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元モブ、姫様と話す。冒険者組合にて?

文章力はないと思いますが楽しんでもらえたら嬉しいです

 現在兵士の傷を姫様の回復魔法少治療(かいふくまほうキュア)で直しているところだ。兵士たちは遠慮したがまた先ほどの様な敵が出てきた時のためと姫様が説得させていた。

 ちなみに盗賊は兵士が巡回で通る道の木にくくりつけおくそうだ。

 姫様がこちらに向かってくる。そろそろ終わったみたいだ。


「私は第一王女であるエリシア・イン・アリスです。お礼を申し上げます。私達を助けていただいありがとうございます」

「僕の名前はシュウイチです。ご丁寧にありがとうございます」


 姫様はドレスの裾を両手で軽くつまみドレスを軽く持ち上げてお辞儀した。

 王族といったらもっと硬いイメージをしていたがそれは杞憂だったようだ。


「私達は今から王都へ向かう途中なのてますがシュウイチ様も一緒に来られませんか?お礼をきちんとしたいです」

「ではお願い致します」


 ここで僕は断らず行為に甘えることにした。情報を得ることが今、1番大事だ。

 姫様の隣にいた60代ぐらいのおじいさんも話しかけてきた。


「申し遅れました、私は姫様のひつじであるものです」

「名前はなんですか?」


 するとひつじはとても不思議そうな顔をしてきた。


「……………」

「続きは王都へ向かう馬車の中でもいたしましょ」

「わかりました」


 気まずくなった空気を察した姫様が助けてくれた。でもひつじにはなんで名前がないんだ。







 案内された馬車の形は天井までもが木の板で囲まれている長方形で窓はなく外からも中からも見れないようになっていた。だからさっき状況を見にわざわざ馬車を降りてきたということに気づいた。内部は柔らかなソファーが向かい合って二つあるだけでシンプルだった。

 お姫様専用の馬車らしいのだが、ちなみに馬車といってもひつじの手綱の先は馬ではなく召喚獣のユニコーンである。姫様いわくひつじになる資格は召喚魔法一角獣(しょうかんまほうユニコーン)を使えることが条件であること。通常は馬であり、ひつじを雇うのは当然姫様などの王家の血を引くものや貴族などのくらいが高い人たちだけらしい。

 王都まではひつじが馬車を操り、周りを兵士が歩きながら監視の陣形でいくみたいだ。兵士の護衛の仕事きつそうだな、特に歩くのなんて思いながら聞いていた。会社の給料で満足するべきだったなどと思いもした。

 馬車は僕と姫様の2人きりで姫様はなぜか俺の隣に座り手を繋いでくる。手から姫様の体温が伝わってくる。とても気まずい……何か話題を振らなくては……


「すごいですね、姫様も魔法をお使いになるのですね」

「王族は例外なく回復魔法(かいふくまほう)が使えます。さすがに魔力量や使える魔法の種類は変わりますわ」

「僕は魔法使えますか?」

「あなたは生まれた時に魔法診断を受けていないのですか?」

「はい、受けていないと思います」


 魔法診断は話の流れ的に魔法が使えるか使えないかとかだと思うけど


「人生生まれて初めてですわ、魔法診断を受けておられない人をお見受けするのわ」

「驚いたりしていますか?」

「もちろんですわ」


 驚いているらしいのだがさっきから一つも表情が変わらない。もっと表情豊かにならないのかな


「ひつじはなんで名前はないんですか?」

「ひつじは毎年変わりますの、よって愛着がわかないようにするためですわ」


 そんな理由で名前はないのはなんか寂しいな。でもこの世界では普通のことなんだろうな。


「ところでシュウイチ様はなんでまたこんなところにいらしてたんですか?」

「この辺の周囲を探索していたところでした」


 事実だ、迷っていたということを除けば……


「そういえば、シュウイチ様はお強いのですね」

「いえ、そんなことはありませんよ」

「ご謙遜されないでください」


 姫様いわく強いみたいだ。確かに盗賊相手に手応えすら感じなかったしな。でも元モブの僕は油断しない。

 常に相手の方が上ということを想定して動く。今回は衝動的な部分が少しあったかもしれないけど。


「シュウイチ様の冒険者カードを拝見させてくれませんか?」

「先ほど無くしてしまって……」

「冒険者組合にて再発行しなければなりませんわね」


 再発行してくれるんだ。冒険者組合も良心的だな。


「王都に着き次第冒険者組合に行きますわよ」


 えっ姫様までくるのなんて言えなかった。






 ひつじが馬車のドアを開けた。王都にある冒険者組合に着いたみたいだ。冒険者組合はどこの組織にも属さないが原則かららしい。なので王族は冒険者組合に入れないのだ。姫様はお留守番だ。再発行じゃなくて登録なので姫様が来なくて助かった。

