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ピアノが弾ければそれでいい  作者: まさのり
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第12話

初代カリスト王国国王ラニール・カリストが未だ周辺諸国を平定するため奮戦していた時代、東部地方は小国とはいえ独立国家であった。経済力はあったものの、強い軍事力を持てなかったため、国境を接するガニメデ帝国からの介入、搾取に喘いでいた。ラニール・カリストが率いる軍が徐々に力をつけ始めたころ、小国の王はラニール・カリストに面会を求めた。小国の王が求めたのは、武力に怯えることのない自国民の安寧。差し出すのは自国の権利そのすべてだ。民を思うその姿勢に心打たれたラニール・カリストは東部に生きる民の安寧を約束するとともに、小国の王を仲間として迎え入れた。これがカリスト王国東部領主、メディナ家の誕生のきっかけとなった。そして、この出来事がカリスト王国とガニメデ帝国に軋轢を生むことに繋がった


※※※※※※※※※※※


急報を騎士が告げると謁見の間に緊張が走る。報告を聞いた王の顔色が変わる、が、もっと周囲に緊張を走らせたのは王妃の変様だった。微笑みを湛え、国母としての雰囲気を醸し出していたのだが、、、


「王よ、急ぎ騎士団と大臣達の招集を」

すっと立ち上がり一言発した王妃は、王を凌駕する覇気と怒気を放っていた


「バランシン!」


「はっ!」

部屋の隅で控えていた大柄な騎士は即座に跪く。甲冑の胸には騎士団の紋様と、それに添えられるように盾をモチーフにした紋様が


「急ぎ第一騎士団にも緊急呼集を!、休暇中の者も例外ではない!」


「おまちを!王妃殿下」

矢継ぎ早に指示を出す王妃イゾルデに一人の家臣が待ったをかける


「なんだ?メルテン伯爵?」

優美な装いに似つかわしくない口調と雰囲気の王妃


「恐れながら王妃殿下にあらせましては、いささか平静をお失いになられておると拝察致します。その様にまるで王権を振りかざすような、、、」

額の汗をハンカチて拭きながら媚びるような笑みを浮かべる小太りの臣に


「で、あろうか?私の記憶では第一騎士団の総帥権はまだ私にあると思っていたが?」

第一騎士団は王都防衛を主任務とする王家直属の騎士団。副団長は代々『大盾の勇士』の家系が務める。今代の王、パウロ・カリストは元は女王イゾルデに仕える宰相だった。内政、外交には秀でているが、軍事に関しては門外漢であったため、第一騎士団の団長は王妃となった今でもイゾルデが担っていた


「確かにその通りでございますが、伝えられた報が確かかどうか確認もせず、騎士団を動かすのはいかがなものかと。もし誤報であるなら、これまでせっかく友好を築いてきた帝国を下手に刺激することにもなりますれば、、」


「誤報であったのであればな。誤報でなかったなら、手を打つのが遅れることになるぞ?今も民が命の危険にさらされているやもしれんこの時にだ!」


「イゾルデ」

名を呼ばれ、はっと横の気配に気付く。そこには心配そうにこちらを伺う、愛する夫の顔


「、、、失礼いたしました。王よ」

グッと堪え、席に着いた


「大臣たちの召集を!急ぎことの詳細を確かめよ!周辺諸国の動向にも注視するように!火急の事案である!総力を挙げよ!、、、バランシン!そなたに出した妃の命は一時据え置きとする」


「はっ」

バランシンと呼ばれた騎士は立ち上がり、もといた部屋の隅に控えた


王は小声で妃に声を掛ける

「妃よ、ひとまずはこれで良しとせよ」


「御心のままに」

イゾルデの顔に憂いが滲む。国の立ち回りには人の繋がりが不可欠だ。王の判断は家臣の顔を立てたものだった。イゾルデも理解している。夫がいつも家臣たちの力関係や、偏重しない様に苦心しているのは分かっていた。しかし、かつて父が零した言葉が脳裏によみがえる


『イゾルデ、私の治世は戦に明け暮れてしまった。事の始まりのとき、もっと早く決断していればこの様に長く、周りをも巻き込む事態にはならなかったはずだ。いたずらに戦いを長引かせ、民と家臣に苦しみを押し付けた私は愚王であった。そんな世は私とともに終わりとしたい。イゾルデ、、、後を任せたよ』

まだ壮健であったはずの父は、戦後の処理が落ち着くとあっさりと退位していった


※※※

王宮会議室に次々と情報がもたらされた。バスコルト家(糸の勇士の家系)が筆頭の情報部は各都市に配下を配置しており、レイノルズで起こった出来事の事細かな情報をもたらした。そしてそのすべては楽観できないことを示していた


