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3 イケメンにはイケメンの事情がある。

次話は今日の8時頃更新予定です。

「リーナ!! 久しぶり……でもないか。3日ぶり? 元気だったか?」


「ええ、この通りなんにもないよ。ウィルの方こそ何かあったんじゃないの?」


サロンにてお茶会。っていっても私もウィルも堅苦しいのは苦手だから、作法とか気にせずに楽しくお喋りーみたいな感じなんだけど……。


彼はウィルライン・カルミア。

さっきもちらっと紹介したと思うけど、私の幼馴染だ。

ひとつ上だから今は17歳かな?

相変わらずのびっくりするほどの整った容姿で、切れ長の瞳は炎が燃えているようにも見えるルビー色。短く切ってしまった輝くような金色の髪は光と反射してよくキラキラと輝いている。昔は耳の下辺りで揃えてていかにもお坊ちゃま感出してたのになー。似合ってたけど! 成長をひしひしと感じるよ……。


しかもまあこれも悔しいほどに似合ってるんすわ。どんな令嬢も貴婦人もイチコロです。

で、極めつけは騎士副団長と来た。前に一回剣を振るうところを見たことがあるけどかっこよかったな。もう少ししたら騎士団長に就任なんだって。今の騎士団長はもういい歳になってきてるから。

ウィルの剣使いは、まるで剣が体の一部みたいに自由自在に動いてるように見える。あれどうなってるのかな?


で、ですよ。そんな婚約もまだな公爵(・・)令息を皆がほうっておくわけないじゃん?

案の定毎日のように面会を望むー、やらぜひ娘を婚約者にー、やらでウィルのお父様がお困りらしい。

その中にはもんのすごい美人さんやら他国の姫さんもいるらしいんだけど頑なに断ってるんだって。もったいない……。

私も婚約者とかいないから人のこと言えないんだけどね……。


「なあ、リーナ。今度またうちに来ないか? 母上が"エリーナちゃんはいつ来るの!? 珍しい東国のお菓子が届いたのよ!!"って毎日毎日うるさいんだ。来てくれると非常に助かる」


モノマネ、地味に似てる……。

ウィルのお母様、ラスニア様はとても明るい方だ。小さい頃からよくお家にもお邪魔しているせいか昔からよく可愛がってくれた。半分くらいは着せ替えとしてだけど……。

うざい令嬢の対処の仕方とか、うまく男性のお誘いを断る方法とかも伝授してくれたのも彼女。よく言い寄られていたうちのお母様も助けていたらしく、親子揃ってお世話になりっぱなしです。


「わかった。明後日か明々後日くらいでいい? 当分は拒否権なしのお茶会とかないから私はいつでも大丈夫」


「…………!! ほんとうにと助かる。じゃあ明後日迎えに来るよ。俺も休みは調節できるし、何だったら終わったあとにどっか出かけに行こうぜ」


「ほんと!! 楽しみにしてる」


……ウィル……相変わらず綺麗な笑みね……。少し照れながらはにかんだ笑みなんて他のご令嬢にやってみなさい。私は昔から見てるから大丈夫だけど鼻血出して倒れるわよ。



「そういえば、リーナはフラジスト・ウィスダリアを知ってるか?」


「ええ、まあ噂程度しか知らないけれど……」


フラジスト・ウィスダリア。

ウィスダリア公爵家のご子息で稀に見る天才。これまでにない発想で様々なものを開発し、その想像力は計り知れないとか。

彼自身魔力が非常に多くて、魔力を使った魔道具なんかも開発しているそう。


そしてここからが大事。

これまた美しい姿をしているとかしていないとか。

大事とか言いながらそのことをあんまり知らないのも許してほしい。


彼自身あまり公の場には出てこないのだけれど、王城の強制パーティーとか夜会とかで目にしたご令嬢たちが次々に倒れたそう。

ほんとこの世界の人たちって倒すの好きだよね。確かに顔面偏差値やばいけれども!!


そういえば彼も私のひとつ上だからウィルと同じ歳?

お互い公爵家だから面識とかあるのかな。うわー、並んだらやばそう。なんか目に浮かぶ。

下手したら女性たち全員味方につけて世界征服できそう。


「顔は……見たことないんだな。俺とフラジストは昔から付き合いがあったんだがなかなか読めないやつでな。感情が読めないし、何考えているのかわからない。リーナも、気をつけてほしい」


気をつけてほしい?

私ごときがそんなお上の人と会うわけないやーん! 伯爵家だよ?


…………いやまて、十分ありえるな。

よくよく考えてみ? ウィルって……公爵子息だよね?


……気をつけよう。


わかった、と返事をすると何故かウィルはホッとした様子になったように見えた。

ウィルが言うくらいならなにかあるんだろうな、と納得し他の話に入る。



ウィルと話していると楽だ。

家は比較的堅い作法はやらないけどやっぱり夕食のときとかは作法が大事になってくる。

前世バリバリの平凡日本人には苦しいのよ……。作法とか習ってないからさ。ダンスとかお茶の飲み方も。

ある程度はできるようになったけど、音を立てずにカップをソーサーに戻すとかどれだけ時間がかかったことか!! 難しすぎんのよ。

でも見よ! この流れるような動作を!! 大人顔負けの美しい動作! 私の約10年間の賜物よ!!。


でもね、ウィルってその上をいつもいくのよねー……。

今も見て。何でこんなにできんの? ウィルって騎士だよね? 手本みたいじゃん。いやー、負けましたっ!



なんて、どうでもいい事を話しながら静かに時は過ぎていった。

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