第24話 見つけた
朝日で目が覚める。
丁度よい廃工場があり、昨日はそこで寝た。
体のあらゆる所が痛い。きっと硬い床の上で寝たせいだ。
さて、どうしようか。
ここもきっとすぐに見つかるだろうし、かといって移動するのも見つかる危険がある。
そう考えながら使えるものが無いか工場の中を見て回る。ここは何を作っていた所なのだろう。
大きなバケツのような容器が宙に浮き、その下の装置から長い長方形の水路のような物が伸びている。
教科書とかで見たことがあるような感じがするけど、残念ながら思い出せない。
工場の広間を抜けると、その先は草木に閉ざされた薮だけしかない。きっとここから先は通れないかも。
結局収穫は無かったので、寝ていた部屋に戻る。荷物(と言ってもメイスぐらい)を持ち、部屋を出てさっき探索した方と逆の方に歩みを進めると、そこはロッカールームだった。
ベンチもあり、ここで寝ればよかったと後悔したが、今さら遅い。
ロッカーを一つ一つ開けて中身を確認する。
賞味期限切れのポテチやら忘れ物なのか動かない時計。
開けても開けても良いものは無さそうだ。
そろそろ諦めようとしていたら、右端のロッカーの中から一枚の写真が出てきた。
金髪の髪の毛のツインテールの女の子とその母親の写真。薄汚れた手紙が裏にはあって、そこには『パパへ、たまには早く帰って来てね』とある。
ここで働いていた親に宛てた手紙だろう。
◇
探索して早くも二時間が経過した。そろそろヤバイかもしれない。
一応気配魔法で確認したが、幸い近くに警官はおろか人自体がいないようだ。
思ったより遠くまで逃げていたらしい。
だが、ここもすぐにバレる。でも出ようとしても昼間では人目に付いてしまう。
後ろは茂み、前は普通の道路。
選択は一つーー私は工場裏に出て、茂みにメイスを向け
「"バーンカリヴァー"」
炎が茂みに穴を開ける。向こう側は森みたいだ。
茂みにできたのトンネルをくぐり抜け、一直線に走り出した。
◆
「宗治君、君は南の方を苺さんは東をお願いする」
「わかりました。筋肉三兄弟は隼人さんと一緒に行ってくれ」
「承りました! 行くぞ真男、真人!」
香織が俺をつけていた長髪黒髪のストーカーだったなんて思わなかった。アイツは確かに変だが、そんなことをするヤツではないと思っていたのだが、人は見かけによらない。
俺の生まれ育った街で、香織を追う。しかし、俺はマーキング付きなので、きっと逃げられてしまうに違いない。とすると、苺や三兄弟達が見つけてくれるのを祈るばかりである。
この街の南方には大きな繁華街があったはずだ。
人目を避けてこっちには来ないと思うので、早めに切り上げて隼人さん達と合流しよう。
◆
辺りがだんだん暗くなってきた。何時間歩いたのだろうか、足が痛む。
しかし、ここの街の森には廃墟が多いだろうか、今度はガラスのひび割れ、電気も通っていやい一軒家に身を潜める。
二階に上がると、マットレスが残されていたので、そこでしばしの休憩。思えば昨日の夜から何も食べていない。
今日はもう動けないだろう。でも何か食べないと。
廃墟の一階にあるキッチンの冷蔵庫を開けるも、中は空っぽ。当たり前か。むしろ腐った食べ物が入っていないだけマシだったかもしれない。
仕方なくまた二階に上がりマットレスに座り込んだ。宗治は南へ行っているみたいだし、他の人が来てもギリギリ逃げられる程度の力は残っているはずだ。
外の様子を見る為にボロボロのカーテンを開けた時だった。
「見ーつけた」
宙に浮いた苺が窓の向こうから私を覗き込んで笑った。




