054 アイドル編30 綾姫お披露目模擬戦1
綾姫と撃墜者特別回収に行き、回収した獲物の分配をしようとしたが、綾姫にはまた自分で撃墜した艦じゃないと固辞されてしまった。
綾姫は、僕が自分につきあって戦場で命を晒していることを申し訳なく思っているらしく、そこは頑として受け入れてくれなかった。
今回は、僕の判断ミスで綾姫を後退させているので、実入りを少なくしてしまったというお詫びもあったんだけど、それ以上に綾姫の方が申し訳ないという気持ちを持ってしまっているようだ。
「これ以上言うなら艦隊を解除して一人で実戦に出ます。
一緒に戦ってもらっているからには、分配は自分が倒した分のみでお願いします!」
綾姫はなかなか頑固な性格らしい。
そういえば、綾姫のお爺さんは剣術道場を営んでいたとか。
見た目も委員長だし、お爺さんの影響で剣術も嗜んでいるそうなので、古風な性格なのかもしれない。
これはこっそり綾姫貯金でもしておいて、良きタイミングで渡すとしよう。
「わかった。でも、一人は危ないから僕のと艦隊を解除するのはやめてね?
僕が社長に怒られちゃうからさ」
「うん。そこは甘えさせてもらいます」
僕は狡いな。社長を利用して説得だなんて……。
本当はぼっちに戻るのが嫌だからなのにね。
そして今日は綾姫の新メンバーお披露目となる模擬戦が予定されていた。
「社長、綾姫のレッスンは大丈夫なの? まだ全員で合わせたりしてないよね?」
「おい晶羅、それは緊急招集のせいだろ。こっちの予定の方が先だったじゃないか」
僕がぼやくと神澤社長が不機嫌そうな顔をして返す。
「そうだけど、綾姫が心配じゃないのか?」
「いや、新メンバーなんて間違った方が、かえって初々しさが出て逆に良いものなんだぞ」
「僕たちは曲がりなりにもプロだよ? それでいいのか? 綾姫が恥をかくことになるんじゃないの?」
「そうか? デビュー時の紗綾と美優なんて「ガン!」」
神澤社長の頭に足が乗っていた。紗綾のかかと落としだ。
「何か?」
紗綾の目がマジだ。これ以上は聞いてはいけない内容のようだ。
僕と社長は怯えながら、これ以上この話題を続けることを避けた。
「ところで、綾姫は学業をどうしたのか聞いた?
まだ高校生の年齢でしょ?」
「彼女は家庭の事情でな……」
綾姫の家は父親が経営していた会社が倒産して、その借金を父親が自ら被ってしまっていた。
綾姫が倒産以前に通っていたお嬢様学校は辞めざるを得なかったそうだ。
SFOで稼いで借金を完済すれば復学の道があるのかもしれない。
そのためには借金以上に稼いで違約金を払って早期帰還するしかない。
「ところで、今回ブラッシュリップス艦隊の強化に使った装備のお金はもらえるんだよね?」
「出すことは出すが……。晶羅、少し負けてくれ!」
「いや、あれは綾姫が借金を返済するための貴重な装備なんだよ?」
「うぐっ!」
神澤社長も、これで値切ろうなんて気は起きないだろう。
今回の模擬戦におけるブラッシュリップス艦隊の各艦の諸元は以下。
『KIRARA』
艦種 艦隊旗艦
艦体 全長250m 高速巡洋艦型+α 2腕 次元格納庫S型 (巡洋艦 2 突撃艦 1 ステルス艦 1 艦載機『すてるす』1 外部反応炉 外部兵装 外部電脳 予備部品多数)
主機 対消滅反応炉G型(15)(+外部反応炉 対消滅D型(18)) 高速推進機C型
補機 熱核反応炉G型(6)
兵装 主砲 長砲身5cmレールガン単装1基1門 通常弾 100/100 特殊弾 20/20 特殊弾 20/20
(外部兵装 長砲身40cmレールガン単装1基1門 通常弾 80/80 他)
***粒子ビーム砲単装1基1門 (ロック)
36cmブラスター単装1基1門
副砲 30cm粒子ビーム砲単装1基1門
20cm粒子ビーム砲単装1基1門
対艦刀 30m対艦刀【不知火】
対宙砲 10cmレーザー単装4基4門
ミサイル発射管 D型標準2基2門 最大弾数4×2 ミサイル残弾 8
艦載機用ミサイル D型標準2基×1 最大弾数4×2×1 ミサイル残弾 8
防御 耐ビームコーティング多重特殊鋼装甲板(盾S型相当)
ビームキャンセラー(対ビームバリヤー)
耐実体弾耐ビーム盾E型 1
停滞フィールド(対実体弾バリヤー)C型
電子兵装 電脳S型 対艦レーダーS型 広域通信機S型 戦術兵器統合制御システムS型 サブ電脳D型 (外部電脳A型)
空きエネルギースロット 0(5)
状態 ***粒子ビーム砲 使用不能
『すてるす』
種別 ステルス攻撃機
機体 全長25m
主機 熱核反応炉F型(7) 高速推進機G型
兵装 主砲 15cm粒子ビーム砲連装1基2門
ミサイル D型標準2基搭載可能
対艦刀E型 1
防御 耐ビームコーティング特殊鋼装甲板
遮蔽フィールド(隠蔽装置)E型
電子兵装 電脳F型 対艦レーダーF型 通信機F型
