HEAVY METAL ARMY
先日突然始まってしまった、この「ハードロック・ヘヴィメタルを語る!」ですが、連載4回目と言う事で、そろそろ日本のアーティストも紹介したいと思います。
先日紹介したIRON MAIDENを筆頭に、80年代に入ると世界的にもパンク〜ニューウェイブ通過後の新しいアグレッシブなロックの形として、ヘヴィメタルは認知されました。
その流れは日本にも波及し、アイドルグループ・LAZYでの活動に限界を感じた高崎晃、樋口宗孝がLOUDNESSを結成してデビューしたのは1981年。
この年が、日本に於けるヘヴィメタル元年と言えるでしょう。
そんなムーブメントの中、同年デビューしたアーティストが、今回ご紹介するHEAVY METAL ARMYです。
彼等は元々、70年代からプロとしてのキャリアを積んでいた名手を集めたスーパーグループと言う触れ込みでデビューし、ダサ過ぎて寧ろ感動するアルバムのアートワークや、ムーブメントに乗っちゃいましたよ!と言わんばかりのグループ名からも、多分にレコード会社の戦略的に送り出されたアーティストだったのだと思われます。
実際、彼等自身が「イメージを固定されるのは嫌だった」と言う理由で、二枚目のアルバムからはEASTAN ORBITと言うグループ名で活動し、より欧米的なハードロックに挑みます。
しかしながら、私のおすすめアルバムはやはり、大衆性・テクニック・野心の三拍子が揃ったデビューアルバム、「HEAVY METAL ARMY 1」ですね!
オープニングのタイトルトラック、「HEAVY METAL ARMY」からして、昔のロボットアニメの主題歌の様なハッタリの効きまくったダサ格好良さが炸裂します。
日米ハーフのボーカリスト、JJが日本人離れした歌唱力と英語の発音でめちゃダサな歌詞を熱唱し、リーダーかつメインソングライターである中島優貴のキーボードもやたらと目立って我々を煽ります。
楽曲的にはDEEP PURPLEからの影響が強そうな70年代ハードロック色の濃いアルバムと言えそうですが、プログレッシブロック的なナンバーやIRON MAIDEN的なスピード感のあるナンバーもあり、ハードロックファンなら間違いなく楽しめるアルバムになっています。
中島優貴がやたら散文的な日本語でくっきりとヘタウマに歌う二曲も、長年ロックを聴いてきたマニアには寧ろ珍味の味わいで、決して邪魔な存在ではありません(笑)。
とは言え、私がこのアーティストとアルバムを紹介した最大の理由は、アルバムのラストを飾る名曲「生命の鳳」の存在です。
時代を感じさせるアナログシンセの音色が何ともエキゾチックで、このイントロは絶対に欧米人には作れないと思います!
私は日本のロックで、これ以上のイントロに出会った事はありませんね。
……曲そのものは歌謡曲テイストを感じさせるバラードなので、好き嫌いが分かれるとは思いますけど(笑)。