事の発端は、国境近くで演習をしていた帝国軍に負傷者が出たことで救護を求められたことから始まった。要請に応え、執政官サリュウ・メディナは負傷者20名余りを講和条約に基づき城内に迎え、手厚くもてなした

七日も経つと負傷者達は帰国出来るくらいまで回復し、明日にでも城外で待つ帝国軍に引き渡そうとしていたその夜、事件は起こった

兵舎で食事を済ませた兵士たちが突如倒れていった。何者かに毒をもられたとみられる、そういった内容の緊急書面が早馬で王都に発せられていた

さらにその騒動に対応していたところに、城門の守備兵が斬殺され、城門の一つが開け放たれた。その門の前には示し合わせたように帝国軍が待機しており、その軍勢が混乱する城内になだれ込んで来た。そして街は至る所で火の手が上がる


執政官サリュウ・メディナは帝国軍の指揮官に面会を求め、民の安全を交渉しようとするが、身柄を拘束され、『反逆者のメディナ家の者』として家族ともども牢獄に入れられた


都市に取り残された住民に対してガニメデ帝国軍は恐怖での支配を始めた。報告には帝国兵による民への暴虐が詳細に記されていた。その生々しい報告に王は顔を歪める


さらに城塞港湾都市レイノルズ周辺で、ガニメデ帝国軍と見られる多数の部隊が越境、潜伏したとの報告も上がった


※※※

『入念に計画された軍事行動だ』

イゾルデは王の隣に座し、静かに報告を聞いていた


そこへ火急の報を告げに騎士が部屋に入って来た


「報告します!先ほど第4騎士団グラムス侯爵より伝書が届きました!『東部のメディナ家より救援要請を受ける。我ら第4騎士団は兵団、魔法士団を緊急招集し、共に臨戦態勢に移った上で指示を待つ』とのことです!」


「なんと勝手な事を!!王よ!王命を待たず動くとは!これは由々しき事態ですぞ!」

メルテン伯爵が金切り声を上げる


そこにまた一人、騎士が部屋に飛び込んできた


「報告します!大公殿下より直筆の伝書が届きました!『隣国イオとの国境でイオ王国軍に動きあり。全大公領軍を召集、国境へ向かう』とのことです!」

イオ王国は先の大戦で帝国側の陣営で参戦した国だった


「なんと!?大公殿下ともあろうものが!如何に大公であってもこんな独断は!」

メルテン伯爵は叫び声を上げながらチラチラと王の顔色を伺う


「いや!よく判断した!!流石は大公!流石は『槌の勇士』の末裔である!!大公家へは国境での守りを頼むと、グラムス侯爵には東部の助勢を頼むと伝えよ!」

立ち上がり、声を上げたのはパウロ王。王は続けてメルテン伯爵に顔を向ける。その目は今まで見たこともないほど冷やかなもの


「メルテン伯爵、何故なにゆえそなたはそこまで、軍を動かすことに難色を示す?」


「そ、そのようなことは!ただ王命も無しに勝手に軍を動かすなどは、、」


「大公家には北国境の守備を担って貰っている。グラムス侯は第4騎士団の総帥権を持つものだ。軍の召集はグラムス侯の持つ権能の範疇だ。そのうえで指示を仰いできたのだ。何の問題があるのだ?」


「は、はあ、、」

メルテン伯爵は額の汗を拭きながら所在なく答える


「状況は理解した!これは明らかな宣戦布告だ!各騎士団、兵団、魔法士団に緊急呼集をかけよ!これより我らが王国は戦時態勢に移る!周辺国にも連絡せよ!この騒動に便乗し我らが国へ矛先を向けるものは如何なる理由があっても許すことはないと!」

※※※※※※※※※※※


二、三日前から王宮内が騒がしいです。何かあったのかな?とテレサさんに聞いても、さてな?と躱されるだけです。テレサさんも、なんだか最近表情が硬いんですよね。気になります


昼食を終えてサラとテレサさんの3人で午後のレッスンをするために練習棟へ向かう道すがら


「ん?」

テレサさんが駆け寄ってくる騎士に気づいた。騎士はテレサに近くとスッと一礼した後、顔を近づけ耳打ちする


サァーとテレサの表情から柔らかさが消える

「わかった。直ぐに行く」


騎士は答えを聞くとスッと一礼し、去っていった


クルリと振り返るテレサ


「ソータ殿、すまないが私はこれから第2騎士団の会合に出なければならなくなった」


え?、、、どうしたの?


