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乙女ゲー異世界転生者(♂)は悪役令嬢を救いたい   その三百二十四

『多種多様なパフォーマンスが見られてとても面白かったですね。それでは、男女混合ミスコン昼ステージはここまでとなります。男女混合ミスコン、あとは本日の文化祭一日目終了直前のタイミングで人気投票の中間発表がありますので、ぜひ投票をお願いします。また、ファン対応についての変更点が……』


 ちょうど先生方の講評も終わり、昼ステージは完全に終了。これで優花達男女混合ミスコン参加者はようやく退場できるということで、男子組の控室に戻るとすぐに優花以外の全員が大きいため息と共にへたり込んだ。


「どうしたんですか?」

「いや、どうしたじゃないっすよ兄貴……」

「さすがの俺様でもあれだけの数の人の前に居続けるのは疲れたぜ……」

「自分は人前には慣れてはいるが、今回はこんな格好だからな……」


 人前に立つこともそうだけれど、女装している恥ずかしさとそれぞれ人前でパフォーマンスしたことで気疲れしてしまったらしい。


「ボスゴリさんも疲れました?」

「は、はは……じぶんも疲れたかな。でも笑ってくれた人がいっぱいいたから元気ももらえたけど」


 めいさんを演じたままだからか、疲れている皆に紅茶でも入れてあげたい気分だけれど、今の優花にはそんな暇はない。


「この控室は、一時間ぐらいは使えますので、ゆっくりしても大丈夫です。あとファン対応する人以外はもうメイク等も落として大丈夫ですからね。何かあったらスマホに連絡ください。それでは自分はこれで……」


 昼ステージ前に話していたファン対応の変更についてはまあ深雪先輩に任せてしまっても大丈夫だろう。


 場所を用意したり、物を配置したり、人を手配したり色々とやることは多そうなので、たぶん実際にファン対応をできるようになるまでは多少時間がかかるはず。

 凜香さんの優勝を目指すのなら、ファン対応は必須だけれど凜香さん一人だとファン対応してくれなさそうなので、優花も一緒にファン対応する必要がある。


 つまり二人共文化祭をゆっくり回ってる時間はなくなるので、凜香さんと遊ぶなら今しかない。そう、今度こそ凜香さんと文化祭を満喫しなくてはいけない……いや、満喫したい!


 控室の隅のハンガーラックに用意されていたフード付きマントを手に一人控室を出る。


「これなら大丈夫かな……」


 凜香さんと文化祭を巡ったあとはファン対応をするので、女装は解かずこのまま。まあ、普段通りの優花では凜香さんとまともに会話をすることすらまだ不可能なので、めいさんの演技をしていた方が都合が良い。


 大きめのマントは、すっぽりと今の優花のメイド姿を隠してくれた。フードも深くかぶってしまえばもう誰かはわからない。


 あとは凜香さんと何とか合流して、一緒に文化祭を回ってもらうだけだけれど……そもそも女子組の控室に入るわけにもいかない。

 女子組の控室の前で、凜香さんに連絡をした方が良いかと思いスマホを取り出すと同時。


「あら?」


 ちょうど優花と同じようにフード付きマントを着た凜香さんが女子組の控室から出てきてくれた。


「ああ、ちょうど良かった、今連絡をしようかと」

「ふーん……そうなんですのね」


 何故か凜香さんがぷいっと横を向いてしまい、顔がフードで見えなくなった。


「さっき一緒に文化祭を回れなかったので今度こそと思ったんですけど、あの、一つ聞いても良いですか?」

「な、なんですの?」


 凜香さんがちょうど良いタイミングで出てきてくれたことに気をとられてしまったけど、今の凜香さんの姿を改めて見て気になったことが一つある。


「いえ、どうして着替えてないのかなと」

「ど、どういうことですの?」

「お嬢様のことですから、ファン対応はあまり考えてませんよね? つまり制服姿に戻る可能性が高かったと今気付いたんですけど、着替えずにそのままフード付きマントを着て出てきてくれたのはどうしてなのかなと」

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