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乙女ゲー異世界転生者(♂)は悪役令嬢を救いたい   その三百九十一

 凜香さん、楓、奈央先生と女子達がぞろぞろと外に出てくる。


 まあ大丈夫だろうと思ってたけど、凜香さんはちゃんと無事だな。


 優花が目を離さざるを得ない女子の控室で凜香さんに何かあったらもうめいさんを頼りにするしかなかったけど、さすがに何もなかったようなのでほっとする。

 やっぱり、もう凜香さんが危険な目に合うことはなくなったんだろうか。


「あら、何ですの?」

「いえ、何でもありません」


 凜香さんを見てほっとした優花を見て、凜香さんがきょとんとした顔をしてたけど特に説明はせず、男女共に会場へと移動する。


「それにしても、すごい数の人だよね」

「ま、まあアイドルのライブならもっと会場大きいし、もっと人が来ますけどね!」


 会場の様子を見れるモニターを見て、真央はほえ~という感じの顔、楓は余裕そうにしてるけど改めて感じる人の多さに少しビビっている感じ。


「なあなあ、大逆転要素とか無いのかみーくん」

「バラエティー番組じゃないんだ、あるわけないだろう姉さん……。優勝したくて大逆転を狙うくらいなら初めから真面目にやってくれ……まったく」


 もう勝負とか順位とかどうでもよくなってるらしい奈央先生は深雪先輩にダル絡み、深雪先輩はため息をつきながらも、少し笑っている。

 ほとんど笑わず、あまりにも硬かった出会った当初とは別人みたいに柔らかくなった深雪先輩の雰囲気は、きっとこれまでみんなで同じ時間を過ごした影響もあるだろうけど、やっぱりこの文化祭を成功させることができたというのが自信になったんじゃないだろうか。


「しかし、本当にこんなことになるとは思わなかったっすよ兄貴……」

「うん、まあ、悪いとは思ってる……」


 男女混合ミスコンを成功させようと頑張ってきたけど、さすがにここまで人が来るとは想定していなかったので、参加してくれた竜二には悪いと思っているし、本当に感謝してる。


「ふっ、いよいよ結果発表だな同士。どんな結果が出ようと恨みっこなしだぜ」

「そうだな、勝負だ翡翠」


 ぐっと親指を立てて笑顔の翡翠に、こちらもぐっと親指を立てて返す。


「男同士の勝負……熱いね」

「ふふ、終始蚊帳の外って感じだったわね……」

「ふふふ……女装男子二人の絡み……おっと失礼」


 ボスゴリさんも、優花が知らない女子二人も勘違いしてるみたいだけど、翡翠との勝負は優花対翡翠じゃなくて、優花が優勝して欲しい凜香さんと翡翠が優勝して欲しい真央のどっちが勝つかという勝負。オタクが推しの人気でバトってる感じなので、全然熱くないしむしろちょっと格好悪い。


「あら、わたくしを忘れてもらっては困りますわ! 優勝するのはわたくしですわよ!」


 ふふんと自信満々な感じで腕組みをしている凜香さんだけど、この感じは本気が半分で、あとの半分くらいは虚勢だろう。


 アピールタイムの時のことを思えば、凜香さんが逆転して真央を抜いて一位の可能性は当然あるけど、正直勝負は一票、二票差の僅差のギリギリの戦いの可能性が高い。さすがの凜香さんも絶対優勝すると思うことはできないんだろう。


「大丈夫ですよ、凜香さん。何位だろうと俺の中では凜香さんがナンバーワンですから!」

「なっ……!」


 何というか、翡翠とのやり取りのノリでそのまま凜香さんにも親指をぐっと立てて言ってしまった結果、ぼっ! とマッチに火が付いたような感じで凜香さんの顔が真っ赤になった。


「ふ、ふん! 負けた後の励ましみたいなコメントですわね!」


 ぷいっとそっぽを向いたところを見ると、また凜香さんを怒らせてしまったらしい。


「また怒らせちゃった……」

「兄貴はどんどんすごくなってるっすけど、本当にそういうとこは変わらないっすね……」

「いや……俺様でもさすがにわかるぞ同士……」

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