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DEEP PURPLE


 どうもこんにちは!シサマです。


 この週末は家庭の事情で実家に宿泊しており、実家に置いてあるCDを資料に記事を書いています。


 今回はハードロックと言えばこのイントロ!という顔役の名曲を持つあの定番アーティスト、DEEP PURPLEをご紹介します!


 エレキギターを手にしたロック好きならば、必ずや試し弾きしたくなる「SMOKE ON THE WATER」のイントロ。

 演歌歌手からハードロック・バンドまで、顔役の名曲をひとつでも持つアーティストは食いっぱぐれませんよね。


 しかし、歴史の長い彼等を「SMOKE ON THE WATER」一曲で判断して、自分の趣味には合わないと早合点してはいけませんよ!

 

 彼等はメンバーチェンジの影響が良くも悪くも露骨に出るバンドであり、すなわちそれは、メンバー一人一人が如何にキャラ立ちしていたか、如何に優れた才能を持っていたかの裏付けとなるのです。

 

 60年代終盤にデビューした、所謂第一期のDEEP PURPLEは、リーダーでキーボーディストのジョン・ロードの意向を強く反映したジャズ〜クラシックの要素が強い、室内楽的なポップミュージックでした。

 この時代には、今でもライヴのアンコール定番の「HUSH」がヒットしていますね。


 そして70年代の声を聞くや否や、それまで渋々脇役に甘んじていたギタリストのリッチー・ブラックモアが台頭し、ハードロック向きのパワー・シャウターのイアン・ギラン(Vo)、ハードロックに欠かせない安定感のあるプロデュース能力を持つロジャー・グローバー(Ba)を迎えて、彼等は一気にハードロック・バンドの第一人者にのし上がります。


 先述の「SMOKE……」は勿論、「HIGHWAY STAR」や「SPEED KING」等、誰もが一度は聴いた事のあるハードロック・クラシックを次々と生み出し、同時期のライバル、LED ZEPPELINに比べて分かりやすい起承転結を持っていた彼等は、日本を始め欧米以外からもいち早く高い支持を集めるのでした。


 しかし、個性的な実力派が揃ったメンバーだけに対立も多く、日本武道館の音響の良さを世界に知らしめた「LIVE IN JAPAN」という名盤も残した、この黄金のラインナップ「第2期」は3年程で崩壊してしまいます。


 続いて彼等は、当時はまったくの無名ボーカリストだった、現WHITESNAKEのデビッド・カバーデイルと、元TRAPEZEのベーシスト・ボーカリストとして活動していたグレン・ヒューズを迎えて、ブルーズやファンク等、黒人音楽のルーツをこれまで以上に全面に押し出したスタイルのハードロックを生み出していきます。


 当時のデビッドは歌は上手いものの、中途半端に太っていた為、リッチーから「10キロ痩せなければボーカリストの話は無しだ」と宣告され、フォトセッションまでに何とか体重を落としたそうです。

 還暦を過ぎた今でもデビッドが若い頃の体型を維持しているのは、この頃の苦労があったからなんでしょうね。


 デビッド&グレンのツインボーカル体制となった「第3期」は、日本での人気が特に高い「BURN」を始め、それまでの彼等よりも濃厚な味わいのナンバーを数多く残しました。


 しかし、黒人音楽的な部分が増え過ぎていた事に不満を溜め込んでいたギタリストのリッチーがバンドを脱退。

 彼に代わる新ギタリスト、トミー・ボーリンはある意味リッチー以上の才能と実力を持ったギタリストでしたが、麻薬の誘惑に勝てずに夭逝してしまい、「第4期」はアルバム一枚で崩壊、バンドは1977年に解散してしまいます。


 1984年、世界的にハードロック・へヴィメタルのムーブメントが巻き起こる中、彼等は「第2期」のメンバーで再結成し、その後はボーカリストの交替や、リッチーの再脱退によるスティーブ・モーズのギタリスト登板、リーダーでキーボーディストのジョン・ロードの死去等、紆余曲折を経ながらも、唯一のオリジナルメンバーであるイアン・ペイス(Dr)を中心に、ジャズ的な持ち味も持っているスティーブを活かした、ジャムセッション的なハードロック・バンドとして世界を回っています。


 イアン・ギランはもう年齢的にハードロックを歌える喉ではありませんし、スティーブ以外はお爺ちゃんと言っても過言ではない現在のDEEP PURPLEですが、百戦錬磨のテクニックと経験値を活かしたそのロックは、今でも不思議と楽しめるんですよね。


 彼等の魅力は、クラシックのルーツを活かした様式を重んじる分かりやすい起承転結を持つ楽曲と、ジャズやブルーズのルーツを活かしたプレイヤーとしての優れた資質(アドリブ等)の融合にあります。

 この魅力はある意味、ある程度の型が決まった中での個性と言える訳で、特にボーカリストのメロディーラインやベーシストのグルーヴの変化に個性の違いが見られますね。

 

 従って、ガイドブックを鵜呑みにするのではなく、ベスト盤等で長い歴史のダイジェストを体感して好みの時代を探して貰うのもひとつの手だと思いますよ!

 

 彼等のおすすめアルバムは当然、70年代の全盛期の作品になります。

 まずは彼等のハードロック宣言とも言える「IN ROCK」(1970)、私の大好きな「第3期」のアルバム「BURN」と「STORMBRINGER」。

 この3枚に加えて、「LIVE IN JAPAN(海外ではMADE IN JAPAN )」(1972)を挙げておきます!


 

 

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― 新着の感想 ―
[一言] 恥ずかしながら……。 一年くらい前まで、「HUSH」はクーラ・シェイカーの曲だと思っていました。 ラジオからヘンなカバー(すみません)が流れてきたなあと思い調べ、そちらがオリジナルだったと…
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