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⑹『デジタル・トラップ』
⑹『デジタル・トラップ』
㈠
架空の世界である、デジタル社会、しかし、その網目を潜って、暗躍するトラップたちが、のさばっている。ただ、それは、彼らにとっては生きる手段だろうし、騙されるほうが悪いという観点からかも、しれない、という訳である。
㈡
ならば、俺はどうすれば良い。戦うしかないな、デジタルトラップと。それは明白なことなんだよ。どうしようもない俺だって、行き場を探したら、もはや、デジタルにしかないという、危機的状況だって、遣って来るだろうから。
㈢
だから、俺は、戦う、デジタルトラップと。そんな、トランプみたいな、賭け事みたいなことじゃない。もっと実直な、戦いだ。例えば、俺が俺自身の小説や詩を、俺自身で守る、ということもまた、デジタルなトラップとの、戦いの一部だろう。