表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/16

1章の1話


「和也先輩っ! 宜しければ、私と付き合ってもらえませんか?」



 彼の――――木之元和也の目に前にいるのは1人の後輩だった。


 彼女は和也との接触はあまり無く、もしかしたら面と向かって話すのは今日が初めてかもしれない。


 見た目はごく普通でクラスにもよくいるタイプのように見える。前髪で顔を隠しているが、顔を赤らめているのが傍から見ても分かる。


 だが、そんなことを気にすることも無く、和也はいつもの対応に取り掛かる。



「どうして、僕を?」



 相手のほうも噂でよく耳にしていたのか、すぐ答えを出す。



「えっと…それは、前から見ててかっこよく……」



 最後まで言わないまま口ごもり、2人の間にしばらくの沈黙が訪れる―――――


 先にその沈黙を破ったのは和也の方だった。



「本当に、それだけ…?」


「え?」



 次の言葉で振られると覚悟していたらしく、間抜けな声が出てしまう。だが、すぐに気を取り戻し、しっかりと和也の顔を見ながら言葉を紡ぐ。



「……言っても良いんです…か?」


「どうぞ」


「ホントに、ホントに…引くかもしれないんですよ?」


「これから振られるかもしれない相手に別に引かれてもいいんじゃない?」



 その言葉を聞き、目に前の相手は考えるように手を口に添える。しかし、それも少しの間で、すぐに手を下ろす。そして、和也に向き直り口を開く――――


 その一瞬見せた真剣な目に和也は惹かれ――――



「あたしの好きな人に、似てるからっ!!」


「!?」


 

 彼女の意外な言葉に目を丸くする。






 彼女――――岩山射頭夢の目は――――




 これでもかという位に光っていた






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