聡太はテレサの顔を見て嫌な予感を感じた。テレサのその目の奥に何か得体のしれない感情が渦巻いているように感じる


「夕方の『刻知らせ』には戻って来れるのかな?」

自分でも、もっと何か他に聞くことはないのかなと思うが、とっさに気の利いた言葉は出てこなかった。心の奥に湧いた『行っちゃだめだ!』という声が発露することは無かった


「そうだな、、、、、戻るのは遅くなるかもしれない。私を待たずに先に帰ってくれていい」


「そ、そうですか」


聡太の言葉を聞くとテレサは聡太達とは別の方向へ歩み出そうとする


「あ、テレサさん!」


聡太に呼び止められ顔を向けるテレサ


「また明日!」

いつも別れ際に交わす挨拶


「ああ、また明日」

フッと笑みを浮かべテレサもいつもの挨拶をすると、一拍間が空き、意を決したように歩き出して行った


残された2人。サラが口を開いた

「ししょー、、、なんか変です。なんだか、、いつもと違うお別れの挨拶です。、、、なんか背筋がゾワゾワします」


サラの予感は的中する。

次の日に王より戦時厳戒態勢が発令。テレサさんがいつものように護衛に来ることは無かった


※※※※※※※※※※※


戦時厳戒態勢は発令されたものの、詳しい内容は知らされなかった。知らされたのは東部で他国の侵攻があったことだけ

第2騎士団よりテレサさんの代わりの護衛の人員が派遣されてきた。第2騎士団の古株で、短く白髭を整えたイングリスさんという人だった。どうやらベルタン団長の側近の一人だという。


「イングリスさん、テレサさんは今どうしてるんですか?」


「さて、端者はしたものの私にはわかりかねますな、、」

老騎士は聡太の質問にのらりくらりと躱す。その答えを聞いて聡太はある種の確信を持つ


『多分、今回の件に関する事の口外を禁じられてるな。そうなると、、今の情勢を知ってるのは、、、』


「サラ、ちょっと昼のレッスンをやめてジョアンさんの所に行こうか」

東部筆頭貴族家のジョアンさんなら何らかの情報を持っているはずだ


「え?ジョアンさんのところですか?」


「うん」


「でもジョアンさんはここ数日、楽士団をお休みしてるみたいですよ?」


「そうなの?じゃあお見舞いに行かないとね」


「おまちを!」

待ったをかけたのは老騎士だった


「今日のこれからの予定は昼のアイマールレッスンと夕方の『刻知らせ』では無かったですか?」


「ええ。ですが友人が心配なので昼のレッスンを取りやめてお見舞いに行こうかと」


「おそらく大した事は無いのでは?それよりも楽士としてレッスンを優先して、腕前を磨いた方がよろしいのでは?」

静かに、柔和に、諭すように物言うイングリスさん


「そうかもしれませんね、、でも、イングリスさんは何故ジョアンさんが大した事ないと思ったんですか?それにサラの腕前をご心配されているようですが、サラはすでに『ロザリンドコンクール』覇者にして、『妖精の継承者』の二つ名を持つアイマール奏者です。腕前をもっと磨けとはいささか失礼な物言いでは?」


ぐむ!と言い詰まるイングリスさん


「、、、、、テレサお嬢様から、ソータ殿とサラ殿に最大限の配慮と尊重を傾けるよう申し遣っております。伏してお願い申し上げる。メディナ邸への訪問は控えて頂きたい!」

丁寧な言葉ではあるが感情がこもった響きを感じる


『これがイングリスさんの騎士としてのだろうな』

「イングリスさん、、、、ちょっと腹を割って話しませんか?」


※※※※※※※※※※※


港湾城塞都市レイノルズの、元は執政官が執務を行なっていた部屋に佇む女性が一人。先程まで武官と文官からの報告を聞き、物事が概ね自分の予想していた通りに運んでいることに満足しつつ、窓から眼下の街並みを眺めていた


ブルーナ・ワラキアム

かつて黒衣の軍師と呼ばれ、今は黒衣の宰相と呼ばれるこの女性


突如帝国に現れた、出自が謎に包まれた人物であるが、その実は魔族であり、魔王の直系子孫だった。精霊たちに封印された島を、精霊たちの力が弱まる、青い月が輝く日に、それこそ命懸けで島を抜け出し、魔族の解放のためその身を魔法で誤魔化し、人に紛れて、たった一人雌伏の時を過ごしていた


目的は、精霊たちの力が込められた一振りの剣を破壊すること


忌々しいことに、精霊たちの封印を解くのに、その封印を掻い潜り、島の外の世界にある精霊たちの力の根源を打ち砕かないとならない状況は、何代もの魔王直系子孫たちの心を打ちのめした