空きエネルギースロット 0
状態 良好
『AYAME』
艦種 突撃艦
艦体 全長200m 巡洋艦型 2腕
主機 熱核反応炉C型(10) 高速推進機E型
兵装 主砲 長砲身20cmレールガン単装1基1門 通常弾 80/80
副砲 20cm粒子ビーム砲連装1基2門
15cm粒子ビーム砲連装1基2門
対宙砲 10cmレーザー単装4基4門
ミサイル発射管 なし
対艦刀 C型 1
防御 耐ビームコーティング特殊鋼装甲板
耐実体弾耐ビーム盾E型 1
停滞フィールド(バリヤー)E型
電子兵装 電脳E型 対艦レーダーE型 通信機E型
空きエネルギースロット 0
状態 良好
『NAHO』
艦種 狙撃艦
艦体 全長200m 巡洋艦型 2腕
主機 熱核反応炉C型(10) 高速推進機F型
兵装 主砲 長砲身30cmレールガン単装1基1門 通常弾 80/80
副砲 20cm粒子ビーム砲単装2基2門
対宙砲 10cmレーザー単装4基4門
ミサイル発射管 なし
防御 耐ビームコーティング特殊鋼装甲板
耐実体弾耐ビーム盾E型 1
停滞フィールド(バリヤー)E型
電子兵装 電脳C型 対艦レーダーB型(射撃補正装置付き) 通信機E型
空きエネルギースロット 0
状態 良好
『SAYA』
艦種 防宙艦
艦体 全長200m 巡洋艦型 4腕(簡易型)
主機 熱核反応炉E型(8) 高速推進機F型
兵装 主砲 15cm粒子ビーム砲連装2基4門
副砲 なし
対宙砲 10cmレーザー連装4基8門
ミサイル発射管 F型防宙4基4門 最大弾数20×4 ミサイル残弾 80
防御 耐ビームコーティング特殊鋼装甲板
耐実体弾耐ビーム盾D型 4
停滞フィールド(バリヤー)D型
電子兵装 電脳E型 対艦レーダーE型 通信機E型
空きエネルギースロット 0
状態 良好
『MIYU』
艦種 軽空母
艦体 全長250m 輸送艦型 2腕 拡張格納庫 (艦載機『攻撃機』 2)
主機 熱核反応炉E型(8) 高速推進機F型
兵装 主砲 なし
副砲 近接戦用散弾投射機 4 残弾20×4
対宙砲 10cmレーザー単装12基12門
ミサイル発射管 F型防宙4基4門 最大弾数20×4 ミサイル残弾 80
艦載機用ミサイル D型標準2基×2 最大弾数4×2×2 ミサイル残弾 16
防御 耐ビームコーティング特殊鋼装甲板
耐実体弾耐ビーム盾E型 2
停滞フィールド(バリヤー)D型
電子兵装 電脳D型 対艦レーダーE型 通信機E型 サブ電脳D型
空きエネルギースロット 1
状態 良好
『艦載機』
種別 攻撃機
機体 全長20m
主機 熱核反応炉H型(5) 高速推進機H型
兵装 対宙砲 10cmレーザー連装1基2門
ミサイル D型標準2基搭載可能
防御 耐ビームコーティング特殊鋼装甲板
電子兵装 電脳G型 対艦レーダーG型 通信機G型
空きエネルギースロット 0
状態 良好
まず僕の専用艦こと晶羅艦
副砲に20cm粒子ビーム砲単装1基1門を追加した。
緊急招集でのオーバーキル対策で搭載。
仮想空間では相手が損傷しても仮想ダメージのためオーバーキルでも問題がない。
実戦用の追加武装なので残念ながら事務所には費用請求はしない。
続けて『すてるす』
対艦刀を装備した。
これも実戦での鹵獲用なので事務所には請求しない。
綾姫艦
副砲の連装粒子ビーム砲1基を15cmから20cm換装した。
これはブラッシュリップス艦隊に不足していた打撃力強化のためなので事務所に請求する。
菜穂艦
副砲の単装粒子ビーム砲2基を15cmから20cm換装した。
これもブラッシュリップス艦隊に不足していた打撃力強化のためなので事務所に請求する。
紗綾艦
変更なし
美優艦
艦載機制御用のサブ電脳を搭載した。
これもブラッシュリップス艦隊に不足していた打撃力強化のためなので事務所に請求するつもり。
この電脳は僕が回収した艦の部品を流用している。
でも高価なのでレンタル扱いにしてあげよう。
僕だって鬼じゃない。
うん、昨日の回収は、めちゃくちゃ儲かったんだよ。
艦載機2機も変更なし。
この5艦+艦載機3機で模擬戦を戦う。
僕はGバレットや融合弾といった秘匿兵装と、次元格納庫に格納している外部兵装や格納艦は使わないつもりだ。
実力的には戦艦を巡洋艦に外見詐欺したようなものだから、これらの装備を使ったら目立って仕方ない。
晶羅=アキラ艦隊のアキラだとはバレたくないからね。
だが表に出ている他の武装はオーバーキルだろうが自重しないつもりだ。
午後一で模擬戦開始。
メンバーとは作戦を打ち合わせ済み。
今回はブラッシュリップス艦隊としての知名度とレベルを上げるのも目標にしている。
負けても脱がされたり武装を取られたりはしないが、やるからには勝ちたい。
アイドルでもゲームの実力があることを見せてやる。
そして綾姫のデビューを勝利で飾ってあげたい。




