NIGHT RANGER
今回は、いつの時代もアメリカらしい、陰りの無い快適なハードポップを聴かせてくれる大ベテラン、NIGHT RANGERをご紹介します!
1977年、サンフランシスコで結成されたファンク・バンド、「RUBICON」のメンバーだったジャック・ブレイズ(Ba.Vo)、ブラッド・ギルス(Gu)、ケリー・ケイギー(Dr.Vo)の3人は、ロック・バンドをやりたいという野望を実現する為に、新バンド「STEREO」を結成します。
そこにジェフ・ワトソン(Gu)、アラン・フィッツジェラルド(Key)が加わり、バンド名を「NIGHT RANGER」に改める事となりました。
彼等はブラッドがOZZY OSBORNEのツアーの仕事から解放されるのを待ち、ブラッド復帰後の1982年にデビュー・アルバム「DAWN PATROL」を発表します。
幸先良くシングル・ヒットも生まれ、ライヴで鍛えた実力派揃いだった彼等はツアーも順調と、一気にアメリカン・ロックのスターダムを駆け上るんですよね。
しかし、メンバーが考えるハードロック・バンドとしてのプライドと、レコード会社が望むバラード・ヒットと言う結果。
このふたつの間にファンが板挟みとなってしまい、3者3様の溝が少しずつ広がる形で彼等は1989年、5枚のアルバムを残して活動を停止してしまいます。
その後は各々のソロ活動が盛んになりますが、ソロ活動がやり辛いドラマーというポジションだったケリーを中心に、「MOON RANGER」の名前で彼等の楽曲は受け継がれていました。
そして1996年、日本のプロモーターからのリクエストによるオリジナル・メンバーでの再結成ライヴが実現すると、日本のレコード・レーベル、「ゼロ・コーポレーション」と契約し、翌1997年に再始動アルバム「NEVERLAND」をリリースし、再び日本でライヴを行います。
私個人はこの時の来日公演で、FMーOSAKAのラジオ番組、「和田誠のキャプテンロック」からオリジナル・メンバー5人の直筆サイン色紙を貰い、現在も大切に保管しておりますよ!
翌1998年には再始動第2弾アルバム「SEVEN」をリリースし、海外のレコード会社からも問い合わせが殺到した事に気を良くした彼等は、ツアーを中心に活動を本格化させるのでした。
中心メンバーのジャックは、現在でも様々な活動で多忙な日々を送っていますが(日本ではTACK MATSUMOTO GROUPでお馴染み)、2008年からはコンスタントにワールドワイドなアルバム制作を行う様になり、ジャック、ブラッド、ケリーのオリジナル・メンバーを中心に新メンバーを入れ替えながら、今も懐メロで終わる事の無い現役バンドとして、世界中のロック・ファンを楽しませています。
彼等の魅力は何と言っても、極めて爽快で陰りの無い、100%アメリカを感じさせるキャッチーな楽曲です。
正直、ジャックとケリーはボーカリストとしての際立つ実力や個性はありませんが、等身大のヒーローを感じさせるポジティブな歌詞の世界観に彼等の存在感がベストマッチしているんですよね。
また、アーミングを多用するトリッキーなブラッドとタッピングを駆使した速弾きのジェフという、個性の違うギタリストのソロの掛け合い等、コンパクトにまとまった楽曲の中に複数のドラマを有している点で、時代の流れに耐えうる個性を維持していたと結論付ける事が出来るでしょう。
おすすめアルバムを挙げるなら、彼等の80年代、所謂全盛期のアルバム5枚という事になると思います。
正直、どのアルバムにも必聴レベルの名曲と平均レベルの楽曲が混在していて、一枚で彼等を知る事が出来る代表作というものは存在しません。
彼等の入門として、ベストアルバムを聴くという手も勿論有効ですが、ここは是非、ストリーミング等で一通り彼等の楽曲を聴いてみて欲しいですね!
という訳で、私の独断と偏見120%で彼等のアルバムの中から必聴曲をセレクトしました!参考になれば幸いです。
選曲基準は、「ハッピーで格好良い気分になれる曲」です!
「DAWN PATROL」(1982)……YOUNG GIRL IN LOVE(←激推し!)
「MIDNIGHT MADNESS」(1983)……WHY DOES LOVE HAVE TO CHANGE(←激推し!)、WHEN YOU CLOSE YOUR EYES
「SEVEN WISHES」(1985)……FOUR IN THE MORNING(←激推し!)、SENTIMENTAL STREET
「BIG LIFE」(1987)……LOVE IS STANDING NEAR(←激推し!歌詞からギター・ソロまで、この曲が彼等のナンバーワンです)
「MAN IN MOTION」(1988)……DON'T START THINKING(I'M ALONE TONIGHT)、WOMAN IN LOVE(←激推し!)