12 ドキドキの訪問3
「…………エリーは、ウィルラインとはどういう関係なの?」
「ウィルと?」
予想していなかった質問に少し驚く。どういう関係なのかと改めて考えてみる。
「幼馴染? かな。母親同士が仲が良かったの。それに小さい頃からよく助けてもらっててね。私にとってウィルは大切な人だよ」
「そう……」
瞬間真冬くんの表情が曇ったような気がした。それに腰に回っている手がこころなしかさっきよりもきつい気が……。
「僕だけのエリーなのに……」
この距離でなんて言ったのか聞こえず、聞き返そうとすると、その前に尋ねられた。
「エリーにとって今の僕はどんな存在?」
どんな存在? って聞かれても……。
どんな存在なんだろう。難しすぎる……。
真冬くんと同じで真冬くんじゃない。性格は全く一緒だけど外見が全く違うから違和感を感じる。
「……真冬くんは真冬くんだけど見た目が全く違うからちょっと混乱はしてる。でもこうして今日話してると昔みたいで楽しかった」
「そう」
他には? という目でこちらを見ている。
他……
「でも……身分が違うから日本よりは会えなくなるね。前世では毎日会ってたからなんか不思議な感じ」
この言葉を聞き、真冬くんは黙り込んでしまった。
あれ? 私なんかまずいこと言ったっけ……?
「……それはまた近いうちに解決させるよ」
戻ってきた真冬くんが真剣な目で私を見る。
何をいつ解決させるって? なにかに考えるように部屋を出ていき、すぐに戻って来た。一体何だったのだろうか……。
戻ってきても私はもう一度真冬くんの膝の上に乗せられて、さっきと同じ体制に戻る。真冬くん、脚痺れないのかな。
なんだかこの空気感が嫌なので無理やり話を変える。
「真冬くんはこっちの世界に来て何してたの?」
「何って?」
「私、あんまり社交界に出ないからフラジスト・ウィスダリアって名前くらいしか聞いたことなかったんだけど……」
ああ、と理解したように真冬くんがうなずく。
いやほんとにフラジスト・ウィスダリアの情報が私の中にないんですよ。だって言ってしまったら失礼だけど興味なかったんだもん!! 私の知ってる人って本当に片手で数えられるくらいいないから、フラジストについてはよく知っていたほうだと思う。
「特には何もしてないけど……強いて言えば魔力量が他の人より多いみたいだよ? 僕。魔術師団にも入団しているし」
なんでもないことのように言いのけた。
いやいやいや。魔術師団って、あの魔術師団!?
一年に一人、多くても二人しか入れなくて、何百人もが試験に落ちてるあの魔術師団!?
そんなすごいところに所属していたなんて……。しかもその歳だと間違いなく最年少……!!
この世界には魔法というものが存在していた。
もちろん初めて知ったときはテンション上がったよ。でも魔法って魔力がある人しか使えないんだってね……。
残念ながら私は魔法を発動させるほどの魔力はなくて使えなかったけど、ウィルが使っているのを見せてもらったことがある。
ウィルもまあまあ魔力が高いらしくて火魔法が得意だったと思う。魔力が人並み以上にある人は魔術師団入団を目指すんだけど、ウィルは騎士の道を選んだ。私はそれはそれでウィルらしいからいいと思ったけどね。
周りはもったいないって言う人も多かったみたい。
「魔術師団では何してるの?」
正直めっちゃ気になる。
だって今の魔術師団の団員って50人いるかいないかって聞いたことがある。
あ、給料がベラボーに高いって言うことだけは知ってるぜ? だって騎士団と同じで、国直属の機関だから。
「まあ魔術師団のみんなって個人プレーがほとんどなんだけど、基本的なことはこの国、ラディア国の魔力管理かな。魔力持ってる人は量は多い少ないに限らずほとんどの人が持ってるからね」
うん、さっぱり分かんない。
魔力管理ってどうするのかな? どうせ聞いてもわからなそうだけど……。
「それで僕は魔道具を作ってるんだ」
「魔道具!!」
魔道具とは、魔力を使って動かす道具のことだったと思う。ただ、魔道具って作れる人が限られてるから馬鹿みたいに高いし、それこそ持っているのは王族の人達だけとかだ。
真冬くん、、魔道具作れるんだ……。
「でも魔道具って使うのに結構な魔力使うでしょ? しかも値段も高いし。だから安価に作れるやつを作ってみようかなーと思って」
「安価?」
「うん。魔道具ってね、色々あるけど一番多く使われているのは護身用の魔道具なんだ。一回だけ身代わりになってくれる。だから王族の人達とか絶対一個は持ってるでしょ」
なるほど……。
魔道具ってそんな使い方するんだ。
しかも真冬くんの考えてることすごいなー。
あれ? 前世一緒のとこから来てるよね。前世庶民のはずなのに……、いや、でも前から真冬くんは天才的な考え方してた。今に始まったことじゃないわ。
それから質問したり、しかえしたり。
お互い前世はずっと一緒にいたにも関わらず、約17年あっていなかったというのは大きいものだ。ましてや二人とも一度"死別"している。諦めていた分私も真冬くんも話したいことがいっぱいあった。
楽しくて、嬉しくて、ついつい時間を忘れてしまっていたが、カーラが呼びに来たことでもう日が暮れているのだと知る。
また会う約束をしてから、今までにない満足感を感じ馬車に乗り込んだ。
帰ってからまたひと騒動あるとは知らずに……。
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