しかし、一人の少女は諦めなかった。自分を姫様と慕う者たちを、閉じ込められた世界から出してやりたかった


『もう少しね、、』


精霊たちの力が込められた剣の所有者が王となり、その子孫たちが剣を継承していると知ったときから、ブルーナにとってカリスト王家は復讐の対象だ。さらに初代カリスト王に随伴した勇士の子孫も絶対に許すことはない。かつて戦場でその一人を見つけた際は、執拗に追いかけ、殺してやった


港湾都市周辺を失ったカリスト王国に待つのは緩やかな衰退だ。じっくりと弱り、過ぎ去りし華やかだった時代を羨みながら死んでいくがいい


今まで魔族たちが置かれた状況を存分に噛み締めさせ、その上で喉元に剣を突きつけてやりたい。それこそ自ら剣を献上し、庇護を求めて来るような時がいい


眼下の街並みでは帝国の兵に打ち据えられ、怯える住民たちが見える。生やさしい統治など必要ない。この者たちは王国をおびき寄せる餌だ。そのために都市内にいる王国の諜報員たちの存在に気付きながらもそのままにしておいた


『ほーら、早く来ないと皆死んじゃうぞ?』

冷やかな目線を街並みに落とす


軍が来れば城塞を生かして持久戦を仕掛ければいい。城塞の守りは鉄壁だ。最初は心許なかった兵員も、本国からの補充で段々と揃いつつある。仮に王国軍が城塞に近づいても徐々に削りさえすればこちらに負けはない。もっとも内通者のおかげで王国の軍の動きは緩慢なのだが


内通者からの密告で王国軍の陣容も、進軍するルートも知らされ、伏兵を配置済みだ。敵軍主力はカリスト王国第2騎士団。前回の対戦ではこちらが撤退する羽目になったが、今回は疲弊した兵を城塞前に晒すがいい。忌々しい勇士の血筋を絶ってやろう


『ああ、後は、、』

報告から、呼び寄せた帝国武官の到着が遅れていることにいささか苛立ちを覚える


『全く、あの男は、、、『双璧』の名が泣くわね』


※※※※※※※※※※※


サラが第8席だった頃よりは少し広くなった練習部屋。そこでイングリスさんと話し合いを行った後、聡太は飛び出すように部屋を出た


「し、ししょー!どこへ行くんですか!?」

「ソータ殿!」


サラとイングリスさんの声もそのままに足早に王城内を進む聡太。その後をサラとイングリスさんが慌ててついてくる

イングリスさんから聞いた状況は非常に緊迫したものだった。王国としても緊急性の高いことだろう。だが聡太にとって大事なのはそのことではなかった


まずい!まずい!!まずい!!!


ああ!なんでもっと早く気づかなかったんだ!


別れ際のテレサさんのあの目、眼差しを俺は知っている


歴史資料で見たことのある写真。戦時中、出撃すれば必ず死ぬと分かっている作戦に出る者たちの生前最後の写真。その者たちの眼差しはまさにテレサが見せた眼差しだった


俺はこの世界の戦いに関しては門外漢だ、だけどテレサさんは違う。状況を聞いてどれほどの事態かを悟ったはずだ。そして自分が命を落とすこともあると覚悟したはずだ。いや、テレサさんのあの手、剣の鍛錬でゴツゴツになったあの手の平は正にこういった事態に命を懸ける為に費した時間がそうさせたものだ


ああ!やめてくれそんなこと!考えるだけで気が変になりそうだ!


なにかこの状況を変える一手を!!

その力を持つ人物のもとへ急ぎ向かう聡太


「あれ?楽士殿?今日はいかがなされた?」

王城奥門の衛兵が突然の来訪者に戸惑いを見せる


「楽士ソータ、王妃殿下への謁見を希望します!」

息の上がったそのままに衛兵に告げた


※※※


もっと時間がかかるかと思ったけど、意外に早く王妃殿下との謁見が成った。サラは慣れていたものの、イングリスさんは目を丸くしていた


「久しいな」

足早に扉から現れた王妃殿下、装いは艶やかだが、今日は最初から覇気をまとったモード。手短な挨拶を済ませ、早々に席に着く。後ろにはかつてテレサさんと共に王妃の腹心と紹介された年配の侍女さんの姿があった


