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爆縮と体温の機知(9)

観察ログ

油絵だと思っていたものが

水彩画だったという見間違いがあった

基準が違うのである

描いた者と見ている者の観察が

そこにあるからこそ

面白さとなって出て来る

雄弁に述べるのは

その後になってからで

誰でも出来ることじゃないのは

観察が不十分だからかもしれない


夕映えに山々と

海に船と

足元はアスファルト

近くの街灯がわざとらしく

右隅に描いてある

所謂、港であった

どれが誰かなんて

そんな定義は出来ないが

どれが誰かを当てはめるのが

それを元にして

何かを想像することが

世界で一番楽しい時間なのだ


そこに正しさは無い

あるのは

あなたが見つけた過程だけだ

そこに間違いは無い

あるのは

あなたが見つけた答えだけだ

それを楽しいと言えなくなったら

それこそ

作る意味が無くなるのだ

描く者も見る者も

その意味を失うのだ

形あるものから意味が消えることは

存在が消えることと同じである


誰かが言ったことが

正しさを纏っていたとしても

多くの賛同を得られたとしても

あなたが言ったことが

とてつもなく

小さなものであったとしても

存在が消える必要性は無いのである

そこに程度があれば

そこに優しさがあれば

間違いにされることは無い

知識のちょい足し

他の道での考察

大いに結構なことだろう

存在を歪めないものであれば

それは

次の観察に繋がるものである


見間違い、読み違いは

観察者の特権であり

合わせて、失敗でもある

仕方ない話であり

それ以上も、それ以下も

全く無いのだ

だから、なんだという話であり

逆に

面白いとすることも可能である


描いた者が何かを述べた瞬間に

出そうになっていた足が

無かったことになった

何故か

無かったことになったのだ

僕は

その足先が知りたかったのに

その存在の扱われ方を見たかったのに

いつの間にか消えたことになった

作品の一部が神隠しされたみたいで

なんだか

時間を奪われたような気さえした


優しさの暴走ようで

正しさの押し売りようで

自由の対消滅だった

互いに選んだ道の最悪さを

その場の正解は

見えなくさせるのだろう

使い易さを考慮すれば

それが一番正しいものである

コミニュケーションとしては

誰が見ても正しい

芸術に使い易さをプラスすると

自由が消えるとは

誰も思わないんだろう

僕だけかもしれない




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