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099 放浪編18 奇襲

 謎の敵艦隊は全艦で突入タイミングを合わせて来た。

これは亜空間内で突入準備をし、一斉に突入して来たということで、行動に知性が介在している。

愛さん曰く、野良の宇宙艦の場合は、人を襲うという本能が行動原理にあるため、個々が競うように突入してくるとのこと。

真・帝国でも、野良宇宙艦でもなければ、残りは……。


「これはプリンスかギルバート伯爵の帝国側の敵対勢力だな。

つまりこちらの情報が何らかの方法で漏れてるわけか……」


 真・帝国(協力者)が合流すれば戦力を充実されてしまう、その直前というタイミング。

僕が単艦で出撃しているという格好の機会。

内部情報が駄々漏れしていなければ、この二つの偶然は成立しない。

協力者(真・帝国)の正体だけは漏れていなければいいが……。

バレたら帝国全てが敵にまわってしまう。

まあ、僕の生命の危機にそんな心配をしてもしょうがないか。


「ここで僕がやられるわけにはいかない!」


 僕は専用艦に回避行動をとらせながら独り言ちた。

包囲しつつある敵艦隊の中心にあえて専用艦で突っ込んで行く。

僕は戦術兵器統合制御システムで敵艦隊にマルチロックオンをかける。

脅威判定に射撃効率を考慮して敵の攻撃優先度がふられていく。

3門の長砲身5cmレールガンを連射して、次々に敵艦へ侵食弾を撃ち込み支配し、行動不能にしていく。

敵艦の数が多すぎて集中攻撃を受ける。

敵艦がレールガンを撃つ。僕の専用艦が紙一重で避ける。

その先には混戦中の敵艦がいて同士討ちとなる。

わざと敵艦の間に入って同士討ちを誘ったのだ。

敵艦のビームが降り注ぐ。S型盾とビームキャンセラーで弾くが、いつまでももつとは限らない。

そろそろ侵食弾も底をつく。

先日、真・帝国軍を無力化するために使いすぎて補充が間に合っていなかったせいだ。


「ああ、こいつらは僕が単艦で出てくるって知ってたんだな。

ならばもう秘匿兵器だなんだと遠慮することはない」


 僕は次元格納庫から鹵獲巡洋艦を取り出し盾兼戦力とする。

外部兵装も起動し、フル装備で迎撃するも圧倒的に手数が足りない。

逆に敵艦隊は味方が集中しすぎて渋滞し、後方の艦は手が出せなくなっている。

そこに勝機を見いだすしかなさそうだ。

飽和攻撃で撃ち込まれたミサイルを長砲身5cmレールガンの通常弾とレーザーを速射し撃ち落とし続ける。

小口径の速射力、豆鉄砲だとバカにしていたが、本当に役に立つ。

今は無くてはならない武装だ。

防衛を担っていた鹵獲巡洋艦が善戦むなしく敵艦の攻撃で沈んでいく。

推進機の壊れた鹵獲巡洋艦も盾になればと出していく。

だが次第に盾役の鹵獲艦が減っていく。

残弾も厳しくなっていく。このままではビーム砲しか使えなくなる。

そこで僕は気付く。侵食弾で無力化した敵艦を服従させて味方として使えばいいんだと。


提督(アドミラル)コマンド。最上位命令。ナーブクラック発動! 全艦絶対服従!」


 侵食弾で無力化していた敵艦をナーブクラックで服従させる。総数3600艦ほど。

服従支配下に入った敵艦を戦術兵器統合制御システムでデータリンクし操る。

僕を中心に球形の輪形陣を組み、敵旗艦艦隊と思われる中央の艦隊へと総攻撃にうつる。


「目標、敵旗艦! ミサイル防衛は鹵獲艦に任せる!

全艦一斉射撃! 敵旗艦への通路を開け!」


 敵艦隊は全戦力を総突入させるため、次元跳躍門(ゲート)全面に艦を配置し突入して来た。

しかし次元跳躍門(ゲート)の性質上、出現する面はランダムに分散してしまう。

そのため敵旗艦艦隊は旗艦を守るための陣形集結に手間取っていた。その数900艦強。

その他に各個に攻撃をしかけてくる敵艦が3500艦ほどいる。

僕が単艦だと高を括っていた目の前に、鹵獲支配された3600艦の艦隊が出現してしまった。

集団でのなぶり殺しのはずが、味方の同数に近い戦力が突然目の前に出現したようなものだ。


 僕は敵旗艦と思われる戦艦に長砲身40cmレールガンから30cm粒子ビーム砲まで集中して撃ち込んだ。

敵旗艦の護衛の艦が盾になり沈んでいく。

僕はGバレットと跳躍弾も矢継ぎ早に撃ち込んでいく。

連射されたGバレットが数艦の敵艦をぶち抜いて後方の敵旗艦に当たる。

護衛の艦の盾を飛び越え跳躍弾も当たる。

その時、後方から来援したアノイ要塞全戦力の9000艦から、周辺に展開していた敵勢力の主力艦隊3500艦に向け長距離射撃が発射される。

一気に形勢が逆転した。


 僕は敵旗艦にトドメを刺すべくGバレットを連射する。

護衛の艦をぶち抜き、盾を破壊し、弾体が超高速で停滞フィールドも抜けてGバレットが当たる。

残骸となり浮遊する敵旗艦に更にGバレットが当たる。

敵旗艦はついに爆散した。

撤退にうつる敵艦隊を小領地混成軍3000艦が追撃掃討する。

カプリース領軍とグラウル領軍6000艦が僕の護衛に着く。

僕は戦術兵器統合制御システムにより鹵獲艦から敵艦隊の情報を抜く。

その情報を元に跳躍弾で分隊指揮艦と思われる敵艦を行動不能にしていく。


「さて、誰か逃げ遅れた搭乗者がいるかな?」


 プリンスかギルバート伯爵の手の者か。

全8000艦という艦数的には伯爵っぽいけど黒幕まで繋がる捕虜が確保出来ていれば正体がわかるだろう。

カプリース領軍とグラウル領軍6000艦に加えて鹵獲艦隊3600艦に守られた僕の専用艦を害することはもう不可能だ。

送り狼となった小領地混成軍3000艦も残敵掃討に入る。

僕が単艦で出撃しているところを大艦隊で襲う。

その数の有利が既に得られず、旗艦や分隊指揮艦が討ち取られた。

残った敵艦隊は這う這うの体で撤退し、戦闘は終了した。


 僕はナーブクラックで支配した鹵獲艦3600艦+分隊指揮艦35艦をサクっと次元格納庫に入れた。 

この中に搭乗者がいれば、そのまま捕虜に出来たはずだ。

捕虜はいるのか? リストをサーチする。


「いた。鹵獲だと転移で逃げられないのかもね」


 それは重巡洋艦クラスの艦だった。

さて誰が旗艦に乗っていたのか、誰が黒幕か吐いてもらおうか。

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