「突然やってきて時間を頂き、ありがとうございます」


「気にするな。それよりも今日はどうした?」


「今、王国に何が起きているか、詳しく教えていただきたく、、」

聡太の言葉に、ジロリと後ろで控えるイングリスさんに目を遣る王妃。その視線に冷汗をかきながら直立するイングリスさん


「箝口令を敷いていたはずなのだがな?そなたはキャスパール家の重臣であったか?」


「はっ!イングリス・クロフォードと申します」


「イングリスさんには無理を言ってある程度教えていただきました。やはり口外を禁じてましたか、、それは城内の平静を守るためだけではなく、他に目的があったのでは?」


「!」

王妃の目が険しくなる


「・・・・内通者がいるんですね?」


「、、ふー、ずいぶんとさかしいな」


「私のいた世界は、争いが絶えない歴史をもっていたので、、、」

これでも男の子だったので、そういった戦記物を読み漁ったこともある


「それで、何を知りたいのだ?」


「これまでの出来事を時系列で詳しく教えて下さい。それと、こちらの世界での戦闘法を」


※※※


うわぁ〜、、ヤバいぞこれは


一通り話を聞いて聡太は顔を青くする


「それで?話を聞いた感想を聞かせてもらおうか」


「、、、長い時間をかけて、じっくり練られた策と思います」


「ふん、やはりお前もそう思うか」


「内通者は特定できているんですか?」


「ある程度な、、問題はその数だ。1人とは限らん」


「こちらの動きは?」


「筒抜けだろうな。まぁ、今はそうさせているとも言えるが、、」


「何か対抗策を練っているんですね?」


「、、、」

答えのない事に少し安堵した聡太


「ところで、そこのイングリスとやらにはお前の出自については教えているのか?」


「はい、テレサさんが信頼して送り出してくれた方ですので、先程教えました」


「そうか、では私からも質問したい。お前の世界は争いが絶えない歴史を持つと言っていたな?どのような戦いが行われていたのだ?」


「そうですね、、剣や弓で戦う時代はとうに終わりました。今は情報戦がものをいう時代ですかね?」


「ははっ、なんだ?ずいぶんと平和的な戦いだな?」

乾いた笑いを見せる王妃


「そうですか?一瞬で30万人の命が消し飛んだこともありましたよ」

少し暗い顔で飄々と答える聡太。それを聞き、王妃が少し固まる


「私からもよろしいですか?」

王妃の後ろで控えていた年配の侍女さんが口を開く


「情報戦がものをいうあなたの世界では内通者をどの様に炙り出すのですか?」


「今の時代だと盗聴、盗撮、通信記録の解析ってところらしいですが、この世界の参考にはなりませんね。昔の方法だと偽の情報を故意に流し、動きを観察するってとこですか。偽の情報は複数用意したほうがいい。それぞれ違うルートから情報を流し、相手の動きの結果からどのルートが相手に繋がっているか特定しやすくなる」


「、、なるほど、私どもと手法は似ていますが、参考に値する方法ですね」


「サティナがこういった場で口を開くのは珍しいな?」

後ろに顔を向け話しかける王妃


「失礼いたしました。しかし、私としても可及的速やかに解決したい事案でございますので」


「そうか、有意義な情報が得られたようで何よりだ」


「王妃殿下」

聡太に声をかけられ顔を向き直す王妃


「どうした?まだ何かあるのか?」


「お願いが二つあります。どちらも、これから必要になってくるものです」


王妃に対し、聡太の駆け引きがはじまった


※※※


部屋を出て奥門に向かう3人。部屋を退出する際に王妃に提案を受けた。


『今度、レイノルズ奪還作戦に出征する第2騎士団の壮行会が内々に開かれる。王家が主催するものではなく有志貴族が主催するものだ。全くもって悠長な話だが、ある有力貴族からの発案だ。無碍にもできん。それほど多くの者たちを呼ぶ事はないが、メディナ家の者には声がかかるはずだ。その従者であるならば、、テレサに会うことも出来るぞ』


率直に言って顔を見たい。ほんの少しだけでも


ん?

後ろで歩きながらブツブツと呟くイングリスさんに気付く


「サティナ、、サティナ、、、、そうか!サティナ・バスコルトか!」


「どうしたんですか?」

サラが話しかける


「いや、先程王妃殿下の後ろに立っていた者、雰囲気からして只者ではないと感じていたが、、、」


「有名な方なんですか?」

キョトリンとサラが聞く


「名前は聞いたことがあるが、表舞台には滅多に出てこない名だ、、、今代バスコルト家当主、サティナ・バスコルト、、、糸の勇士の直系子孫だ。まさか普段は侍女に扮しているとは」


