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BONFIRE


 今回はジャーマン・メタル……ではなく、敢えて「ジャーマン・ハードロック」と拘って呼びたいドイツの国民的アーティスト、BONFIREをご紹介します!


 私自身大好きなバンドなんですが、彼等はドイツのベテランバンドとしてはSCORPIONSやU.D.O.の陰に隠れてしまい、オーソドックスな音楽性故に、パワーやインパクトで若いバンドとは張り合えないというハンディキャップを持っています。

 

 ヨーロッパのフェスティバルでは、毎年ヘッドライナーを務める程の人気と実力を持ちながら、日本やアメリカでは過小評価されているという、同胞のSINNER、イギリスのSAXON辺りと似たポジションのアーティストと言えますね。


 彼等の歴史は古く、ドイツのインゴルシュタットでオリジナル・メンバーのハンス・ツィラー(Gu)が前身バンド、CACUMENを結成したのは1972年。

 1979年にクラウス・レスマン(Vo)を迎えて遂にポテンシャルが開花し、1980年代前半に2枚のアルバムをリリースします。


 1985年、世界的なハードロック・ヘヴィメタル・ムーブメントの高まりを受けてSCORPIONSやACCEPTが成功し、ハードロックらしいインパクトのある名前を要求したレコード会社からのリクエストを受けて、CACUMENはバンド名をBONFIREに変更、1986年、SCORPIONS風のハードロック・アルバム「DON'T TOUCH THE LIGHT」で再デビューを飾るのでした。


 中心メンバーのハンスとクラウスは既に30歳近くになっていましたが、当時アメリカを席巻していたBON JOVIの様なビジュアル・イメージと優れた楽曲で、彼等はまず前座でアメリカをツアーして知名度をアップさせる事に成功します。


 そして翌年、本格的にアメリカ進出を図り発表した「FIREWORKS」がヒットし、遂にメタル・ゴッド、JUDAS PRIESTから直々に前座指名を受け、初めてのワールド・ツアーを経験するのです。


 勢いに乗る彼等でしたが、オリジナル・メンバーのハンスが人間関係の不和からバンドを脱退してしまい、勝負を賭けた自信作「POINT BLANK」(1989)は全米アルバム・チャート入りを果たすも、彼等はアメリカでそれ以上成功する事は出来ませんでした。


 1991年発表の「KNOCK OUT」では、ハードロック・シーンの変動で方向性に迷いが生まれてクラウスも脱退。バンドはハンス・クラウスと他のメンバーに分裂し、BONFIREという名前の使用権を争い長く活動を休止してしまいます。


 1995年、結局オリジナル・メンバーのハンス・クラウス組が名前の使用権を獲得し、1996年発表のアルバム「REBEL SOUL」でBONFIREは復活するのでした。


 1996年からはコンスタントにアルバムを発表し、地元のサッカークラブ・FCインゴルシュタット04のオフィシャル・アルバムにも楽曲を提供する等、ハードロック・バンドにありがちな「ワルのイメージ」ではない、大衆に愛されるドイツのビッグネームへと成長します。


 デビュー30年を超え、今やオリジナル・メンバーはハンスしか残っていませんが、若いメンバーを迎えながら懐メロバンドには終わらない創作意欲を持ち続け、2018年発表の最新作「TEMPLE OF LIES」も未だに日本盤が出るという、息の長い活動を実現させているんですよね!


 彼等の魅力は何と言っても、今や天然記念物レベルとなった「シンプルでオーソドックスな、ダサ格好良いハードロック」を真剣に提示し続けている所です。

 

 曲が良い、歌もギターも上手い。でも地味で、最後まで聴いて本当の良さが分かるという、インパクトゼロの実直なハードロックなのです。

 

 これは時間の無い人が、ワンコーラス聴いただけでダウンロードしたくなる様な音楽が求められる現代では不利な武器と言えるでしょうが、ヨーロッパでは頻繁に観る事が出来る彼等のライヴに多くの人が魅了され、アルバムを購入した事で築き上げた実績と言えるでしょうね!


 彼等のおすすめアルバムはやはり、アメリカでもヒットした80年代の作品と、その楽曲が聴けるライヴ・アルバムだと思います。

 「FIREWORKS」(1987)、「POINTBLANK」(1989)、「LIVE……THE BEST」(1993)、「FIREWORKS STILL ALIVE」(2012)の4枚がベストチョイスで、80年代ならではの華やかさがあって誰でも楽しめるアルバムだと思いますが、1枚で(2枚組)彼等を知る事が出来るベスト・アルバムの「29 GOLDEN BULLETS」(2001)もお買い得ですね!

 

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