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2 キラッキラの世界

ブックマークありがとうございます……!!

そういえば私って5歳くらいまでものすごい暗い子だったのよ。

ほとんど笑わない、ご飯もちょっとしか食べない、出る必要がなかったらできる限り部屋から出ない、とか。

多分真冬くんをなくした心の傷が癒えてなかったんだと思う。今考えるとほんと申し訳なかった。お母様にもお父様にも、使用人の人たちでさえもみんな優しいから、いつも気を使ってくれて、できるだけ私が楽しめるようにっていろんなことを工夫してくれた思い出がある。


今も真冬くんのことは時々思い出して悲しくなってしまうけど、昔以上に気を沈めることはなくなった。

何で一緒の世界にしてくれなかったのよ!! って何度神様に怒りをぶつけたことか……。……ごめんね?

私みたいにどこかでもう一度新たな人生を歩んで幸せになってほしいな、と願った。


そう復活できたのはもちろん家族や使用人たちのおかげもあってだけど実はもうひとりいる。


ウィルライン・カルミア


この世界の幼馴染だ。

この国で片手で数えるほどしかない公爵家の1つ、カルミア公爵家の長男。

何故伯爵家の令嬢なんかが公爵令息と幼馴染なんだよって疑問がふつふつと。


理由はね、うちのお母様。ここに嫁ぐ前って侯爵家の娘だったんだって。もうびっくりよ。

アストランティア伯爵家って伯爵家の中でも結構高い位に属していて一番侯爵家に近いと思う。お父様が伯爵に関わらず宰相をしているっていうのも関係あると思うけど、そこそこ発言力は強いらしい。何でもお母様に一目惚れしたお父様がお母様の他の縁談全部けちらせて奪ったんだって。流石はあの父だ。

それでカルミア公爵夫人と昔から仲が良かったみたいで、お互いの物心がついた頃くらいに引き合わされた。

今思うとウィルラインがこの世界で初の同じくらいの年頃の子だったと思う。


あのね、私この世界舐めてた。

確か私が4歳くらいだったかな。まだ絶賛根暗女子だったエリーナさんにあのキラキラは辛かったよ。

向こうはひとつ上だから5歳だよ? でも絶対5歳の言動じゃなかった。5歳って確か小学校入ってないよね? 何であんなにキラキラしてんの……?


輝く太陽のような金色の髪を耳の下辺りで揃えて、ルビーみたいな瞳にはいつも何か明るいものを宿していた。性格的には真冬くんとは正反対の人で、真冬くんが月だと比喩するとしたらウィルラインは太陽かな。

つ、伝わってくれ……!!


私が何かを失ってしまって、こういう事になってるって一番最初に気づいてくれた。一緒にいるうちに段々元気づけられてきて今では元通りです!

いつの間にかお互い愛称で呼び合う仲までに発展しておりました……。


でさ、初めて出会った同世代の子がウィル(ウィルライン)じゃん。あれが普通なのか!? って思ったのよ。6歳の頃に解禁されたお茶会で、おう……ってなったよね。

普通の男の子見たらなんか安心した。やっぱり10歳になるまではこのくらいがいいねって思ったもん。


ウィルがハイスペックすぎるのよ! 顔よし、性格よし、地位よしとか寄ってこない女の子どこにいるの? 私またしても舐めてました。


くるわくるわの質問タイム。もう令嬢たちがグイグイですよ。

そして答える前にウィルに連れられてその場を撤収、、というのがいつもの感じです。


女の子の恋の恨みって怖いのよ、ウィル!!

貴方どうってことないかもしれないけど見た!? あの子達の去っていくときの顔。

般若なんて生易しいもんじゃなかったわ! 特に侯爵令嬢とか同じ伯爵令嬢とかの位が高い子の……。


おかげで女の子の友達がものすごく少ない今日このごろです。居ないわけではないのよ。その説明はまあ後ほど。



てなわけで一度現実に戻ります。私の侍女たちがベッドの横でオロオロしている。

よくね、私ぼーっとしている時が多いから家の人達に"ほんとに人形になってしまったのかと思うからやめてほしい、"心臓にくる"って困ったような顔で言われてしまう。

自分では全然自覚ないから直すにも直せないのよね……。



起きてからどのくらいたっただろうか……。



「おはよう」


「おはようございます、お嬢様。本日は最高記録の30分でございます。早く準備をしなければ朝食に遅れてしまいますので急いでくださいませ」


「それと、本日はウィルライン様がお昼からいらっしゃる予定です。何か準備なさるものはありますか? 」


私を急かしているのが幼い頃からお世話になった、多分10くらい上のカーラ。そしてもうひとりの空気読まないほうがルピア。ルピアは比較的年が近く、小さい頃に私の遊び相手としてアストランティア家に連れてこられた。


というか、毎日私が起きて覚醒するまで時間測ってたの……!? 確かに30分も何もしないでじっと側に立ち続けるのはしんどいと思うけど……。まさか時間を測ってたとは。カーラならやりそう。


急いで準備をしてダイニングに向かう。

昔から朝食と夕食は家族で食べるのが日課で、普通の貴族だったらあんまりないらしい。貴族って特に上位貴族になってくればくるほどそういった時間は少なくなってくるんだって。


特に政略結婚のとことかね……。


そんなことは私が考えたって仕方がないことなので、とりあえずご飯を食べに行ってきます!!


面白いな・続きが気になると思った方は、評価、ブックマーク、感想ぜひぜひお願いします!!


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