それは静かな波間にて
寄せては返す波の中で
ひとつ ふたつ 泡が消えていく
この海へと流れ出るいくつもの大河は
遥か北に位置する竜の住まう山脈より流れ出るという
「竜」
南の果て、海に面したこの神殿には
代々姫巫女と信仰の対象である古き竜が住まう。
巫女姫としての任期は長くとも2年。
乙女たちは10歳よりこの神殿に仕え
12歳で1人が選ばれる。
竜の姫巫女。
竜に選ばれ、竜と通じる乙女。
そして、それから2年の月日を神殿で過ごしその身に祝福を宿し
自らの村へと帰るのだ。
竜の加護。
それは、祝福。
寄せては返す波間に気づけば
足先がつかっているのと同じよう
気づいた頃にはその身に宿っているもの。
南の果て、竜の住まう神殿。
姫巫女と白銀の竜。
それはまた、別のお話。
プロット的な何か