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狂おしい果実から  作者: じょーかーOtuka
第一章 日常より
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第6話 心

 慎一が失踪して数日が過ぎた。

 春賀の件に対しても捜査には進展が無いそうだ。

 それに、俺のストーカーの事も相まって、より一層警戒心が強まっていた。


『リーダー、まだ慎一の新しい情報は無いの?』


『未だに入っていない。 捜査は難航しているそうだ』


『リーダーには何かおかしいこととかない?ストーカーの件とか、困ったら私に相談してね』


『苺も何かあったら連絡しろよ』


 しかし、こうも立て続けに事件が起きるのは怪しすぎる。もしかしたら大きな事件の予兆かもしれない。



「おはよう宗治」


「おはよう……」


「眠いなぁ」


「あぁ」


 話をする気になれない。二人が心配だが、それ以上に、次は自分なのではないかという妄想に駆られる。


 何もない所なのに、視線を感じたり、小さな物音ですら気にしたり。誰も彼も怪しく見えてしまう。


「宗治、宗治、おーい」


「あ、すまん、ボーとしてた」


「なんだよ、最近ずっとそれかよ。 悩みでもあるのかよ」


「こうも立て続けに事件とかがあると、今度は俺なんじゃないかって思うんだ」


「そうか、春賀のこととか、今はどうしようもないし、これから起こることが不安なのか」


「……」


「とりあえず今は吉報を待つことと、一人で帰らないこと位だ。 心配すんなって、俺がいるさ」


「ありがとうな」


 こう、励ましてくれる友達がいることがどれ程嬉しいことか。

 だが、そんなお前も巻き込まれるかもしれないっていう不安が、どうしてもよぎってしまうんだ。

 そんな不安に苛まれたまま、授業の鐘が鳴る。


「教科書56ページを開いてー」


 いつ終わるのだろう。早く終わってくれ。すぐに終結して、元気な姿を俺に見せてくれ。


 心にモヤの掛かったまま今日も学校が終わった。



『宗治、最近どうなの?』


『最近?』


 珍しいことに香織からメッセージが届く。


『集まってからずっとやりとりないし、心配してたんだよ?』


『すまん』


 こんなヤツまで心配させていたのか。


『宗治、悩みあったら遠慮なく言ってね』


『ありがとう』


『それで、今度はいつ会えるの?』


『今度ってこの間会ったばかりじゃないか』


『だって、慎一まで行方不明になっちゃったじゃん』


『だけど、俺達が集まっても何もできないだろ』


『そっか』


 やたらと会いたがる奴との会話は夜まで続いた



 できた。喜んでくれるかな?いつに渡すのがいいかな?彼へのプレゼントを作っていたら、秋になってしまった。最近は凄く寒いし、今度会う時はマフラーにしようかな。


 一生懸命作った物だから、きっと喜んでくれるよね。だから、特別な時に渡したいな。



 それと、コイツらどうしようか?

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