でたー!勇士の家系!なるほどなー、だから腹心の一人なんだ


「さて、、イングリスさん。さっそく約束を破ってすいませんが、これからメディナ邸へ行こうと思います」


「まあ、そうなるだろうな。はあ、、、お供しますぞ、楽士殿」

老騎士は腹を割って話すことで、穏便に事を済まそうと思っていたが、どうやら逆になったことをこの時悟った


※※※※※※※※※※※


メディナ邸へ着くと侍女頭のハンナさんが取り次いでくれた。「しばらくお待ちください」と言われて応接室のソファーで待つこと一時間ほど


「やあ、待たせたね」

ガチャリと扉を開けて部屋に入って来たジョアンさんは、無理に笑顔を見せて迎えてくれたが、一目でわかるほど憔悴していた


「だ、大丈夫ですか?ジョアンさん」

思わず声を掛けるサラ。普段は見せない厚めの化粧は顔色を誤魔化すためだろう


「はは、面目ない。まさか風邪をこじらせるなんて」

生真面目なジョアンさんのことだ。箝口令を敷かれていることから、なんとか嘘をつこうとしているようだ


「ジョアンさん、すいません。嘘はつかなくていいですよ」

気遣うように話す聡太


「え?」


「今置かれている状況は、王妃殿下から説明を受けてここに来ています」


「そ、そうか、、はは、じゃあ無理に慣れない化粧などしなくてもよかったかな?」

気丈に振る舞っているが、目に力がない。しばしの沈黙が流れ、ジョアンさんが口を開いた


「兄がね、、帝国に捕まったそうだ、、、それだけじゃない、、義姉も、、、甥も牢に入れられたそうだ、、、甥はまだ生まれて10年も生きていない、、、、」

ポロリポロリと生気のない顔に涙がつたう


「なんてことだ、、ついこの前に、次に合うときは王都の流行りのおもちゃを買って帰ると約束したのに、、」

そう言うと顔を手で覆い、声を殺して泣き始めた


「私は、、、無力だ!どうしてやることも出来ない」


「いいえ、ジョアンさん。何言ってるんですか!あなたの力が必要です。力を貸して下さい!」

聡太の声で泣き顔を上げるジョアンだった


※※※※※※※※※※※


穏やかに流れる音楽。主催の貴族が用意した私設楽士団の演奏


出征する第2騎士団を激励する為と開かれた壮行会は、これから戦いに出る者を送るとは思えないほど華やかなものだった


第2騎士団団長のベルタン、副団長テレサと、各隊長だろうか?5,6人の男女が騎士正装で参加しており、参列した貴族達から挨拶を受けている。騎士たちの胸には騎士団の紋様とそれに寄り添うように剣の紋様が


『これは些か華美が過ぎるのでは?』

『これからの労苦を労うという意味であるならわからなくもないが、、、』

『ベルタン団長殿も目が笑っていないぞ』

会場の隅で良識のある者たちは怪訝な顔を見せる


『しかし第2騎士団が王都駐在期間であったのは不幸中の幸いか。王国騎士団の中でも精鋭揃いの『王国の剣』ならばどのような任務にも対応できよう』


貴族たちのヒソヒソ話を横目で気にしつつ、聡太、サラ、イングリスの3人は壁際で控える。ジョアンさんの従者として壮行会に参加したが、従者の立場で会場内をうろちょろすることは出来ない


ジョアンさんはいつもと違いシックなドレスを身に纏い、会場内の騎士、貴族に声をかけて回っていた


「ベルタン伯爵、テレサ副団長殿、ジョアン・メディナでございます。この度は我らが領地、領民の窮状に御助力いただき誠に有り難く、感謝の念に堪えません」


「おお、貴女がジョアン殿か。お噂はかねがねテレサから聞いておるよ。今回の件では兄君も苦しいお立場におられること、心中お察し申し上げる」


「お心遣い、誠に有り難く」

団長のベルタン伯との挨拶を済ませ、テレサの前に居直るジョアン


「あなたも行かれるのですね?」


「ああ、これでも副団長なのでな?」

穏やかな笑みをテレサが見せる


「私の立場でこのようなことを言うのは間違いなのかもしれませんが、どうかご無理をなさらぬよう、、」


「ジョアン君、私は『王国の剣』、第2騎士団の副団長だ。このような事態で無理をするなとは無理な相談だよ。今無理をせずして、いつ無理ができようか?」

穏やかな笑みをそのままに決意を見せるテレサ


そこに主催の貴族の声が会場に響く


「皆様、この度は第2騎士団出征の壮行会にお集まりいただき、ありがとうございます。私の用意した楽士団の演奏、お楽しみいただいておられるでしょうか?ベルタン団長、これから戦地に向かわれる貴殿達に、私からのささやかなはなむけです。どうかお聴きください」


ホクホク顔の貴族が挨拶を済ませると、一人の楽士が前に出る。手には竪琴。その楽士が奏で、歌い出す


我ら王国の 創世の御代より創られし 王国騎士団

その威光 大陸の隅々まで伝え響く その名を聞き

敵はおののく その轍の音を聞き 敵は慌てる

その剣を見て 敵は逃げ出す ああ 我らが騎士団

その隊列の前に敵影は無し ああ 我らが騎士団 

その隊列の後に民は続く


※※※


なんだ?この、のほほんとした歌は?


