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MALICE


 前回は、「L.A.METALの秘密兵器」と言われながら秘密兵器のまま不遇な最期を遂げたバンド・ROUGH CUTTをご紹介しましたが、今回は「L.A.METALの最後の切り札」と言われながら最後に出しても無視されてしまった悲運のバンド・MALICEをご紹介したいと思います!


 80年代半ばともなると、ハードロック・ヘヴィメタル・ムーブメントの主導権は完全にアメリカのアーティストに移行してしまい、イギリスのアーティストは一部のビッグネームを除いて苦境に立たされていました。


 更に、JUDAS PRIESTが1986年に発表したアルバム「TURBO」では、シンセギターを導入してアメリカナイズされたポップさをアピールし、続いてIRON MAIDENも同年、「SOMEWHERE IN TIME」でシンセギターを導入する等、イギリスのビッグネーム達がヘヴィメタル・ファンを不安にさせる様な実験精神を発揮し出すのです。


 個人的には、この二作品は優れたアルバムだと思っているのですが、やはりヘヴィメタル・ファンの大半はソフトなサウンドに抵抗を感じていたらしく、ブリティッシュ・メタルのファンも、アメリカのバンドでありながら欧州的なサウンドとメロディセンスを持つQUEENSRYCHEやLIZZY BORDENを支持する様になります。


 シーンのそんな流れを受けて、アメリカのバンドで欧州的なサウンドとメロディセンスを持つ……と言うより、ぶっちゃけまんまJUDAS PRIESTの小型版といったMALICEにも注目が集まっていたのでした。


 そんな彼等のデビューアルバム、「IN THE BIGINING……」(1985)は、ボーカリスト、ジェイムズ・ニールが細部までロブ・ハルフォードになりきっていましたが、あくまでファン気質でオリジナリティーに欠け、更に楽曲も弱かった為、最後の切り札は見事に自爆してしまいます。


 続いて発表されたセカンドアルバム、「LICENSE TO KILL」は、OZZY OSBOURNEやLOUDNESSとの仕事で翳りのあるメロディとアメリカナイズされたサウンドを融合させる手腕が評価されていた、マックス・ノーマンをプロデューサーに迎え、適度にJUDAS PRIESTっぽく、それでいてシャープかつソリッドなアメリカン・メタルを聴かせる様になり、個人的にも80年代有数のアメリカン・メタル名盤だと思っています!


 セカンドアルバムはそこそこの評価を受けたものの、セールスはまたしても惨敗。

 おまけに看板のハイテクギタリスト、ジェイ・レイノルズがMEGADEATHの最終オーディションに残った為に脱退してしまい、バンドは何とか代役を確保したものの、ミニアルバムを最後に一枚残して解散してしまいました。

 

 2008年には再結成したらしいのですが、未だにJUDAS PRIESTもQUEENSRYCHEもLIZZY BORDENも現役で、皆日本盤のCDが出る人気ぶりですから、残念ながらMALICEには勝ち目がありませんよね(笑)。


 おすすめアルバムは勿論、「LICENSE TO KILL」。

 これは最初から最後までカミソリの様な緊張感が持続する、本当に良いアルバムですよ!


 では最後に、MEGADEATHの最終オーディションに残ったジェイ・レイノルズの話を。


 レイノルズはMEGADEATHのリーダー、デイブ・ムステインに腕を見込まれたものの、プレイの仕方が分からない高難度のパートの弾き方について、何故か目の前のムステインに訊ねず、自身のギター講師であったジェフ・ヤングさんに電話で訊くという行動を繰り返したと言うのです。


 バンドメンバーとコミュニケーションも取れない奴なら、いくら上手くても意味がないと、ムステインはレイノルズのオーディションを打ち切り、彼が相談していた講師、ジェフ・ヤングさんを直接スカウトしてしまったという逸話が残されています。


 実際、MEGADEATHのアルバム「SO FAR, SO GOOD……SO WHAT!」のリードギタリストとしてクレジットされているのはジェフ・ヤングさんですが、当時のムステインはヤク中真っ只中で狂暴だったらしいので、彼の目の前で弾き方が分からないなんて言えなかったレイノルズの気持ちも理解出来ますよね(笑)。


 

クラシックロック、ジャーマン、北欧、デスメタル、グランジ、NU METAL、メタルコア……まだまだ語らなければいけないハードロック・ヘヴィメタルがあります。


これからも出来るだけ多くのアーティストを登場させたいと思いますが、少なくとも配信か輸入盤CDが買えるアーティストに絞るつもりです。


興味を持ったのに聴けないのは寂しいですからね!

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