MANOWAR
皆様今晩はっス!
今回はなろう読者お待ちかね(?)、「DEATH TO FALSE METAL!(偽物のメタルには死を!)」のスローガンの下に、剣と魔法のマッチョ・メタルを37年貫く孤高のカリスマかつ、ガン無視の色物にもなり得る超大物バンド・MANOWARを紹介するっス!
え?いつもとキャラが違うって?
……そうっスね……。
現代の白けた若者達にMANOWARの無駄にアツい凄さを伝える事は非常に難しく、上から目線の説教ではなく謎の後輩キャラが必要だったと、そう言うしか無いっスね……!
彼等はニューヨーク出身で、リーダーのジョーイ・ディマイオ(Ba)はBLACK SABBATHのローディを勤める程のメタル狂だったんっスが、当時のアメリカのアマチュアメタラーはRATTやMOTLEY CLUEを始めとした、中性的なチャラいビジュアルのバンドが多かったんっスよね。
ジョーイは「やりたい音楽とそのファッションとのギャップはファンへの裏切り行為では?」と憤慨し、音楽とファッション、更にはライフスタイルまでも一切ブレる事の無いメタルとファンへの忠誠心を誓う価値観、「トゥルーメタル」を掲げるっス!
仲間を集める為に出した条件は、
①大音量でメタルをプレイする事が好きな者
②女とビールが好きで、毎晩パーティーが出来る者
③肉体と精神の鍛練を怠らない者
の三点で、その結果MANOWARのメンバーはいくらオヤジになろうとも、ボディービルダーの様に鍛え抜かれたマッチョ・ボディでファンを圧倒しているっス!
1982年にデビューした当時は、アメリカのトレンドと余りに異なるキャラと態度であった為に色物扱いを受けますが、イギリスでは彼等の硬派なメタルは評価されるッス。
サードアルバムのタイトルを「HAIL TO ENGLAND」とし、イギリスに敬意を示している所も中世の騎士っぽいっスよね!
スローライフとかに人生を委ねている暇は無いって事ッスかね?
でもライヴの後のパーティーでは、メタルのチート能力を活かしてハーレムを築いているという噂ッスよ!
やがて彼等は、本意かどうかはともかく、ある意味見世物的な要素からヨーロッパ中にその名を轟かせていき、1988年のアルバム「KINGS OF METAL」では、メタルムーブメントにも乗って遂に本国アメリカでもブレイクするッス!
その後は度重なるメンバーチェンジや、シーンの流れを見ながら活動のタイミングを見計らう戦略上、アルバム発表はマイペースなものになってしまうんっスが、MANOWARのウリはギネスから「世界一うるさいバンド」に認定されたその爆音ライヴにある為、野外フェスが花盛りのヨーロッパにおいては、まだまだ彼等の天下は続きそうッスよね!
MANOWARの魅力は、北欧神話やバイキングネタ等の勇ましい題材の歌詞を、題材に恥じぬマッチョ・ボディの全力プレイで叩きつけるシンプルなへヴィメタルにあるッス!
彼等は結成後は一貫してシングル・ギターの4人編成である為、ジョーイのベースがサイド・ギター的にゴリゴリと自己主張するッス。
またその音色が非常に格好良く、JUDAS PRIESTのロブ・ハルフォードを硬派にした様なエリック・アダムスのボーカルと相まって、サウンド的にはJUDAS PRIESTとIRON MAIDENの良い所取りの様な、色物スレスレな個性なんだけど正統派と言いたくなる不思議な魅力を持っているんスよね。
デビューから「KINGS OF METAL」までギタリストとして在籍していたロス・ザ・ボスは、THE DICTATORSと言うパンク・バンドでプレイしていた為、80年代のMANOWARにはロックンロール的なシンプルさがあるっス。
片や90年代からのギタリスト、デビッド・シャンケルやカール・ローガンはオーソドックスなメタル・ギタリストである為、MANOWARの初体験は好きなスタイルを考えてどちらかの時代から選ぶのもありっスよね!
個人的なおすすめアルバムは、「アンプのボリュームを下げるくらいなら死を選ぶ」という、噴飯もののコンセプトの名曲「ALL MEN PLAY ON 10」の歌詞対訳がついた日本盤CDが、今なら1000円で買える「SIGN OF THE HAMMER」(1984)、彼等のアルバムの中で一番ポップで聴きやすく、私の作品のバトルシーン制作時のBGMとして不動の地位を築く「BLOW YOUR SPEAKERS」を含む「FIGHTING THE WORLD」(1987)、大仰なドラマ性を抑えたシンプルでソリッドなへヴィメタルが格好良い「LOUDER THAN HELL」(1996)の3枚っス!