第25話 再戦
「こんな所にいたんだ、香織ちゃん。いや、ストーカーって言った方がいいかな?」
「っ苺!」
最悪の相手に見つかってしまった。
既に連絡もされているだろう。
「香織ちゃん、最後に言うことある?」
メイスをこちらに向け、瞳孔の開いた目でガラスを破壊する。
私は、入ってくるのを見る間も無く、階段を降り廃墟から脱出する。こんな狭い所では敵わない、逃げなければ。
「香織ちゃん何で逃げるの?」
後ろから魔力弾が放たれ、足元に着弾するのが見える。家から出て来たが、どこに逃げれても追い付かれそうだ。
「苺、楽しそうだね何でわかったの?」
「さぁ? それよりさっさと捕まってくれないかな?」
「そんなわけないじゃない。"パラライズリング"!」
麻痺効果のある黄色の輪が苺目掛けて飛ぶが、当たらず、その隙に苺が距離を詰めて来た。
「"エクステンド"、"メタルコート"!」
「"アークパラライズ"」
接近戦を仕掛けると思ったが読みを誤ったようで、避けようとしたが右足に苺の放つ麻痺弾を受けてしまった。
麻酔を受けた様に足の感覚が無くなり、バランスを崩し転ぶ
「"アンチグラヴィティ"!」
体を何とか起こし、宙に浮かせる。
右足の感覚は全く戻らない。。
"アークパラライズ"は麻痺類最強の魔法であり、範囲や魔力を調整すれば、相手から完全に気づかれず麻痺させたり、こうして局所的に長時間麻酔をかけることもできる。今日はもう歩けないだろう。
「なんだ、魔力残ってたんだ。せっかく足取ったと思ったのに。でも大丈夫だよ、宗治達がもうすぐ来るはずだからね」
「酷い悪人だね。全身じゃなくて足にだけかけるなんて」
「それは避けたからでしょ? それよりもさ、どうせなら前の続きしようよ。どうせ溜まってるんでしょ?」
「舐めたことを! "ザルグブリザード"」
尖った氷が生成され、苺に向かって降り注ぐ。
苺はそれを簡単な魔法で防ぐと、
「"シルバーバレット"、"シルバーバレット"、"シルバーバレット"!」
魔力弾を乱れ撃つ。回避できないので、当然魔法で防ぐが、余裕が無い。
「どうしたの? その程度だったっけ? あぁ、魔力切れかな?」
「"ラピッドショット"」
余っている魔力全てで魔力弾を大量に形成し、魔力の弾幕を作る。
防御魔法の得意な苺だが、こればかりは簡単に防ぐことはできないだろう。
そう思っていた時だった
「苺、もういい。戻れ」
「リーダー!」
宗治が来た。こんなタイミングで、いや苺の計画通りなのか。
「香織、もうやめろ。仲間内で争うなんて。いや、お前が全てやっていたのか?」
「違う! 私じゃない!」
「俺をつける黒髪の女……そういえばお前も黒髪だったな。慎一はそこらの人間では不意討ちですら傷一つ付けられない筈だ。お前がやったのではないのか?」
「違う! その日は家に居たし、何より慎一に恨みの一つ無い!」
「そうか」
「待って! 宗治! 話を聞いて!」
宗治の後ろ姿を追いかけようとした時だった。
「勇者様! これを!」
投げられた魔剣ガイアスラを宗治は受け取ると、地面に向かって一閃。
アスファルトに境界線ができる。
「わかっているよな?」
◆
頼む香織、そこで止まってくれ。これ以上仲間内で傷付け合いたく無い。
しかし、香織は俺の最後の一言を聞いた瞬間から、目の焦点を失った。
うつむいたまま、涙をこぼしつつ震えた声で
「"ラピッドショット"」
残った魔力弾力を放った。
しまった。もちろん俺達は避けられるが筋肉達は防御魔法を使えない!
「危ない! 避けろ!」
すると隼人さんが前に出て
「"プロテクション"!」
板の様なバリアを作った。
しかし、一般人である隼人さんが、、魔法、、?
「はは、宗治君、アレクサンドラ王子またはもしかしたら国王は元気だったかい? 君たちが呼ばれたのは何を隠そう前例があったからなんだ。僕も少し本気を出そうかな。"パラライズリング"!」
お馴染みの麻痺魔法が高速飛び、香織に直撃する。
「隼人さん……」
「みんな、後は任せてくれ。こういうのは警察の役目だからね」
明日12/31は、更新をお休みさせて頂きます。
なので、年明け辺りに2話連続投稿をさせて頂きます。
申し訳ございませんが、ご理解とご協力お願いいたします。




