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077 アイドル編53 RPでライブ1

 RPに出てライブをやろうと言ったって、敵が攻めて来なければ出番はない。

最近は敵の動きがおかしく、所謂定期便と呼ばれていたコンスタントに一定間隔で来ていた敵艦隊までやって来なくなった。

SFO運営からは大規模攻勢の予兆ではないかと、RP参加を申請しているゲーマーには限定的だが待機命令が出されている。

まあVPに出ることは出れるのだが、敵が攻めてきたら例え決勝戦で優勢だったとしてもVPを棄権して出撃させられるのだそうだ。

出撃免除されるのはクエストを受注して遠征に出ている者のみ。

傭兵さんたちは待つより遠征を選んでいて、実はビギニ星系は若干戦力が手薄になっている。


 SFOギルドから前回鹵獲した素材の査定が終わったとの連絡があった。

ボルド伯爵に、こちらの強さを見せつけるため、いつもより派手な攻撃をしたため素材としてはあまり状態が良くなかった。

まあ、戦艦さえ手に入れば良いと思っていたので、他の損傷はそんなに気にしていない。

ギルド税の1割を物納で支払ったので、戦艦1、巡洋艦5、駆逐艦9の残骸が手元に残った。

だが、待機命令のせいで終了までに日数がかかる融合が、修理で仕方ない場合を除いて禁じられてしまっている。

そのため、せっかく戦艦の艦体を確保したのに戦力アップの融合が出来ない。


「ちょっと社長、RPに出る判断が悪い方に出てしまったんじゃないの?」


 ん? どうしたんだ?

僕の小言に社長が無反応だった。

何やらいつもの社長らしくない。

なんだか精彩に欠けてボーッと呆けているような?

ついこの間、組織立った敵艦隊の危険性を語ってたばかりなのに、その逆を行くような方針を強行したり……。

ちょっと引っかかるな。


「とりあえず、ギルドの査定場まで行って鹵獲素材を引き取って来るよ」


「んー。ああ」


 まただ。いったいどうしちゃったんだ?



 戦艦まである鹵獲素材を収納出来るのは、僕の専用艦の次元格納庫しかない。

なので、必然的に僕が引き取りに行くことになる。

鹵獲素材はステーション下部のギルド倉庫にある査定場で受け渡しされる。

うちも大艦隊(クラン)を組めていたら余剰な格納空間が手に入ったんだけどなぁ。


 大艦隊(クラン)を組み、それをSFO運営に申請していると、艦隊用格納庫というものが与えられる。

そこに所属艦艇を全て格納することが出来る。

艦隊用格納庫は広大で、新たな参加者を受け入れるための余剰空間まで用意されている。

そのため、鹵獲戦艦でもなんでも一時的なら格納出来てしまうのだ。

ブラッシュリップスはメンバー5人スタッフ2人しかいなかったので、大艦隊(クラン)の構成要件を満たしていなかった。

そこに神澤プロモーション預かりになっているシューティングドリーム5人を加えても、まだまだ無理だった。

なので、ブラッシュリップス艦隊全体の資産である鹵獲素材を、僕個人の次元格納庫に収めるということになったのだ。

次元格納庫が余計なことをするので不安なんだけどね。


 なので僕の専用艦でステーション下部にあるギルド倉庫に向かう。

ギルド倉庫の手前ではギルドスタッフが作業艇に乗って受付業務をしている。

手すきの女性ギルドスタッフを見つけて声をかける。


『すみません。ブラッシュリップスですが、鹵獲素材の引き取りに来ました』


『はい。確認しました。それではご案内します』


 何やら電脳同士で情報のやりとりをして、こちらの身元と預かっている鹵獲素材の情報を把握したようだ。

ギルドスタッフの乗る作業艇がそのまま移動して広大な倉庫の一角に案内される。


『ここの戦艦1、巡洋艦5、駆逐艦9ですね。

ギルド税は物納で巡洋艦2、駆逐艦1と若干の部品をいただきました。

受け渡しにタグボートの派遣は要りますか?』


『あ、大丈夫です』


 僕はその場でそれら全てを次元格納庫に収納した。


『それでは、受け取りのサインを』


 パイロットシートに座る僕の手元に仮想スクリーンが開き、表示された書類に電子認証を要求される。

指でポチっと触ることで認証コードが発せられ、立派な公式書類となる。


『ありがとうございます。またのご利用をお待ちします』


 ギルドスタッフがにこやかに会釈をして引き取り終了となった。

毎度のことながら、テキパキと仕事をしていて気持ちがいい。


「さて、戻るか」


と、その時、コクピットにアラームが鳴った。


『緊急招集、緊急招集、敵艦隊の大規模攻勢の予兆を観測、全艦緊急出動を要する!』

『緊急招集、緊急招集、敵艦隊の大規模攻勢の予兆を観測、全艦緊急出動を要する!』

『緊急招集、緊急招集、敵艦隊の大規模攻勢の予兆を観測、全艦緊急出動を要する!』


 ああ、静けさの後に嵐がやって来たか。

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