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乙女ゲー異世界転生者(♂)は悪役令嬢を救いたい   その百九十七

 先にプレゼントを渡してしまったことは……まあ、後で四五郎さんと真央の二人に謝れば良いだろう。


 しばらく放心したように優花からのプレゼントを見ていた翡翠が徐々に現実を受け入れ始めたのか、徐々に顔が緩み笑みを浮かべ始めた。


「な、なあ同士! 本当にこれもらって良いのか?」

「むしろもらってもらわないと困る。要らないなら……誰かにやっても良いぞ?」

「いる! いるに決まってるだろ! それより同士……あ、開けても良いか?」

「……どうぞ」


 翡翠が大切な物を扱うように優花からのプレゼントの包装紙を丁寧に取っていくのを相変わらず謎の気恥ずかしさと共に見守ること数秒。


「ど、同士? これって……」


 中身を確認した翡翠は困惑を隠せない様子……まあそれも仕方がないだろう。だって中身は……ゲームソフトだからだ。


 翡翠がゲームをするというのは聞いたことがない。普通プレゼントとかは相手の趣味を考えて選ぶことが多いため、翡翠もまさかゲームソフトをプレゼントされるとは微塵も思っていなかったようだ。


「色々と考えたんだけどな。思い浮かばなかったから、とりあえず俺が好きなものにしておいた。後で存分にやってくれ」

「えっ、あっ、お、おう……ありがとう」


 困惑しながらもお礼を言った翡翠は、改めてプレゼントされたゲームソフトのパッケージをまじまじと見るとすぐに変な顔になった。


「あの……同士? これっていわゆる……乙女ゲームってやつじゃないのか?」

「ああ、そうだけど……どうかしたか?」


 そう。翡翠が言ったように、優花が選んだのは乙女ゲーム。タイトルは『戦華繚乱~終わりの姫~』。


 ざっとあらすじを読んだ感じだと、現代の女子高生である主人公が急に戦国時代に飛ばされ、その先で有名な武将と同じ名前のイケメン達と出会い、元の世界に戻る方法を探すうちに徐々にその世界の謎に近づいていく……という感じらしい。ちなみにネットでの評価によると神ゲーらしい。


 自分が好きな『ゲーム』をプレゼントすると決めたのは良いけれど、どのソフトをプレゼントしようか結局また迷った結果、BLが好きな翡翠なら乙女ゲームでも楽しめるんじゃないかと思いチョイスしたのだが……。


「同士」

「ど、どうした?」

「俺はBLが好きだ」

「いや、知ってるけど……」


 既に知っていることではあるけれど、改めて考えてみれば男相手に言われると身の危険を感じる発言ではある。まあ、変な意味で言ったのではないのはさすがにわかるので、ツッコミを入れるのはやめておく。


「乙女ゲームっていうのは主人公は女なわけだろ?」

「そりゃあまあ……」


 そこは普通にひっかかるのか……。


 苦い顔……というよりも、少し困ったような表情を見せる翡翠に、優花も最初にマジハイをプレイした時は主人公が女であることに抵抗を感じたことを思い出す。


 乙女ゲームが元々女性がプレイするものという先入観はもちろんあるだろうけれど、たぶんそれだけじゃない。ゲームにしろ小説にしろある程度主人公に感情移入し自己投影をして作品を楽しむものだと思うが、今回のように主人公の性別が違う場合自己投影がしづらくなり、そこに抵抗感が生まれるんじゃないだろうか。


 ……ちなみに戦華繚乱の主人公の見た目は真央に似ている。真央の服を和服にして長いウィッグをつければ簡単に再現度の高いコスプレできそうだ。

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