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ROUGH CUTT


 今回は、「L.A.METALの秘密兵器」と言われ、本当に秘密兵器のまま終わってしまった不運のバンド、ROUGH CUTTをご紹介します!

 

 デビュー前の彼等の中には、後にオジー・オズボーンのバンドでブレイクするギタリスト、ジェイク・E・リーや、後にDIOに加入するキーボーディスト、クロード・シュネルも在籍しており、クロードの縁で故ロニー・ジェイムズ・ディオのマネージメントである「NIJI」に移籍する等、決して環境的・才能的に恵まれていない訳ではなかったはずなんですが……どうしてこうなった?


 「L.A.METAL」という名称は、先にIRON MAIDENの記事で出てきたイギリスのヘヴィメタル・ムーブメント「NWOBHM」に対抗する形で、アメリカのロサンゼルスのクラブを中心に新世代のメタルバンドが巻き起こしたムーブメントの事を表しており、代表的なヒット作はQUIET RIOTの「METAL HEALTH」(1983)がありますが、80年代初頭から活動していたMOTLEY CLUE・RATT・BON JOVIらがこのムーブメントの代表格と言えます。


 しかしながら、ムーブメントに加わるバンドの大半はL.A.以外の出身で、後に北欧やドイツで名を上げるミュージシャンも修行していたんですよね。


 ROUGH CUTTの音楽性を一言で表すならば、「超本格的ハードロック」です!

 

 派手なテクニシャンやイケメンのスタープレイヤーはいない、やや地味な職人揃いだった為にアピール不足な感は否めなかったものの、どっしりと安定した演奏に、ハードロックの派手な格好良さと渋さを両立した楽曲。

 とどめにブルージーなしゃがれ声とパワフルなハイトーンを使いこなせる稀代の名ボーカリスト、ポール・ショーティノを擁した彼等は、私がもう少しハードロックに目覚めるのが早ければ、少ないお小遣いをつぎ込んででも支持したいアーティストでした。


 1985年に発表されたデビューアルバム、「ROUGH CUTT」は、殆ど完璧なオープニング・ナンバーのTAKE HERや、JANIS JOPLINのカバーのPIECE OF MY HEARTといった名曲はあったものの、重厚過ぎて切れ味の足りないプロデュースは賛否両論で、私は少々残念に感じたものです。


 続いて、1986年に発表されたセカンドアルバム、「WANTS YOU!」は、AEROSMITHを手掛けたジャック・ダグラスのプロデュースにより、軽快なストリート感と楽曲のポップ度がアップし、80年代ハードロック屈指の名盤となりました!

 これは本当に格好良いです!


 しかし、他のL.A.METAL勢に比べて見た目が余りにも地味で、シングルヒットも生まれなかった為にアルバムセールスも振るわず、結局二枚のアルバムを残して彼等は解散してしまいます。


 ROUGH CUTT解散後もポールは様々なバンドを渡り歩き、現在は再結成ROUGH CUTTとKING KOBRAを掛け持ちしている様ですね。


 ちなみに、ギタリストのアミア・デラクは90年代末から00年代初頭にかけて、所謂NU METALバンドのORZYで全米ブレイクを実現し、現在は地味ながらもプロデューサーとして一本立ちしている様です。

 才能が報われて良かったですね。


 彼等のおすすめアルバムとしては、あくまで私の好みで「WANTS YOU!」(1986)を挙げますが、デビューアルバムの方が入手しやすいかも知れませんので、どちらかでも聴く機会があれば、80年代の本格派を是非体験して欲しいと思います。


 更に加えて、ポール・ショーティノのボーカルが堪能できる裏名盤として、先に登場したQUIET RIOTの4枚目のアルバム、「QUIET RIOT」(1988)を激しくおすすめ致します!


 このアルバムは、脱退した前任ボーカリスト、ケビン・ダブロウの後任として、ボーカルだけでなく曲作りの主導権までポールが握ってしまい、まんまROUGH CUTTに仕上がっております(笑)。

 80年代のWHITESNAKEを彷彿とさせる部分も多く、WHITESNAKEファンにも大推薦したいですね!

 

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