1章の2話
たった今告白された相手は――――電波少女だった――――――
「いや、だから似てるんですって! そのクールで孤独LOVEってとことか! あとちょっと裏がある? 影の部分を持ってたりしたりして。でもそんな性格なのに学校に貢献しようとして生徒会やら何たらやるとことかがもう、そっくり過ぎで! 好きになっちゃったってゆーかぁ、萌ちゃったってゆーか――――」
いきなり自分の真実を話したと思うと、次は自分の意見を息継ぎもしずに早口で喋っている目の前の相手――――その名も岩山射頭夢。
今では前髪を掻き分け、キラキラと輝く瞳を和也の前に晒している。落ち着いた性格に見えていたと他人に喋っても信じてもらえそうも無いくらいの変わり様だった。
和也はその姿をただ呆然と見つめることしかできなかった。
1人、なおも喋り続けている射頭夢との間に、お次は奇妙な―――微妙な空気が漂う。
「―――…ですからにしてですね……うがぁっっ!?」
その空気を察したのか、射頭夢は一気に顔を赤くして自分と自分の手を絡める。
「あのぉ…すいません……。ちょっとでしゃばっちゃったっていうか、調子に乗り過ぎたというか、舞い上がってしまったというか、上がり過ぎました…」
射頭夢と名乗る少女はいつの間にか前髪をまた下ろし、目を隠しながら時折りチラチラとこちらを度々伺っている。
2人の間に、気まずい空気が流れ続ける。