FLATBACKER〜E.Z.O
今回は私のジャパメタ界ナンバーワン・フェイバリット・アーティストである、FLATBACKER〜E.Z.Oをご紹介します!
残念な事に現在彼等のアルバムは全て廃盤になっており、MP3ダウンロードやプレミア価格の中古CDでしか全貌を拝めなくなってしまっていますが、世界中から再評価されているアーティストであり、とある理由からも近未来の復刻が期待出来ますよ!
彼等は1982年、北海道の札幌市で結成され、結成当時のバンド名は「FLATVACKER」。
デビュー時にはさりげなく、FLATBACKERに直されているので、これは正直言って、ヤンキー全盛期だった80年代の北海道らしい、本人達のスペルの間違いだったんだと思います(笑)。
あのLOUDNESSでさえ、名曲「CRAZY NIGHT」のオリジナル・バージョンの歌詞の中にある、「H.Z.A……」というフレーズの中の「Z」の発音を、「ズィー」ではなく「ゼット」と発音しちゃってますからね!
アメリカ人のプロデューサーが付いてるのに(笑)。
ちなみに、現在のライヴでは勿論「ズィー」になってますよ。
脇道に逸れましたが、FLATBACKERの結成当時のメンバーは、MASAKIこと山田政樹(Vo)、TAROこと高橋太郎(Ba)、SHOYOこと飯田昌洋(Gu)、HIROこと本間大嗣(Dr)の4人で、結成から解散まで不動のメンバーでした。
古くは安全地帯、現在ではGLAY等、北海道のバンドはオリジナル・メンバーの結束が固いですよね!
沖縄のバンドもそうですけど、やはり海を隔てていますからね(笑)!
彼等は1985年、「戦争(ACCIDENT)」でデビューを飾り、そのへヴィメタルとハードコアが混じった様な特異なサウンド、日本語の面白さを活かした下品かつ知的な歌詞、更にはMASAKIの唯一無二のボーカルと、デビュー当時から既に日本には収まり切れないスケールを持っていたバンドであったと言えます。
私がリアルタイムで彼等を知ったのは、まだ小学生だった頃に友達の家に遊びに行き、その友達のお兄ちゃんの部屋からFLATBACKERのVHSビデオテープが出てきた時だったんですよね。
友達と一緒に、「わぁ〜キモいメイク!ミミズって曲が入ってる!変なバンド」等と言いたい放題でした。
あれから30数年……キモい大人になったのは私の方でしたね……。
翌1986年、セカンド・アルバム「餌(ESA)」発表後、急に姿を眩ますかの様に彼等の情報が来なくなり、一部では解散が噂されたりもしていたのですが、何とアメリカ進出を企み、あのKISSのジーン・シモンズのプロデュースの下、全く別のバンドに生まれ変わっていたのです!
それがE.Z.Oでした。
彼等の出身地、北海道の別称「蝦夷地」をヒントにバンド名を変え、ジーンを筆頭にアメリカの一流スタッフとともに作り出された再デビュー・アルバム「E.Z.O」(1987)は、FLATBACKER時代の、どちらかと言うと前のめりなハードコア・スラッシュ的なグルーヴとは対照的な、どっしりとへヴィなメタル・サウンドに覆われていました。
一方で楽曲はキャッチーになり、強いて表現するならば、OZZY OSBORNEとGUNS AND ROSESのミクスチャーと言えるでしょうか?
とにかく、日本人がやっているとは思えない完全洋楽クオリティでしたね。
ボーカリストの共通点からなのでしょうか、彼等は同じくデビューしたてのGUNS AND ROSESとツアーを回り、アルバムもビルボード・チャート172位を記録します。
当時のアメリカ側の戦略として、日本らしい付加価値を持たせようと忍者風の衣装やメイクを施された事がヒットに一役買った事は確かでしたが、当然日本人としてはそんな固定イメージは有り難く無い訳で、彼等はジーン等と手を切り、よりアメリカン・ストリート・ロック的なサウンドでセカンド・アルバム「FIRE FIRE」(1989)を発表しました。
しかし、かつてのツアー仲間、GUNS AND ROSESの大ブレイクと、その影響によるストリート・ロック的なバンドの氾濫で、色物的なデビューが足枷となってしまった彼等はアルバムやライヴのセールスで苦戦した結果、未練も見せずにあっさりと解散を選択します。
MASAKIとHIROはLOUDNESSを始め音楽活動を継続し、TAROはSPEEDSTAR RECORDSのA&Rディレクターとして「くるり」等も手掛ける大物に、そしてSHOYOはスタジオ経営後、何と寿司職人になって日米で活躍する等、バンド解散後も各々が只者ではない所を見せつけているのは流石ですね。
彼等は結果として、FLATBACKER〜E.Z.Oでの僅か4年間の活動期間に、ジャパメタの魅力の全てを出し尽くしてしまったとも言えます。
ハードコア・スラッシュ的な疾走感に日本語の面白さ、どっしりとへヴィかつキャッチーで、ワイルドなストリート臭も感じさせるアメリカン・メタル……現在では世界中のメタル・マニアから再評価されているE.Z.Oのデビュー・アルバムは、あの守銭奴(笑)のジーン・シモンズがプロデュースしているんです。
これはつまり、KISSのフェアウェル・ツアーが終わった後にも稼ぐネタを残しておきたい彼が、自らのレーベルから出したメタル・ファン垂涎バンド、SILENT RAGE等とともにE.Z.Oの再発権利に待ったをかけているとしか思えない訳ですよ(笑)!
多分数年後に豪華パッケージで再発されますので、それまで待つとしましょう。
彼等のおすすめアルバムは、ともに時代の勢いも感じさせるそれぞれのデビュー・アルバムである、「戦争(ACCIDENT)」(1985)、「E.Z.O」(1987)の2枚を挙げたいと思いますが、もしお買い得価格な中古盤を見つけた時には時代に拘らず、彼等の作品に是非触れて欲しいですね!