 冒険者組合は基本的には石でできた建造物で屋根のところだけがレンガでできていた。衝撃に強そうであり、さすが冒険者組合といったところか。

 とても軽い石のドアを開けると中は一階しかなく冒険者はほとんど見当たらなかった。

 ここでひつじの説明が入ったのだが左手には冒険者に依頼する大きな掲示板、右手に依頼を承認、結果報告などを行うカウンター、奥に武器屋、素材屋、情報屋、真ん中はすごくスペースが空いているのが気になったが冒険者組合は万が一の避難場所と聞いて理解した。冒険者は基本的には朝の依頼掲示板変更時と夕方の結果報告の時間帯にしか来ないそうだ。

 とりあえずカウンターに向かった。


「ヨウケン、ナニ?」

「えっと冒険者カードの発行をお願いしたいのですが」

「ハイ、アナタ、サマ、ハ、ボウ、ケン、シャ、ナル、シレン、コエタ、ヨッテ、モンダイ、ナイ」


 試練?なんのことだかさっぱりわからん。するとまたもやひつじの人が説明してくれた。


「先ほどの石のドアを開けることが試練をなのですよ。あの硬く閉ざされたドアを開けることが条件なんですよ」


 そうなのか。僕には普通のドアと変わらなかったのだが。


「ココ、テ、オイ、テ」


 すると奥から石版を取り出してきた。おっ異世界らしいな。そして僕は指示通りに石版に手を置く。


「ブーーーーーーーー」


 とブザーが鳴り響いた。心臓に悪いくらいとても大きな音だった。


「アナタ、サマ、トウロク、マエ、シテ、ル」

「そうなのですか?」

「ハイ、ワタシ、ウソ、イウ、メリット、ナニ?」

「すいません………」

「ヨロ、シイ」


 その冷たい目と喋り方やめてよ………AIと喋っているようでなんかシンプルに喋りにくい。


「サイ、ハッコウ、イイ?」

「お願いします」


 と先ほどと違うまた奥から石版を持ってきた。今度も指示通りに手を置いたとたん石版が虹色に光り、冒険者カードが宙に浮き出てきた。


「ふーん、これが冒険者カードか……結構しっかりしてるな」


 冒険者カードには名前、依頼数、依頼成功率とその四項目しか書いていなかった。内容は名前シュウイチ、依頼数約120万回、依頼成功率100%、十五歳だ。

 僕ってこんなにこなしてたっけ?まぁいいや、バグかなんかだろう。


「これで完了ですか?」

「…………」


 なんで返事してくれないんだ。てかひつじもこっち向いて小造物みたいに固まってるし、なんの遊びだ。


「もう、大丈夫ですか?」

「ハ、イ、ダ、イ、ジョ、ウ、ブ、デ、ス」


 発する言葉は単語を並べているように細かくなり動かなくなった。

 すると奥からおねーさんが出てきた。


「なんでございましょうか、最上位冒険者様」

「ちょっと展開がわからないのですが?」

「はい、では簡単に説明いたします。通常の冒険者は先ほど対応にあたっています、魔導ゴーレムが担当します。しかしダイヤ、虹色の最上位冒険者様には人が対応するということです」


 ということらしいです。すごくニコニコした顔でこちらを見つめてくる受付のおねーさん。


「虹色ってすごいの?」

「はい、世界に片手で数えてられてしまうほどほんの一握りの冒険者でございます」


 ちなみに冒険者のランクを教えてくれた。下からランクなし、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、ダイヤ、虹色。この7段階にわけられるみたい。


「それでは失礼します」


 僕とひつじは冒険者組合を後にした。ひつじは冒険者カードに対して何も聞かず何も尋ねて来なかったがただ一つだけ言われたことがある。


「決して今度は無くさないようにと」


 とても深く心に突き刺さるような声で言った。だがその意味はまだわからないままだ。

読んでいただきありがとうございます。

再発行には冒険者のランクが高いほどお金がかかりますが、魔導ゴーレムに払っていると間違って受付のおねいさんは請求していません。

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