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狂おしい果実から  作者: じょーかーOtuka
第一章 日常より
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第5話 失踪

 目覚ましの音で目が覚める。もう朝か。学校に行く為に準備をしなければならない。

 だが、スマホにどうしても目がいってしまった。通知が来ていたので、開くと


『宗治、どうも先週、春賀が行方不明になったらしいだ。』


 え? 異世界転移した?

 なわけないか。もう魔王は倒したし。 リセットとかマジで萎えるからな。


『先週のいつ頃だ?』


『下校中辺りの時間だと思われるそう。 アイツ夜は基本出歩かないのに、深夜になっても帰ってこなかったから親御さんが通報したらしい』


『そうか…… とりあえず後は学校で聞く』



 急いで学校へ行き、教室に入る。


「宗治!」


「おう!それで、どうなった?」


「まだ何も」


「そうか……」


「そういえば関係性あるかはわからんが、お前近ごろ目線感じることとかないか?」


「いや?」


「実はさ、お前の近くで隠れながら尾行する変な奴がいるって噂があるんだよ」

「詳しく」


「なんかな、お前の下校中とかによく見るらしいが、黒髪の女が電柱の影とかからお前をストーキングしてるって話だ。 時間帯が春賀の事件と近いからもしかしたら…… なんて話も聞く。 帰り道は本当に気をつけろよ!」


「わかったよ」


「『さようなら』ってメールを見た時に女子に刺されるかもだからな!」


「いや伊○誠か!」


 このシリーズそろそろ飽きてきたんだが……

 だが、俺につけてくる女とは誰なんだ?

 黒髪しか情報が無い。 日本人だいたい黒髪だし。


「まぁ、恐いなら何人か誘って一緒に帰るのが一番だろ」


「だな」


「とりあえず今日は部活ないだろ? 一緒に帰るか?」


「あぁ、そうする」



「それじゃあな」


「また明日な!」


 友達と別れる。春賀の事件と、俺のストーカーらしき目撃情報があったので、足早に家へと向かう。


 しかし、何故春賀が巻き込まれたのだろう。普通に考えればJKだから誘拐だの拉致だのだろうが、そういうのは大抵深夜だったりするし、安全のために学校からの帰り道なんて人通りの多い所を選んでいたはず。

 そして、時期が俺のその目撃情報と同じ時期。話によると、事件の方は俺が下校中もしくは帰宅後に起きたと思われる。

 事件の起きた時間と場所が目撃情報と一致する。そう考えると……


 ここでスマホが鳴った。あと少しで考えがまとまる所だったのに。

 メッセージを確認すると、慎一からだった。


『宗治、これを見たらすぐに電話をしてくれ』


 何かあったのか。すぐに電話をかける


「もしもし、どうした? 何かあったのか」


『もしもし、突然で済まなかった。 一つ聞いていいか? リーダー、今()()は使えるか?』


「魔法? 何でだ?」


『実は俺が飼っている猫に、迷子防止のためにマーキングの魔法を使ったんだが、その時に……』


「慎一? 聞こえないぞ? 慎一?」


 数秒後、電話は勝手に切れてしまった。

 ここのところ、こんなのばかりだ。何度かけ直しても慎一につながらない。俺の周りに事件が集まっているのだろうか?

 とにかく、慎一が心配だ。電話が繋がらないのならメッセージを使う。グループチャットなら応答があるかもしれない。


『慎一? いるか?』


『どうしたのリーダー?』


『実はさっき慎一と電話していたが、途中で切れてしまってな』


『リーダー慎一に何か言ったの?』


『いや。 何かを伝えようとしてたんだが、途中で切れてな。 かけ直しても繋がらないからとりあえずここで聞いてみたんだが』


『宗治どうしたの? 慎一に何かあったのかな?』


『かもしれん。 とにかく情報を集めてくれ』



 その後、慎一は行方不明となり、捜査関係者によれば、彼の部屋の机には破壊されたスマホが置かれていたそうだ

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