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SHADOWS FALL


 今回は21世紀を象徴するヘヴィロック・カテゴリーである「メタルコア」の代表格のひとつにして、20世紀型ヘヴィメタル愛好者からも抜きん出た支持を集めているバンド、SHADOWS FALLをご紹介します!


 彼等はアメリカのマサチューセッツ州で1995年に結成されましたが、ギタリストのジョナサン・ドネイズが結成前に在籍していたハードコア・バンド、AETERSHOCKには、現KILLSWITCH ENGAGEのアダム・デュトキエヴィッチも在籍しており、メタルコアを語るには欠かせない伝説のバンドからの、言わば分家同士となる訳ですね。

 

 KILLSWITCH ENGAGEに比べると、やや人気や知名度で劣るSHADOWS FALLですが、これから彼等を聴いてみたいという方は、是非とも両者を聴き比べて自分なりの「メタルコア最適解」を探して欲しいと思います。


 ジョナサンはSHADOWS FALLのコンセプトを「ハードコアをベースにしながらも、ちゃんとギター・ソロがあるメタル寄りのバンド」と捉えており、相棒のギタリストでクリーンなセカンド・ボーカルも取れるマシュー・バックハンド、自らの身長に近いロング・ドレッドヘアーを振り回すインパクト満点のボーカリスト、ブライアン・フェアらとともに、デビュー・アルバム「SOMBRE EYES TO THE SKY」(1997)を発表。


 リズム・セクションには、ポール・ロメンコ(Ba)に加えて、他のメンバーより一世代歳上で、並外れたテクニックとメタル魂を身に付けていた凄腕ドラマー、ジェイソン・ビットナーを迎えてから、彼等の急成長が始まるのでした。


 彼等の出世作であるサード・アルバム「THE ART OF BALANCE」(2002)では、TESTAMENTやEXODUSを思わせるベイエリア・スラッシュ風味のサウンドと、ハードコアらしいシンプルなブレイクパートでリスナーをシンガロング&モッシュへと誘う、ヘヴィミュージックの醍醐味が味わえます。


 マシューがギターと兼任している為か、エモ系のバンドと比べるとクリーンボーカルがやや弱く感じられますが、それを補うだけのギター・ソロがフィーチャーされており、一気にメタルファンを味方に付けた彼等の快進撃は更に続きました。


 2004年発表のアルバム、「THE WAR WITHIN」では、メタル成分が増強され、マシューのクリーンボーカルも上達した為、デビュー当時とは対照的な「ハードコア風味もあるスラッシュ・メタル」というスタイルを完成させ、アルバムはビルボード・チャートTOP20入り、アメリカだけで30万枚を売り上げます。


 しかし、このアルバムをピークに、彼等の亜流とも言えるスタイルの若手バンドが急増。

 分家仲間とも言えるKILLSWITCH ENGAGEとともに活動のペースが少しずつ落ちて行き、2014年に活動停止を発表しました。


 解散声明は出されておらず、時折ライヴ等も行っている様子ですが、ジョナサンがANTHRAX、ジェイソンがOVER KILLへ加入しており、この2人抜きにSHADOWS FALLの再始動は考えにくい現状です。


 初代ボーカリスト復帰をきっかけに再ブレイクした分家仲間、KILLSWITCH ENGAGEの様な華麗な復活を期待したい所ですね!


 彼等の魅力は、ハードコア譲りの図太いグルーヴに男臭いストロング・スタイルのシャウト・ボーカル、更にスラッシュ・メタルばりのスピード感、とどめにメロディックなクリーンボーカルにギター・ソロと、ヘヴィミュージック幕の内弁当で満腹!なボリューム感です(笑)。


 楽曲はとても良いのですが、100点満点の完成度を押し付けて攻め立てるのではなく、85点位の完成度をギター・リフやドラムの格好良さで100点近くまで引き上げているスタイルなので、聴きまくっても飽きが来ないんですよね。


 JUDAS PRIESTのファンからHATEBREEDのファンまで満足出来る守備範囲を見せつけながらも、決して優等生な平均点バンドではない、確かな手応えを感じさせる稀有なアーティストと言えるでしょう!


 彼等のアルバムの中でのおすすめは、この天下獲れそうな伸び盛りな期待感が堪らない「THE ART OF BALANCE」(2002)、彼等を代表するまさにこの1枚!な「THE WAR WITHIN」(2004)、ベスト選曲のライヴ盤「MADNESS IN MANILA」(2009)の3枚です!


 ちなみに「MADNESS……」はCDと同内容のライヴDVDが付いていますが、日本盤に字幕が付いているといったアドバンテージは無い為、輸入盤を買った方が皆様のお財布は喜ぶと思いますよ(笑)。

 

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