050 閑話・アイドルグラビア撮影
旧版での冗談回、学園編が諸事情(地球と完全分離)により全カットとなったので、代わりに入れたものです。
こちらも冗談回です。
「社長、活動は仮想空間のアバターでのみって話だったよね?」
僕の目の前に広げられた面積の小さい布の数々に僕は不満の声を上げた。
「この通りだ。地球に残した加藤マネが今話題のSFOアイドルってことでグラビアの仕事を取って来たんだ。
チャンスなんだよ。こちらで色々加工するから一肌脱いでくれ」
神澤社長が土下座してくる。
「一肌脱げって、本当に脱がす人がありますか!」
僕は突っ込まざるを得なかった。
「撮影場所は惑星ビギニの海洋リゾートだぞ。費用は会社持ちだ。贅沢させてやるぞ?」
僕はジト目で社長を睨む。
同じ話を聞いた菜穂さん、紗綾、美優は乗り気らしく水着を選んでいる。
綾姫は、社員旅行だと偽って連れて行くらしい。鬼だ。
「僕は男だよ? カメラマンにだってバレたら困るでしょう?」
僕の疑問に社長が笑いながら答える。
「ハハハ。SFOには雑誌社のカメラマンなんていないからな。
撮影は全て俺がやる。こう見えても写真修正や映像加工はお手の物なんだぞ?」
その技術を駆使して胸やくびれ、あと股間の修正は完璧に出来るらしい。
そこまでするつもりの社長の熱意が凄すぎる。
「それなら協力してもいいけど、僕は露出の高い水着はNGだからね?」
「わかった。わかった。流石に野球拳ルールでも見せなかったものをグラビアだからって見せたりはしないさ」
いや、目の前のテーブルにある水着はえげつなさすぎると思いますよ?
こうして僕たちはシャトルに乗って惑星ビギニの海洋リゾートに降りて行った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◆
「ここって、こうなってたんだ。完全に地球型惑星なんだね」
僕は惑星ビギニにシャトルで降り立って、初の地球外惑星上陸に興奮していた。
だが、僕はシャトルの中からばっちりメイクと女装をさせられている。
グラビア撮影のオフショットという体らしい。
社長が写真を撮りまくっている。
「ここからロケ地のビーチに向かう。地球の南洋リゾートみたいなエメラルドグリーンの海があるぞ」
「うわー楽しみ」
綾姫、浮かれているが、騙されてるんだぞ?
契約書は良く読んだ方がいい。
写真撮影がありますと書いてあったが、それが水着ではないとは書いてなかったんだ!
大人って怖い。
ビーチに到着すると白いパラソルと白いデッキチェアーが並ぶ、まさにリゾートという景色だった。
ここは本日神澤プロモーションで貸し切りだ。
「さあ、そこのコテージで水着に着替えて来い」
神澤社長に促されてメンバーがコテージに向かう。
「晶羅ちゃん、行こう♪」
何を思ったのか綾姫が僕の右腕を取ってコテージに向かおうとする。
そうか、綾姫はまだ僕を女性だと思っているんだ。
「ちょっと待って僕は……ムグ」
僕は男だとバラそうと声を出そうとして失敗した。
後ろから抱き着いた美優が僕の口を手で塞ぐ。
と同時にニヤニヤ笑いを浮かべながら紗綾が僕の左腕をホールド。
そのままコテージに引きずって行く。
哀れ僕は女子更衣室となっているコテージに引きずり込まれてしまった。
目の前では既に菜穂さんが脱いでいる。
しかも僕の事なんか全く気にしてない。
これがプロか。プロは衣装の早着替えなどで、例え男性スタッフがいたとしても着替えを躊躇してはいけないのだ。
なんやかやで僕が躊躇しているうちに綾姫も着替え始めてしまった。
言えない。この場で僕が男だなんて言ったら綾姫に殺される。
そんな僕の様子を見て紗綾が面白がっている。
当然紗綾も何の躊躇も無しに着替え始める。
むしろ僕に見せつけている気がするぐらいだ。
僕は皆の方を見ないように端っこでこそこそ着替える。
「ちょっと晶羅っち。何恥ずかしがってるの?
なんだ、Aカップを気にしてるのかーw
そんなの美優もいるから大丈夫だぞ」
「ん」
美優が誇らしげにAカップのちっぱいを見せつける。
頼むから水着を付けてからにしてください。
それに男だからAカップもありません。
こうして僕は揶揄われながら、男であることを隠しつつ水着に着替えた。
僕は胸にフリル、腰にパレオの付いたワンピースを着ている。
外観が女性っぽいのは自覚していたけど、しっかり女性に見えている。
これなら撮影もギリギリクリア出来そうな気がする。
と思ったのは大間違いだった。
グラビアとは1人1人撮影するものと思っていたら、それ以外にメンバーとのショットというのがあるらしい。
社長の指示でメンバーと接触するようなポーズを取らされる。
紗綾なんかわかってて胸を押し付けて来る。
水着1枚で抱き着かれた健康な15歳がどうなるのかご想像ください。
パレオが無ければ即死だった……。
そんな撮影を続け、僕は放心状態でコテージで1人着替えた。
その後は、普通にシーフードを食べたりマリンスポーツをしたりと海洋リゾートを楽しんだ。
その夜。社長の部屋。
「晶羅の股間の修正がめんどくさい。
紗綾め、わざとやりやがったな!」
社長のむなしい作業が夜遅くまで続く。




