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狂おしい果実から  作者: じょーかーOtuka
第一章 日常より
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第19話 香織と苺

「"シルバーバレット"」


 苺の指から、銀色の魔力の塊が音速で放たれる。

 香織はそれを杖で弾くが、バキッと音を立て折れてしまう。

 仕方なく香織は懐からメイスを取り出し


「本気でいくよ。死なないでね"バーン・スネーク"」


 アスファルトの上が燃え上がり、炎が蛇の形に変形し、とぐろを巻いて苺を威嚇する。


「へぇお友達造ったんだ。あまりいないもんね」


 炎の蛇は勢いを増し、約5メートル程の大きさへ成長。苺に飛びかかるが、両手でいとも簡単に引き裂いてしまった。


「あれ? それだけ? なぁんだ、香織ちゃんって案外……」


「"エクステンド"、"メタルコート"!」


 メイスを伸ばし、鋼鉄を纏わせる。苺も「あぁ、その気なんだね」と言い、同じくメイスに魔法をかける。

 二人の姿は一瞬で見えなくなり、先程までいた場所の中点でメイスが交錯する。

 重い金属音が何度も響き、メイスに触れたアスファルトが砕ける。


「"サンダーコート"」


 苺のメイスが電気を帯びる。それを見た香織は、


「乙女にそれは無いんじゃないの? "へヴィメタルコート"」


 自身のメイスを更に強化する。

 地面を蹴り、両者がメイスで殴りかかったその時


「"パワードプロテクション"!」


 道を遮る形でバリアの壁ができる。


「二人とも何してるの!」


「でも苺が……」


「喧嘩両成敗! 落ち着いてよ!」


 苺の方の道から、一番興奮した栞が出てくる。


「もう! 目を離したらこんなこと始めるんだから! 今は慎一のことが優先でしょ!」


 わかったよ……

 と苺は引き、同じく香織はメイスを納め折れた杖を拾う。

 その後、二人は顔を合わせず帰宅した。



『ってことがあったんだ』


『そうか、連絡ありがとう』


 苺と香織が喧嘩したらしい。栞が止めてくれたのか。


『栞はケガ無いか? あの二人を止めるなんて相当苦労すると思うが』


『ありがとう。ケガは無いよ。狭い道路だったからバリアで何とかなった。道は滅茶苦茶だったけどね』


『すまない。こっちからも言っておく』


『お願いね』


『もちろんだ』

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