叫んだ。
山梨県の金精軒で味わった夏限定の水信玄餅は、透明でぷるんとした食感と、ほのかな甘みが口の中で溶ける。光莉は感動のあまり「こんなにやわらかくて、透明な甘さは初めて」と目を丸くした。
白川郷の合掌造り集落では、昔ながらの家々が雪の重みに耐えながら静かに佇む姿に心奪われた。諒真が「この景色、まるで時間が止まったみたいだ」とつぶやき、承太郎も「日本の原風景だな」と感慨深げに言葉を紡いだ。
善光寺には多くの参拝客が集い、壮麗な寺院の前に列をなしていた。悌輔はその光景に驚き「こんなに人が集まる場所なんだ」と目を見開き、光莉も「みんなの祈りが重なっているのね」と静かに語った。




