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乙女ゲー異世界転生者(♂)は悪役令嬢を救いたい   その二百十一

 今はとりあえず多くの人の意見が欲しい。


「とりあえず、竜二とあとは翡翠の意見も聞いてみるか……」


 色んな意味で連絡も相談もしやすい竜二と翡翠の二人に連絡したところ……。



「いや、わざわざ集まる必要は無かったけど……」

「ふっ、安心しろ同士、ここの支払いは俺様が持つ。昨日祝ってくれたお礼だとでも思ってくれ」


 いや、俺が心配してるのはそこじゃないんだけど……。


「お! 太っ腹っすね。ありがとうございます奥真先輩。兄貴! 何食いましょうか!」


 二人の意見を聞こうと連絡してから一時間。二人共暇なのか気が付くと学校近くのファミレスで集まることになっていた。


 ちなみに休日なので優花を含めて皆私服。優花は無地のTシャツに薄手の黒のジャケットにジーパンという無難な格好に対し竜二はだぼっとしたパンツに上は竜の柄のスカジャンとヤンキースタイル。そして翡翠は……。


 だ、ださい……。


 誕生日プレゼントとして優花が選んだ紺のインナーに黒いパンツ、緑のワンポイントがある薄手のアウター……までなら良かったのだが、その上に竜二が選んだ竜と虎柄のスカジャンを着ているせいでミスマッチ勘がとてもダサい。


 翡翠のスタイルの良さでもカバーしきれないダサさだが、本人は気にならないらしい。


 どうでも良いけど、スカジャン二人と同席しているのは傍から見たらヤンキーに絡まれているように見えるんじゃないだろうか?


「はあ、まあいいか。とりあえず、お昼にもまだ早いからなあ、軽く……」

「軽くステーキっすね! この一番高いやつにしましょうか!」

「待て後輩。俺様のこの店のオススメはハンバーグだ! 値段は安いが……上に乗ったチーズとマッチしてて味は中々美味い……らしい!」

「へー、そうなんすね。それじゃあそのハンバーグをセットにして三つ頼みましょうか」

「ああ! このドリンクバー? も忘れないようにしないとな!」


 ……何でこいつらはこんなに元気なんだろう。


 無駄にテンションが高い二人に圧倒されつつ、翡翠のおごりでハンバーグを食べる。


 まだ朝と言っていいこの時間にこんなに食べられるわけがない……なんてこともなく。三人ともあっさりと完食。追加でポテトが大量に盛られた『ポテトの森』まで注文し、三人でパクパクと食べていくとすぐになくなった。


「ふう……ごちそうさま」


 少し食べすぎてお腹がぱんぱんな優花に対し、竜二はまだいけそうな感じ、そして翡翠は……。


「食べ過ぎた……」


 椅子の背にもたれ、お腹をさする翡翠は明らかに許容量オーバー。どうやらこの中で一番胃袋が小さいのは翡翠らしい。


「それで、兄貴。結局相談したいことってなんなんすか?」


 微妙にぐったりした感じの翡翠を置いて、ようやく竜二が今日の本題の方に水を向けてくれた。


「ああ、まあ、大したことじゃないんだけどな?」

「はあ、そうなんすか?」


 優花の前置きに竜二は意外そうに目をぱちくり。そして翡翠はそれどころじゃないらしく、深呼吸しながら天井を仰いでいる。


 もうこいつは本当に何をしに来たんだろう……。


 お腹の中の物が少しでも減ればなんとかなるだろと、翡翠をさっさとトイレに行かせ優花は先に竜二の意見を聞いておくことにした。


 ……さて、竜二には何と聞くのが正解だろう。


 花恋には友達の話で一応話の筋は通っていたけれど、竜二相手だと話が変わる。


 そもそも優花の数少ない友人と言える人物で同性なのは竜二と翡翠。相談する竜二を除いたら後は翡翠しか残らないので、自動的に相談は翡翠の話になると竜二ならすぐに気が付く。


 トイレに行っていて今は居ないとはいえ、戻って来たら翡翠も話しに加わる。そこで話に齟齬が生じれば優花の友達の話という嘘はすぐにばれてしまうだろう。

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