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乙女ゲー異世界転生者(♂)は悪役令嬢を救いたい   その三百九十四

『続いて第五位は……たくさんファンサをしてくれたゴスロリ王子……じゃなくてゴスロリ姫! エントリーナンバー7番!』


 竜二の次、第五位に入ったのは翡翠。中間発表では四位だったので一個順位が落ちてしまった感じだけど本人的には特に気にしてないのか、観客席にピースしたり指ハート作ったりしてまたファンサしている。


 まあ翡翠ももう自分の順位よりも真央がグランプリを取っているのかどうかの方に意識がいっているんだろう。


『さあ残すところ出場者はあと四人、第四位は……マジックを披露してくれたかいちょ……OLお姉さん! エントリーナンバー8番!』


 中間発表での五位から翡翠を超えて第四位になったのは深雪先輩。


 白桜学院文化祭の成功を確信して満足しているのか珍しく笑顔を浮かべながら手を振る深雪先輩に観客席から「きゃーー!」と黄色い声が上がる。


「結局上位三人は変わらずっすね」

「だな。俺様的には真央にグランプリを取ってもらいたいが……正直残り三人は誰がグランプリを取ってもおかしくないだろうぜ」

「そうっすね。でもまあ、おれ的にはやっぱり兄貴がグランプリっすかねえ……」


 竜二も翡翠も自分の出番は終わり、後はもう結果を見守るだけという感じですっかり気を抜いている。……一応まだ大観衆の前で女装状態でステージの上に立っているんだけど慣れって怖い。


『早速続いて第三位……と行きたいところですが、ここで一度先生方の男女混合ミスコン全体の講評を挟みたいと思います』


 焦らすように上位三名の結果は後回しで、先に審査員として参加した先生達に話を聞いていく中、隣の真央とその奥の凜香さんの様子を見てみると、真央はいつもと変わらず微笑みながら会場を見ている感じで、凜香さんは……。


「あの……凜香さん?」

「あら? 何ですの?」

「いや、何でそんなにこっちを見てるのかなって」


 優花が様子を見ようとする前から凜香さんは何故かこっちを見ていた。


「ふふん! いよいよ結果発表ですからね、わたくしが勝ちますわよオーラを送ってましたの」

「は、はあ……なるほど?」


 わたくしが勝ちますわよオーラとやらはよくわからないけど、基本的に負けず嫌いで勝負にこだわるのはとても凜香さんらしいので、これもまた凜香さんなりのいつも通り。


 ……そう思うといつも通りじゃないのは優花だけかもしれない。


 正直今までは凜香さんに一位になってほしいとは思っていたけど、この結果でどうこうなるとは思ってはいなかった。それが、この男女混合ミスコンの結果次第で凜香さんを救うという優花の一番の目的に大きく影響が出る可能性が生まれた結果、どうしても結果が気になってしまい体に余計な力が入って緊張してしまう。


 もしも真央が一位ならこれまでと変わらず真央が主人公と見て現状維持、優花が一位なら真央がこの世界の主人公じゃなくなって主人公交代の可能性が高くなる、そして凜香さんが一位なら……。


「もし凜香さんが一位だったら目的達成……ですかね」


 マジハイでは育ち切った主人公に凜香が勝てることは無かったことを思えば、凜香さんが一位を取ることができるのは、主人公たる真央を勝たせようとする世界の強制力、この世界をマジハイのゲーム世界にしているこのルール自体がなくなったか、あるいは機能しなくなった時。


 攻略キャラクターの攻略が完了し想いの欠片を入手した際、凛香さんに不幸が訪れるというのも当然マジハイではそうだったから起きているので、このルールがなくなりこの世界がマジハイのゲーム世界ではなくなったのなら、凛香さんにも不幸が訪れなくなるわけだ。


 つまり、凛香さんがグランプリを取れていたのなら、同時に優花がこの世界に来た当初からの『凛香さんを救う』という目的を達成できたことにもなる……はずだ。

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