第7話「それぞれの鼓動」
◆ 東京都内・音楽スタジオ/合同練習日
ZoneSTARZとLightningの合同プロジェクトが本格化する中で、両グループは連日の練習に追われていた。
「KOUHさん、昨日のブレイクダウンの部分、もう少しテンポ落としてもいいと思うんです」
リハーサル室に響く楓珠の声。真剣なまなざしでKOUHに向き合う。
「そうか。じゃあ、そこはLightningらしい“間”を作ってみようか」
KOUHは頷きながら答える。ZoneSTARZのメンバーたちは、Lightningの感性と真摯さに心を開きつつあった。
その様子を見守っていたJOHは、スタジオの片隅で静かに腕を組んでいた。
(…悪くない。だが、全てが順調なわけじゃない)
ZoneSTARZの“正体”がバレるリスクは常に背後にあった。それでも、彼らは前を向いて音楽に向き合っていた。
◆ 富山・園川家
悌輔は診療を終え、帰宅すると玄関で珠莉が出迎えた。
「おかえり、悌輔。ZoneSTARZの曲、今日も練習したの?」
「うん。でも…やっぱり、歯科医と音楽、どっちつかずにならないようにしないと」
悌輔はジャケットを脱ぎながらそう漏らす。
「でも、あなたの歌が患者さんの心も癒してるって…それ、すごいことだよ」
珠莉のその言葉に、悌輔は思わず笑った。
「ありがとう、珠莉。君の言葉は、いつも核心を突いてくるな」
「だって、ZoneSTARZの“1ファン”でもあるからね」
2人は静かに笑い合った。
◆ 東京都内・広瀬未依奈の現場
ドラマの撮影現場。女優としての広瀬未依奈は、再び注目を集めていた。
「未依奈さん、来週のシーン、親子の別れを描くので…リアルなお芝居、お願いしますね」
監督の言葉に未依奈は深く頷く。
(春翔と由紀恵を思い出すだけで、涙なんてすぐに出るわ)
だが、涙の中に宿る“覚悟”こそが、彼女の強さだった。
帰宅後、蜜介との会話もわずか数分。それでもお互いの眼差しには、すべてが詰まっていた。
「俺、音楽で答えるよ」
蜜介が言ったその一言に、未依奈は静かに頷いた。
◆ Lightningメンバーの夜
リハーサル後のカフェ。
蓮王がギターケースを背負いながら、SHOWと話していた。
「ZoneSTARZの奴ら、ほんとに音楽に“命”懸けてる感じがするな」
「うん。自分の言葉、まだ出せてないやつも多いけど、音に全部出てる」
SHOWの言葉に、蓮王は真剣な眼差しを返す。
「だからこそ、俺たちが“受け止める側”でいたいんだよ」
その夜、楓珠は自室で母の手話の映像を見ながら、ひとり、ZoneSTARZの楽曲に合わせて手を動かしていた。
「音楽は“聞く”だけじゃない。伝える手段は…いくつもある」
心にそう刻みながら。
◆ 龍雷神事務所/JOHの決意
夜遅くまで残っていたJOHは、ZoneSTARZとLightningのコラボ曲デモを聴きながらメモを取っていた。
(この曲が完成すれば、何かが変わる)
その予感があった。
KOUH、CHAM、JOE、FOX、そして蜜介。
誰ひとり欠けても成り立たないZoneSTARZ。
楓珠、蓮王、SHOW、TOUHM、遥輝。
Lightningの個性も、今やその火花を確かに響かせている。
「これが、俺たちの“革命”になるんだ」
パソコンの前で、JOHは静かに拳を握った。
◆ ラストシーン:スタジオ深夜
ZoneSTARZとLightningのメンバーが、それぞれの楽器を調整していた。
誰も言葉を交わさずとも、呼吸と音で“わかり合える”瞬間が、そこにあった。
次の本番ステージは、目前だ。
照明の落ちたスタジオに、誰かの足音が響いた。
そして、KOUHの低く静かな声が、闇を切り裂くように響いた。
「行こう。“奇跡”の続きを作りに」
――その声に応えるように、静かに、力強く、誰かがギターを鳴らした。
物語は、次なるクライマックスへ――。




