2章の1話
「うぅ…ん……ぁああっ!」
そう声をあげながら海老のように体を反らす。
暗い部屋に荒い息遣いだけが誰かがそこにいる事を教えさせる。
だがその息遣いも次第に収まっていき、誰かいるのさえ分からなくなるほど静寂が訪れる。
「ぅう………今日はここまでかな…」
そう声が聞こえてきたのと同時に、一瞬にして暗闇に光が掛かる。
――――射頭夢は着ている服をパタパタと仰ぎながら、ベットに勢いよく腰をおろす。
体は少し湿っており、顔が赤く火照っている。
腰をおろした状態で深呼吸を繰り返し、しばし目を閉じ、時間が止まったように静止をする。
だがそれもつかの間、目をキラキラさせながら顔をあげ、声を上げる。
「うきゃー! 凄い!凄いよ先輩! いつもの五倍はイけたよー気持ちかったよー」
部屋で一人大きな声をあげて足をばたつかせる。
顔は先ほどより赤くなっており、顔全体を侵食している。
「やっぱリアルの方がくるもんだね、うんっ!
……でもさ、付き合うとなったらやっぱヤりたいもんだよねー。普通にヤるのはな。なんかあたしには似合わないって感じ! はじめはやっぱコスプレイ? キャーキャー! いいねいいねぇ! あーなんか想像して興奮してきた! いや、想像じゃなくて妄想かな? どっちでもいいやそんな事!
するならやっぱ手始めに学ラン&セーラー? モデルのあの人が学ランだしねっ! 確かセーラーだったし…。用意しなくっちゃ!
さ、メールメールっ」
とてつもない独り言を言ったあと、携帯に手を伸ばし、誰かにメールをしている。
「うふふ…楽しくなってきたぞ!」
そう言いながらメールを終わらせ、風呂に入るため、部屋を出てった。