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第24話 見つけた

 朝日で目が覚める。


 丁度よい廃工場があり、昨日はそこで寝た。

 体のあらゆる所が痛い。きっと硬い床の上で寝たせいだ。


 さて、どうしようか。

 ここもきっとすぐに見つかるだろうし、かといって移動するのも見つかる危険がある。


 そう考えながら使えるものが無いか工場の中を見て回る。ここは何を作っていた所なのだろう。


 大きなバケツのような容器が宙に浮き、その下の装置から長い長方形の水路のような物が伸びている。


 教科書とかで見たことがあるような感じがするけど、残念ながら思い出せない。

 工場の広間を抜けると、その先は草木に閉ざされた薮だけしかない。きっとここから先は通れないかも。


 結局収穫は無かったので、寝ていた部屋に戻る。荷物(と言ってもメイスぐらい)を持ち、部屋を出てさっき探索した方と逆の方に歩みを進めると、そこはロッカールームだった。

 ベンチもあり、ここで寝ればよかったと後悔したが、今さら遅い。


 ロッカーを一つ一つ開けて中身を確認する。

 賞味期限切れのポテチやら忘れ物なのか動かない時計。

 開けても開けても良いものは無さそうだ。


 そろそろ諦めようとしていたら、右端のロッカーの中から一枚の写真が出てきた。


 金髪の髪の毛のツインテールの女の子とその母親の写真。薄汚れた手紙が裏にはあって、そこには『パパへ、たまには早く帰って来てね』とある。

 ここで働いていた親に宛てた手紙だろう。



 探索して早くも二時間が経過した。そろそろヤバイかもしれない。


 一応気配魔法で確認したが、幸い近くに警官はおろか人自体がいないようだ。

 思ったより遠くまで逃げていたらしい。


 だが、ここもすぐにバレる。でも出ようとしても昼間では人目に付いてしまう。

 後ろは茂み、前は普通の道路。

 選択は一つーー私は工場裏に出て、茂みにメイスを向け


「"バーンカリヴァー"」


 炎が茂みに穴を開ける。向こう側は森みたいだ。

 茂みにできたのトンネルをくぐり抜け、一直線に走り出した。



「宗治君、君は南の方を苺さんは東をお願いする」


「わかりました。筋肉三兄弟は隼人さんと一緒に行ってくれ」


「承りました! 行くぞ真男、真人!」


 香織が俺をつけていた長髪黒髪のストーカーだったなんて思わなかった。アイツは確かに変だが、そんなことをするヤツではないと思っていたのだが、人は見かけによらない。


 俺の生まれ育った街で、香織を追う。しかし、俺はマーキング付きなので、きっと逃げられてしまうに違いない。とすると、苺や三兄弟達が見つけてくれるのを祈るばかりである。


 この街の南方には大きな繁華街があったはずだ。


 人目を避けてこっちには来ないと思うので、早めに切り上げて隼人さん達と合流しよう。



 辺りがだんだん暗くなってきた。何時間歩いたのだろうか、足が痛む。


 しかし、ここの街の森には廃墟が多いだろうか、今度はガラスのひび割れ、電気も通っていやい一軒家に身を潜める。


 二階に上がると、マットレスが残されていたので、そこでしばしの休憩。思えば昨日の夜から何も食べていない。

 今日はもう動けないだろう。でも何か食べないと。


 廃墟の一階にあるキッチンの冷蔵庫を開けるも、中は空っぽ。当たり前か。むしろ腐った食べ物が入っていないだけマシだったかもしれない。


 仕方なくまた二階に上がりマットレスに座り込んだ。宗治は南へ行っているみたいだし、他の人が来てもギリギリ逃げられる程度の力は残っているはずだ。


 外の様子を見る為にボロボロのカーテンを開けた時だった。


「見ーつけた」


 宙に浮いた苺が窓の向こうから私を覗き込んで笑った。

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