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乙女ゲー異世界転生者(♂)は悪役令嬢を救いたい   その三百九十

 さっきから色々と考えてしまうのは、たぶん気が緩んでいるんだろう。


 凜香さんが既に救われているという可能性はかなり高いんじゃないかと思ってしまっている自分が居て、そのせいでこの後のことばかり考えてしまっているんだろう。


「とりあえず、まずは男女混合ミスコンの結果だな」


 今回の結果次第で、優花のこれからの行動の方針が決まる。


 まず、優勝争いは前日の結果から考えても番狂わせはないと見て良いだろう。つまり、一位は真央と優花、そして凜香さんの三人の内誰かと考えて良い。


 もしも真央が一位のままだったのなら、この世界の主人公はまだ真央のままだと思っていいだろう。

 優花が投票した時に世界の強制力が働かなかったのは、結果が変わらないからだったという認識になり、優花はこの後は今まで通りの行動、対処をすることになるだろう。


 そしてもしも優花が一位だった場合。この場合はこの世界の主人公が優花になった可能性、つまり主人公交代説の可能性が高くなる。

 主人公交代というイレギュラーによってこれから先何が起こるのか、どうすればいいのかが最もわからなくなるカオスルートで、行動も対処も今までとは変えていかないといけなくなるのは明白で、正直優花にとって最も嫌なルートになる。


 そして最後は凜香さんが一位を取った場合。この場合、投票での件と合わせて考えると真央が主人公じゃなくなり、優花が主人公になったわけでもない……という可能性が高くなる。

 更なる検証は必要だろうけど、主人公が主人公じゃなくなることで、凜香さんの身に訪れる不幸もなくなり、これ以上優花が凜香さんを守ってあげる必要はなくなり、これからはこの世界で普通に日常を送るだけになるだろう。


「む、灰島。遅いから心配していたが無事間に合ったか」

「みんな心配してたよ。間に合ってて良かった」

「心配かけてすみません」


 男女混合ミスコンの結果発表まであと十分ぐらい、そろそろ移動しておこうかという時間になってようやく手伝いに出ていたらしい深雪先輩達が戻ってきた。


「あの、結局二人は何を運んでたんですか?」


 二人が運ぶのを手伝っていたデカイものとは何なのか、気になって尋ねてみると、二人は視線を交わしてすぐににやっと笑った。


「ふっ、自分達の口から聞くよりも実物を直接見た方が良いだろう」

「あれは絶対目に入るよ」

「そう言われると気になってきたっすね……」

「そんなにデカイのか……?」


 竜二も翡翠も気になってきたらしい。

 よっぽどそのデカイものにはインパクトがあるのか二人が教えてくれるつもりはなさそうなので、言われた通り後で自分で探して見るしかない。


「メイクは……大丈夫そうですね」

「ああ、そろそろ時間だ。行くぞお前達」


 深雪先輩が先頭に立ち、みんなで男子組の控室を出る。


「ふう……ようやく終わるっすね」

「だな。女装はもうこりごりだぜ……」

「ふっ、まあ、あまりできない貴重な経験ではあったな」


 みんな的にはもう結果よりも女装をしなくて済む方が嬉しそうだ。

 正直、優花はもう女装に慣れてきているので、それよりもやっぱり結果が気になるところ。


 優花が最後に控室を出てドアを閉めると同じタイミングで女子組の控室のドアが開いた。


「あっ、みんな」

「おお、真央!」


 女子組もちょうど準備完了して控室を出るところだったらしい。


「ふふん、さあ、いよいよ結果発表ですわ……勝つのはわたくしですわよ!」

「はあ? 楓が大逆転ホームランで逆転に決まってるんですけど!」

「ガキどもは元気だな……はあ、あたしはもう疲れたから帰って寝てえよ」

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