聡太は苛立ちを覚える。思い返すは王妃の言葉

『此度の戦い、決して負けるわけにはいかんのだ。彼の地は今や我が王国の生命線。物資の流れの大動脈だ。彼の地を失う事はいずれ滅亡の憂き目に遭うことに繋がる。ベルタン団長もその事はよく理解しておったよ。まあ、それはその地を永年狙っていた帝国もよく理解しているのだがな』


つまりだよ、これからテレサさんが向かう戦地は、両国が死力を尽くして守り、奪う戦いが繰り広げられる戦地ってことでしょ?


国を守るため命を懸けるテレサを送るのに、のほほんとした雰囲気で談笑している貴族達が許せない聡太


「いかがでしたかな?歌を聴いて力が湧いてきましたかな?」

歌が終わり、主催の貴族が声を上げると


「まことに、第2騎士団が出ると知ったら帝国も案外あっさりと撤退するやもしれませんな?」

「ははは、それでは送り出すメルテン伯爵が拍子抜けというもの。少しは気概を見せてもらいませんとな?」

取り巻きの貴族も笑いながら声を上げる


そんなわけ無いだろ!相手は本気で狙い、策を練って来ている!

聡太の苛立ちはピークを迎える


「そういえば、ジョアン・メディナ殿も王宮楽士団の一員でしたな?どうです?メディナ家としても一曲奏上してみては?」

主催の貴族は上機嫌で話を振ってきた。少し酔っているようだ


「お申し出は光栄なことですが、あいにく、、」

丁重に断りを入れようとするジョアンさんの言葉を


「お嬢様、私が一曲奏上します」

壁際に立っていた聡太が遮った


「ちょ、、ソータ殿?」

「ししょー?!」

「楽士殿?!」

驚く、ジョアンさん、サラ、イングリスさん


「えっ?」

思わず声を上げたのはテレサさん。フードをかぶるソータの存在に気付くと同時に後ろにいたイングリスにも気付き、目を合わせる。と、苦笑いを見せるイングリス


スタスタとアイマールに近づくと、座っていたアイマール奏者に席を譲ってもらう。目線を上げるとフードの隙間から心配そうにこちらを見つめるテレサの顔が見えた


心配しているのはこちらですよ?テレサさん


聡太の頭の中にはある曲が思い出されていた。それは戦う覚悟と心情がストレートに表現された歌。強烈な歌詞が散りばめられる


ホントは歌いたくない。これを歌うとテレサさんは笑って死地に赴いていきそうだ。俺の知るテレサさんならそうする


「サラ殿、ソータ殿は歌を歌えるのか?」

「私もししょーが歌ってるとこは見たことないです」

後ろでサラとイングリスさんの声が聞こえる


うまく歌えるかな?

そんな時、船上楽団の歌い手から聞いた言葉が脳裏をよぎる


『歌はね、心よ。結局心のこもらない歌に聴き手の心を動かす力はないもの。逆をいえば心がこもった歌にはそれだけの力が宿るってことね』


歌いたくはない

でもこんな弛緩した雰囲気で送り出すのはもっと許せない!


それはテレサさんが『王国の剣』になろうと費した時間をも侮辱しているように感じた


我が心を込めましょう


アニメ『進〇の巨人』より第2シーズン主題歌

『心〇を捧げよ!』(Lin〇ed Hori〇on &2017)


10年にも及ぶシリーズ作となったこのアニメ、作中の登場人物たちは理不尽な境遇にも屈せず直向ひたむきに戦う。それこそ大事な人達を失いながらも。そのイメージがテレサさんに重なった


※※※


まずベルタンが気付いたのは、フードをかぶった男を心配そうに見つめる娘の顔だった。いつもは厳格な副団長たらんとするわが娘が、こんな顔をするのは記憶にない


『そうか、この者がソータ殿か』

娘との会話で度々出てくる名前、その名前が出るときはいつも穏やかな表情を見せていた。どんなやつか一度顔を拝ませてもらおうと考えていたが、まさかこんなところで、、なんて考えていると、フードの男は意を決したように歌い出した


※※※


ソータの鬼気迫る演奏、歌に会場が圧倒される。アイマールの演奏は力強く、その歌詞は鋭く心を抉る。己がすべてを、命を懸けよと


否応なく思い出される、ここに至るまでそれぞれが歩んできた道。騎士たちは守るべき大切な人たちの顔を思い出す。テレサは今まで鍛錬に打ち込んだ時間、ソータ達と過ごした時間を思い返す。ベルタンは犠牲になった息子の顔を、それを失った苦悩を思い返す


