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DIO


 今回はハードロック界屈指の実力派ボーカリスト、ロニー・ジェイムス・ディオ率いる様式派ハードロック・バンド、DIOをご紹介します!


 ロニーと言えば、DEEP PURPLEを脱退したリッチー・ブラックモアのバンド、RAINBOWの初代ボーカリストとして有名なので、昔の私はロニーがリッチーより少しだけ若いのかな……位に考えていました。


 しかし、実はロニーは大ベテランで、あのポール・マッカートニーやミック・ジャガーよりも歳上なんですよね!

 

 彼はELFというバンドを率いて、DEEP PURPLEの前座に起用された事がきっかけとなってリッチーと親交を深めたのですが、実はELF以前にはソロのポップ・シンガーとしてシングルレコードも出していて、デビューは何と1959年!

 ロック・レジェンドであるELVIS PRESLEYらと同時期に活動していた事になります。

 ああ、ありがたやありがたや(←意味不明)。


 そんな歴戦の勇者ロニーは、ELF〜RAINBOW時代から中世の騎士や魔法、ドラゴン等、なろうユーザーにドストライクな歌詞の世界観を持ち、自らの歌うボーカル・メロディーにも一切の妥協を許さなかった為、RAINBOWやBLACK SABBATH等のギタリストがリーダーシップを取るバンドでの活動は、なかなか長続きしませんでした。


 彼はBLACK SABBATH時代の同僚ヴィニー・アピス(Dr)を誘い、ジミー・ベイン(Ba)も迎えて自らの理想を具現化するバンドの結成に動きます。


 ロニーは過去の教訓から、ギタリストは自分の邪魔をしない無名の若手にしようと考えており、イギリスのNWOBHMムーブメントから飛び出した新人バンド、SWEET SAVAGEを脱退したばかりの若手ギタリスト、ヴィヴィアン・キャンベルを大抜擢してDIOを結成します。


 後にWHITESNAKE、今はDEF LEPPARDやRIVERDOGSで渋めのギタリストとして知られるヴィヴィアンも、若い頃は制御不能なまでのワイルドな速弾きが売りの超新星だったんですよね。


 1983年、満を持してアルバム「HOLY DIVER」でデビューしたDIOは、ロニーの人気と実力、ファンタジー的な世界観とハードかつメロディックな楽曲、ヴィヴィアンのワイルドな速弾きで古株のハードロック・へヴィメタル・ファンのハートを鷲掴みにします。


 しかし、良質なアルバムとライヴを重ねながらも、時代はMOTLEY CLUEらに代表される華やかなL.A.METAL全盛期であった為、地味な通好みバンドという立ち位置から脱却する事が出来ず、若く野心に溢れていたヴィヴィアンはロニーと対立し、バンドを脱退してしまいました。


 その後もロニーは自らの哲学を守り、ギタリストは無名の若手、或いは協調性を重んじる職人タイプを採用し続けます。

 今振り返ると、対立を恐れず強力なギタリストとコンビを組んでいれば、ハードロック・ファン以外も納得するレベルの大名盤を一枚残せたかも知れませんね。

 

 グランジ〜オルタナティブの隆盛に悪戦苦闘した90年代半ばには、流行りに乗ったへヴィなアルバムを出して酷評されたりもしましたが、ロニーの圧倒的な歌唱力に救われて平均点は維持していました。

 やっぱり歌が上手いという事は最強です!


 1992年、2000年代にはDIOに加えて、BLACK SABBATHへの再加入や彼等との別プロジェクト、HEAVEN AND HELLを結成する等、晩年まで精力的な活動を継続したロニーでしたが、2010年、胃癌で帰らぬ人となりました。


 しかしながら、ロニーのスピリットはDIOの元メンバーらによって結成されたLAST IN LINE(DIOのセカンド・アルバムのタイトルから命名)等に継承され、その唯一無二の歌声とカリスマ性は現在もシーンからリスペクトされ続けています。


 DIOの魅力は何と言っても、ファンタジーの世界観をハードロックで完璧に体現出来る、ロニーの圧倒的な歌唱力に尽きますね!


 小柄な身体に演歌ばりのねちっこいコブシとパワー、更に繊細さまでを兼ね備え、世界的なブレイクが30代後半からという遅咲きぶりから考えても、ハードロック界の北島三郎(サブちゃん)と命名してもあの世で笑って許してくれるはずです!


 また、DIOの楽曲は基本的にメロディックでアニソンの様な高揚感があり、ギター・ソロの見せ場もちゃんと用意されているので、ハードロック・へヴィメタル・ファンならハズレに当たる事は無いでしょう。


 個人的なおすすめアルバムは、まずはデビュー・アルバムの「HOLY DIVER」(1983)、2代目ギタリスト、クレイグ・ゴールディを迎えてやや聴きやすくなった「DREAM EVIL」(1987)、加入当時弱冠17歳の3代目ギタリスト、ローワン・ロバートソンを迎え、BLACK SABBATH的な要素を盛り込みメロディックかつどっしりとしたへヴィさもアピールした「LOCK UP THE WOLVES」(1990)の3枚です!

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