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2章の4話



「よーう、射頭夢ー。どうしたん机に伏せって?」



 射頭夢のクラスで2番めに来たのは、成瀬詩織だった。

 彼女は多分射頭夢の1番の話し相手で、色々とお互い相談やら雑談をよく交わしている。頭はかなり悪いが、運動はなかなかのもので、そこんとこは射頭夢も一目置いている人物だ。

 活発で性格もよく、男子に好かれるよりも、女子に好かれる事の方が多い。


 今日は、昨日射頭夢のメールにて早く来るよう言われたので、苦手な早起きをしてわざわざ射頭夢のためにいつもより早く来た。



「どーしたんだよオイ。例のことは聞いてるぞ? てっきり今日は朝早くから自分の自慢話でもすんだろうなー思って来てやったのに、なんかあったなら言ってみ?」


 そう言うと、射頭夢がむくりと顔を上げる。

 その顔は少し目が腫れており、不機嫌そうな表情をしていた。


「聞いてくれよしおりん。…愛しの和也先輩と付き合った言ったろ? んでちょっと朝調子こいたらシカトしてさ……ウチもう悲しくって悲しくって……」


「おうおう、そうかそうか。で、そんだけ? あんたはそんな事では落ち込むような子じゃないって思ってたけど」


「さすがしおりん。よく分かってるね。んでちょっと泣いてみたんだけどさ、言う事だけ言ってウチ一人置いて先に校舎入ってったんだぜ? そこはさー、抱きしめるやらチューすとやらのとこじゃないの?」


「んなもん知るか。…あれじゃねえの? どうしたらいいか分んなかったとか、そうゆのじゃね?」


「そこは抱きしめておくもんだろ…」


「はいはい」



 詩織は苦笑交じりに射頭夢の頭を撫でる。

 射頭夢は満足した顔で、



「寝る」



 と言ってそれから一言も話さなくなった。

 

「…俺の朝を返せ」


 そう言って詩織も夢の中に落ちていった―――







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