『『『今まで培った全てを今、この時に捧げてみせよう』』』

戦う者達の、その決意が固まった


※※※


歌い終わった聡太は自分が泣きながら歌っていた事に気付く


『あ、ヤバい』

急いで腕で顔を拭う。涙と唾で顔がぐちゃぐちゃだ


こんな顔をテレサさんに見られたくなかった


顔を拭うとようやく周り様子に気がついた。皆、一言も発しない


『しまった、、やりすぎたかな?』

かえってテレサさんに迷惑をかけたかもと不安になる


『あ』

テレサさんと目が合う、そこにはいつものテレサさんの『やれやれ』みたいな笑顔


すごい、テレサさん。ドキッとする


会場の静寂を破ったのはベルタン団長


「騎士団整列!」

団長の掛け声とともに素早く列を整える騎士たち


「抜剣、、捧げ〜、剣!!」

ダンッ!と音と共に一糸乱れぬ体制を取る騎士たち


「楽士殿、いや、今はメディナ家の従者殿か?はなむけの歌、確かに受け取った。ハハハ!おかげで気合が入ったわ!」

ベルタンが見せた笑みは猛々しいものだったが、確かに目まで笑っていた


※※※


壮行会を些か早く辞した騎士団が帰路につく。馬車の中、ベルタンが同乗した娘に声を掛ける


「あれがお前から話をよく聞くソータ殿だろう?なかなか肝の座った青年ではないか」


「まったく、いつもこちらをヒヤヒヤさせるような突拍子の無いことをやってくれるのです。見ているこちらの身にもなってもらいたいものです」

言葉とは裏腹にまんざらでもない顔をする娘


「そんな心にもないことを言うものではない。お前のために泣きながら歌ったのだぞ?」


「べっ!別に私のためというわけではないでしょう!?」


「今回の壮行会でかけられたどんな激励の言葉より、あの歌には重みがあった。それはお前への思いが込められたからと思ったのだがな?」


「それは父上の妄想です!」

耳を赤らげながら答える娘に


「やれやれ、男心おとこごころのわからんやつめ」

ボソリと呟くベルタン


「父上?」


「何でもない」


お前をまかせてもよい男なのかもしれんな、、


ベルタンの呟きは夜の闇に消えていった


※※※※※※※※※※※


壮行会より3日後、ベルタン団長率いる第2騎士団は第5、第6兵団 、第2、第8魔法士団と共に出撃していった。その数約30000人。現地で第4騎士団率いる20000人と合流する手筈だ

諜報員からの情報では城塞港湾都市レイノルズに集結した帝国軍はその数50000人に達しているという


攻城戦を考慮すると出撃時点で劣勢でありながらも、王国軍の士気は高かった


ベルタン団長の出撃時の激は後世に語り継がれる


『我らが王国の領地、領民に失って良いものなど微塵も存在しない!この戦に王国の命運がかかっていると知れ!!心〇を捧げよ!!』


騎士団、兵団、魔法士団の雄叫びは遠くの村まで響いたという


※※※※※※※※※※※


王宮奥殿では聡太達が王妃に呼び出されていた


「待たせたな」

艶やかな装いに似つかわしくない早歩きで王妃が入室する


トスっと席に座ると、ホイと丸められた紙を差し出す


「これは?」

聡太が紙を貰いながら聞く


「お前が欲しがった物の一つだ。私からではなく、王からの勅命書だ」


封蝋を切り、中を確認する


『此度の戦いに際し、臨時に戦場楽士団の創設を命じる。初代戦場楽士団の団長はソータ・タジマを任命する。戦場楽士団長は団員の任命権を持ち、その権能は王権に由来するものとする   第14世カリスト国王 パウロ・カリスト』


「聞いたぞ、壮行会での一件。様子を教えてくれた貴族は血が沸き、打ち震えたそうだぞ。王にもその様子が伝わり、今回の決定に繋がった」


一拍置いて王妃は続ける

「前回の謁見ではお前にすまないことを言ったな。浅慮であった、許せ」


『戦場に楽士が来て何をするというのだ!死にに行きたいのか!』


『たとえ暗闇の中で立ち止まろうと、たとえ絶望の淵に立たされようと、音楽の力で奮い立たせてみせます!私を戦場に連れて行って下さい!!』


脳裏に王妃と言い争ったことが思い出される


「もう一つの願い物も、現在製作中だ。でき次第出立する。そなたも準備を進めるがいい。お前の望み通り、戦場の最前線へ連れて行ってやるぞ?」


「え?連れて行く?」


「戦場楽士団が組み込まれる別動隊の護衛には第一騎士団が着く。指揮は私自ら執るつもりだ。遅れたら置いていくからな?覚悟しておくがいい」


「「うえええ!?」」

後ろでサラとイングリスさんが声を上げる


待っててね、テレサさん。決して1人にはさせないよ



遅くなりました。すいません。

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