表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/50

BLIND GURDIAN


 今回はジャーマン・メタルのメロパワ・メロスピ代表格から、ヨーロッパトップのドラマティック・メタルの雄へと大出世したベテラン・アーティスト、BLIND GURDIANをご紹介します!


 彼等はドイツのクレーフェルトで1984年に結成され、ハンズィ・キアシュ(Vo.Ba)、アンドレ・オルブリッジ(Gu)、マーカス・ズィーベン(Gu)、トーメン・スタッシュ(Dr)という4人のオリジナル・メンバーの絆は、結成20年後の2005年、トーメンの脱退まで固く繋がっていました。

 

 アイディアよりもテクニックの向上が音楽性の進化に不可欠であるが故にメンバー・チェンジの多い、へヴィメタルという音楽に於いて、この結束には特筆すべきものがあります。


 ちなみに、メンバー・チェンジが一度も無いロック・バンドで一番の長寿は、2020年で結成52年目に突入したアメリカのブルーズロック・バンド、ZZ TOPでしょうね!


 結成当時のBLIND GURDIANは、イギリス発祥のへヴィメタル・ムーブメント「NWOBHM」の影響が強く、IRON MAIDENやJUDAS PRIEST等に加えて、QUEEN等のオペラティックなスケール感を持ったロックも愛好していました。

 

 後の彼等のスタイルを考えればさもありなんと言えますが、まだまだ技術的にも粗削りでレコーディング予算も持っていなかった彼等は、当時のメディアから「スラッシュメタルの新星」と見られていたんですよね。

 

 1988年、上記のメンバーでデビュー・アルバム「BATTALIONS OF FEAR」を発表。

 演奏もボーカルもまだまだ粗削りでスラッシュメタル的ではありましたが、既に独自のメロディーセンスと、トールキンの「指輪物語」を題材にした歌詞等、後の彼等を思わせる個性は垣間見せており、青臭い勢いのあるこの当時の彼等が一番!というマニアも結構いますよ。


 彼等がデビューした80年代後半は世界的なへヴィメタル・ムーブメントが巻き起こっていた為、一足先にデビューして注目を浴びていたHELLOWEEN等の後を追うメロパワ・メロスピ(メロディック・パワー・メタル、メロディック・スピード・メタルの略称)の注目株として、彼等は大きな挫折も無く順調に成長して行きました。


 4枚目のアルバム、「SOMEWHERE FAR BEYOND」(1992)では、いよいよ技術と予算が彼等のコンセプトに追い付き、ファンタジーな世界観の歌詞とオペラティックなクワイア(合唱)、プログレッシブなアレンジでメロディーを包み込んだ独自のスタイルを完成させます!


 翌1993年には初来日公演を成功させてライヴ・アルバム「TOKYO TALES」を発表し、日本でも確固たる地位を築き上げた彼等は、その当時音楽的に低迷気味だった先輩HELLOWEENに代わって、世界的なメロパワ・メロスピの代表格へと上り詰める事になるのでした。


 しかし一方で、複雑化する音楽性故にハンズィがボーカルとベースの両立に支障をきたし、ボーカルに専念する事となります。

 レコーディングやライヴではオリバー・ホルツバルト(Ba)をサポート・メンバーに起用して事無きを得ますが、ボーカルとベースの両立を意識しなくなった事で音楽性の進化に歯止めがかからなくなり、初期の彼等の魅力でもあったパワーや爽快感が失われてしまう事もあったんですよね。


 そして2005年、オリジナル・メンバーのトーメンは音楽性の違いからバンドを脱退し、新たにフレデリック・エームケ(Dr)を迎えた彼等はへヴィメタルのパワーや爽快感に拘る事の無い、ヨーロッパのトラデショナル・ミュージック等も積極的に取り入れた、スケールの大きなドラマティック・メタルを世界に発信し続けていく事になるのです。


 彼等の魅力は、へヴィメタルにオペラティックな要素やヨーロッパのトラデショナル・ミュージックを導入し、ファンタジー的な歌詞が映える、良い意味での現実逃避的な世界を完成させている所です。

 

 確かなセンスやテクニックは飽くまで世界観を完成させる為の道具であり、ライヴに於いてもスタンド・プレー的なギター・ソロやドラム・ソロはありません。

 

 また、ファンとの一体感を非常に大切にするアーティストである為、ライヴではハンズィが歌う必要が無い程に観客の歌声を重視して取り上げ、ファンが「ライヴに参加し、自分達がライヴを作っている」と言う気持ちを味わって貰う事を一貫してファンサービスにしているのです。

 このフレンドリーな魅力が、彼等をここまでの存在に成長させた最大の要因と言えそうですね!


 彼等のおすすめアルバムを選ぶに当たり、私自身の基準としては、音楽性の深みよりも「ハードロック・へヴィメタルとしての魅力」を優先させていただきました!

 その結果のおすすめアルバムはやはり、ハンズィがボーカルとベースを両立させていた時代の作品となります。

 

 「SOMEWHERE FAR BEYOND」(1992)、「TOKYO TALES」(1993)、「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」(1995)の3枚です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