酔いどれ哀歌
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上辺の会話
机を叩く指
ドアに向く足
片側だけ上がった頬
一日を取り繕った末に
脱ぎ捨てた靴下は
きっと数時間後の自分が拾うのだろう
溜息に混じったアルコールは
命を削るには物足りなくて
終わりの見えない自身に
心が震えた
一体何を、どこで間違えたというのか
答えは部屋のどこにも転がっておらず
手の中の琥珀が悲哀を映す
常に良くあれと生きた背中に
負うものは何も無く
瓶の音だけが時間を溶かし
そっと私に寄り添った
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